第8話 中秋の名月編 2 ピョン!
お目に留めていただき光栄です。
中秋の名月編 第二話です。
今回は新しいキャラが登場します。
最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
「イタタタタ……痛いピョン!」
スマイリー先生は、
「これだから日本にして正解でしたね♪」
にこり。
(おいぃーーー!)
勇助たちは落ちてきたものを見下ろすと
愛くるしいモチっとした白ウサギが
杵を持って尻餅をついていた。
覗き込んでいることに気付くと、ウサギは、
「え?」
と驚いて跳ね上がった。
スマイリー先生は、
「ウサギさん、落ち着いてください。
私たちは怪しいものではありません」
にこり。
(それが十分怪しいんだが……)
「こちらは、其道勇助さん、
私はシェラフ・スマイリーです。
どうぞお見知りおきを」
にこり
と、ウサギを落ち着かせようとした。
「ぼ、僕はラヴィ・ぴょん太」
ぴょん太は辺りをきょろきょろと見回し、
「ここは、どこピョン?」
と、不安そうに尋ねた。
「ここは地球の日本です」
にこり。
「ち、地球! 大変だピョン!」
と言うや、その場でピョン! ピョン!
と跳ね始めた。
あっけに取られて見ていた勇助が、
ようやく口を開いた。
「って、何してるの?」
「月に帰るために飛んでるんだピョン!」
ウサギはピョン、ピョンと跳ね続ける。
「つ、月!?
……ご、ごめんだけど、
オレの身長より低い跳ねだよ?」
「え、…………えぇぇ!」
ウサギはオロオロし始めた。
「重いよ! 重い! 飛べない!」
スマイリー先生は、
「ピョン太さん、ここは月の約六倍の重力が
ありますので、簡単には飛べませんね」
にこり。
ぴょん太は膝をつき、絵に描いたように途方に暮れている。
勇助は、とりあえず状況を整理するため尋ねた。
「地球に、なんで来たの……?」
ぴょん太は顔を上げ、
「月で調子に乗って、餅つきしながら高く飛んでたら、
高く飛びすぎて地球に落ちちゃったピョン……」
途方に暮れながら答えた。
(え、それで来れちゃうんだ……)
「で、飛んで帰れるの?」
「そうだピョン!」
「他に方法は?」
「知らないピョン」
勇助は空を仰ぎ、ゆっくりと左手で目を覆った。
スマイリー先生は、
「それはお困りですね」
にこり。
勇助を見ながら微笑む。
「いや、さすがに月はちょっと……」
「うぅぅぅ……もうすぐ……
餅つき大会の決勝だピョン!
宇佐ちゃんが待ってるピョン!」
スマイリー先生は思わず、
「宇佐ちゃんは、彼女さんですか?」
と尋ねた。
「餅つきの相方のメンズだピョン!」
スマイリー先生は
「きっと良い相方さんなんですね」
と、フフフと笑った。
「そうだピョン!
信頼のおける大事な相方だよピョン!
ずっと優勝してるピョン!
みんな期待してるピョン!」
勇助は、
「大会はいつ?」
と尋ねた。
「九月十五日だピョン!」
「明日じゃん!」
「大変だ! 大変だ!
宇佐ちゃん待たせちゃう!
遅刻しちゃう! 急がなくっちゃ!」
ピョン、ピョン、ピョン‼︎
スマイリー先生は、
「困りましたね……私はバカンス中なので、
奇跡は起こせませんし……」
と、勇助をちらりと見た。
「って、さすがにオレでも空はちょっと……」
スマイリー先生は、
「フフフ♪
勇助さんには、凄い守護神さまが
いらっしゃるじゃないですか♪」
にこり。
えっ!? なんで知ってるの!
と、勇助が驚くとスマイリー先生は
楽しそうに、「フフフ」と笑った。
天使がとか、月のウサギがとか、守護神がとか……
情報量が多すぎて、何に驚けばいいのか
分からなくなった勇助だった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
"おやしろまん"の世界を少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
勇助たちの物語は、これから少しずつ広がっていきます。
また次のお話でお会いできたら幸いです。




