見つめる存在
いつもお読みいただきありがとうございます!
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(*˘︶˘*).。.:*
琥珀の尋問が続く、その頃――
その様子を、
遠くから見つめる二つの人影があった。
???
「あらら……」
気の抜けた声が、
ぽつりと落ちる。
???
「あの賢かった穢れ人も、
琥珀様も、灰燼様も――
ぜーんぜん、駄目じゃん。
あっさり祓われちゃうし。
琥珀様なんて、
あんなにあっさり捕まっちゃって。」
そう言って、
隣に立つもう一人へちらりと視線を向ける。
???
「そんなこと言っちゃ駄目ですよ」
返ってきたのは、
呆れを含んだ穏やかな声。
???
「あの面子では、
勝ち目が薄いでしょう。
それに――
白い狐が二匹もいる」
???
「んー……」
声の主は少しだけ首を傾げる。
その視線の先では、
真白たちが琥珀を取り囲んでいた。
???
「確かに、
あの浄化の権能はすごいけど……」
そこで一度、
言葉が止まる。
???
「それだけじゃない?」
???
「ですが……」
隣の者が、
横目で男を見る。
???
「こうなることは、
見えていたのでしょう?
琥珀様には、
教えて差し上げなかったのですか?」
???
「んー……だって、
見えたのは可能性の一つだし。
それに僕たちの役目は、
あの戦いに手を貸すことじゃない。
黒曜石と――
琥珀様たちの回収でしょ?」
???
「まあ……
確かにそうですけど」
もう一人の視線が、
義久の手元の鞠へ向けられる。
???
「灰燼様の回収は、
もう無理そうですね」
???
「あれじゃあねぇ」
男も肩をすくめた。
???
「あそこまで綺麗に封印されちゃったら、
僕にもどうしようもないよ」
そのまま、
再び琥珀へ視線を戻そうとして――
ふと、男の目がある一点で止まった。
???
「…………」
先ほどまで浮かべていた、
気の抜けた笑みが僅かに薄れる。
その視線の先にいたのは――
月糸。
雪兎の傍らに立つ少女だった。
風に揺れる髪。
雪兎の言葉に、
どこか嫌そうに眉をひそめる横顔。
男は何も言わず、
ただ月糸の姿を見つめていた。
???
「あの娘が気になりますか?」
その声に、
男はようやく隣の人物へ視線を戻した。
???
「んー……どうだろう」
ゆっくりと目を閉じ、
自分の胸の内を探るように思案する。
しばしの沈黙の後――
男は目を開けると、
困ったように眉を下げた。
???
「……考えてみたけど、
分かんないや」
???
「分からない……ですか?」
???
「うん……
今は、まだよく分かんないかな」
そう答えながら、
男はもう一度だけ月糸へ目を向ける。
何かを確かめるように――
ほんの数秒。
やがて、
何事もなかったかのように視線を外す。
???
「しょうがない。
じゃあ――
そろそろ琥珀様と黒曜石、
取り戻しちゃおうか」
先ほどまで月糸へ向けられていた、
どこか探るような眼差しは――
もう、そこにはなかった。
男の瞳が、
琥珀と黒曜石を捉える。
???
「えぇ。
あの面子に気づかれてしまっては、
面倒そうですしね……」
???
「あぁーそうだね……
それは僕も御免だなぁ」
軽く笑いながら、
月糸へ視線を向けた。
ほんの、一瞬だけ。
???
「…………」
その眼差しに何が宿っていたのか――
隣に立つ者にも、
読み取ることはできなかった。
そして男は、
何事もなかったかのように前を向く。
次の瞬間――
二つの人影は、
気配ごと闇の中へ溶けるように消えていった。
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(人´∀`).☆.。.:*・゜




