第六話 ミーティング
集合時間になり、介護ブースへ向かった。
すでに何人か集まっており、会話をしている人たちもいた。
初対面のはずだが、どこか慣れている様子にも見える。
一方で、自分と同じように場に馴染めていない人もいた。
後で分かったことだが、派遣は「日勤何人、夜勤何人」という形で集められており、顔合わせはこの場が初めてだった。
まず、夜勤リーダーが日勤リーダーから引き継ぎを受ける。
続いて医療職からの情報共有。
内容は最低限だったが、この状況ではそれ以上求めることもできないのだと思った。
引き継ぎが終わると、夜勤リーダーが声をかけた。
「本日来てくれた方、名前をお願いします」
順番に名乗っていく。
簡単な挨拶を交わすが、名前までは覚えられない。
今夜はこのメンバーで動くことになる。
応援を頼む場面を考えると、せめて姓だけは覚えておきたかった。
手元にメモを取りながら、顔と名前を結びつけていく。
申し送りが始まった。
ケアが必要な人についての説明だったが、名前ではなく、テントの番号で伝えられていた。
入口に貼られた番号で管理しているということだった。
一人ひとりを把握するには、それしか方法がないのだと思った。
さらに、感染症の話が続いた。
新型ウイルス、ノロウイルス、インフルエンザ。
いずれも館内で発生しているとのことだった。
事前には聞いていなかった情報だった。
どの段階で広がったのかは分からないが、すでに複数の対応が必要になっていた。
「夜間は交代で休憩を取ってください」
休憩時間は二時間とされた。
ただ、横になれる場所は特にない。
二階の椅子で体を休めるしかないと説明を受けた。
装備の支給が始まる。
インカム、マスク、フェイスシールド。
感染対策として必要なものだったが、すべて装着すると負担は大きかった。
耳にかかる重さだけでも、長時間耳への負担が大きいと想像できた。
準備が整う。
このメンバーで、今夜の業務が始まる。




