~ユーリシア、報告する~
「おはよぉー」
あんじーが少し眠そうに、でも元気よく声をかける。
「おはようございます」
ユーリシアも今日は心なしか声が弾んる様に思えた。
「ユーリシア、昨日は教会で検査したのかい?」
「はい、そうなんです!その後ルイにぃとマーベルと街歩きしましたよ」
「えっ?街歩き、って、王都???」
「はい、そうです。」
「え〜〜っ!偶然!あたしも昨日は、お父さん、お母さん、おばあちゃんと王都歩きしたんだよ〜」
「そうなんですか?!いつ頃???」
「えっ?昨日、王宮に来たの?」
ユーリシアとシャルルが同時に質問した。
あんじーは2人の勢いに少し驚きながらも、笑顔で答えた。
「王宮じゃないよ、王都よ、王都。昨日は、朝早く馬車で出発して、朝ご飯は、朝粥を市場で食べて、それからお昼を『バッカスの胃袋』で食べて、今人気のタルト屋さんに行って〜だから、夕方になる前には王都から出たかな?」
「馬車だから、王宮には行ってないよ、シャルル。」
「えっ?どうして?」
「プライベートだから、家族でのんびり小旅行気分で行こう!って、なったの〜、楽しかった〜」
「そうなんだね。」
「そうなんですね〜。私達も『バッカスの胃袋』に行ったんですよ笑 いっぱいだったから、「バッカスの小袋」を紹介されて、そこで食べましたよ」
「え〜???それなら、あたし達はお店に居たかも???」
「そうですね。あとタルトって、小さなタルトがいっぱい置いてるお店ですか?」
「そう!あるのいっぱい買い占めたんだけどぉー」
あんじーが、少し困った様に、確認する様にユーリシアの顔を伺った
「あんじー様達だったのですね笑。 売切れから再度焼いてるところでしたよ。でも30分程でしたので、あたし達も焼きあがったの全部頂いて帰りました笑」
「そ〜なんだぁ〜、ユーリシア達も買えて良かったぁ」
あんじーは安心した様に、少し照れ笑いした。
「全部って、凄いね?」
シャルルが驚く。
「はい。教会の子供たちと、後はマーベルのマジックバックいきです笑」
「ふふふっ、いいね。王都で偶然に出会っても面白かったね〜笑」
「本当ですね〜」
いつものメンバーでお喋りしながら、あっという間に教室前だった。
「ユーリシア、検査結果はブルーノ兄上は一緒にお昼の時に聞いても良いかな?」
「えぇ。もちろん。そんな大した事はなかったんですけどね笑」
ユーリシアは少しだけ眉尻を下げた。
午前中の授業は魔法の歴史だった。
アンジーは魔法というものが前世からの憧れでこの思いがどうも強く影響しているのか、歴史を知るのがとても楽しく先生の話を熱心に聴いていた。
ユーリシアは同学年と学ぶと言うことがとても楽しくて刺激的で、アンジーと同じくらい瞳を輝かせて聴いていた。
シャルルはシャルルでそれほど目新しい授業ではなかったが、あまり表にでないけど、根っこは末っ子の負けず嫌いがある為、密かに中間試験ではトップを取りたい為に、こちらも真剣に授業を聴いていた。(どの辺りがテストにでるかヤマカンを働かせながら、先生の話を聴いているフリをしていた)
同じクラスの面々は、このクラスの豪華な顔ぶれはきっと将来の力になると今から十分に予想が出来た為に、このクラスから落ちたくなく、これまた真剣に授業を聴いていた。
そして、先生はどのクラスよりも真剣な子供たちの瞳に自分の授業がとても受け入れられてるとある意味良い方に勘違いをし、胸に熱い思いが込み上げてくるのを感じやる気に溢れ授業をしていた。
みんながウィンウィンな関係を築いていたのである。
そして、ランチタイムの為の、食堂では
いつの間にか、殿下方の定位席だとみんながゆずりあった結果、いつも空いている角の窓際のテーブルでは、将来の側近候補も入れて結構な大人数で、やはり殿下方とアンジー、ユーリシアが座っていた。
「それでどうだったんだい?」
ブルーノが早速の話題に入った。
「はい、あたしは土しかなかったのですが水晶全体が光り、兄は風と土だったのですが、風が、、、」
と、ユーリシアが教会での検査の結果を話す。
その内容に、殿下方はもちろん側近候補達も少なからず驚いていた。
そして、
「マーベルは、風なんですが、水晶の端っこの方にほんの少し焔が現れて、神父様も驚いていました」
と、ユーリシアが誇らしげに話していると
「はっ???」
「えっ???」
(ばかな!←側近候補達は、そう口から出そうになったのを抑えた)
「えっ?」
「どうしましたか?」
ユーリシアは殿下方や側近候補達の驚いた顔に逆に驚いた。
「焔?」
「はい。」
「神父の目にも確認出来るくらいの?」
「ええ。あたしもルイにぃも確認しましたよ?どうかしましたか?」
「あっ、いや、なんでもないよ。焔が出るのは珍しいから驚いただけだよ」
「そうなんですね。神父様もその様に仰ってました」
「ああ。そうだろうね…」
「そろそろお昼が終わっちゃう。あたしは花を積みに行きながら、教室に戻る!」
「あたしも行きます」
「ああ。僕らもスグに行くよ」
今日は珍しく殿下方は一緒に席を立たなかった。
アンジー達が離れたのを確認し、ブルーノは残ったみんなに
「この事は、兄上と父上に報告するから、くれぐれも他言しないように」
「「はい。畏まりました」」
~学園が終わって、王宮に戻ったブルーノとシャルル~
ブルーノとシャルルは侍女頭にエリック兄上の居場所を訊ねた。
「すまないが、兄上は帰ってきているかな?」
「はい。先程戻られておりました」
「解った。ありがとう」
「いえ、とんでもないことでございます。」
侍女頭に確認すると、2人は皇子宮のエリック兄上の居住区に向かった。
広い皇子宮の1番奥が兄上の居住区だった。
それぞれの居住区には護衛が配置されているが、王子方は仲が良い為、特に止められる事なくお互いの居住区を行き来できる。
「どう思う?」
「どこかの代で出奔された方がいらっしゃるのかな?」
「聞いた事ないよね。」
「ああ。でもそれしか考えられないな」
「そうだよね〜」
2人が喋りながら向かってると、エリックの居住区の方から人が向かってくる。
「「兄上!」」
2人は駆け出した。
「おかえり。その様子だとユーリシアから聞いたのかな?」
「はい。」
「どうゆう事なんでしょう?」
エリックは2人を促し、自分の居住区に歩き出した。
「解らないね。父上にお話を聞きたくて予定を確認する為に、面会を申込んだんだけど、先客があってね。
夕食の後にお時間を取ってもらうつもりだよ。」
「先客ですか?」
「ああ。どうもオンシジューム公みたいだね笑」
「えっ?」
「あぁ、そうなんですね」
「みんな、同じですね」
「そうだね。」
「まぁ、それは置いといて笑 お茶会の計画をたてないとね。」
「そうですね。」
「ユーリシアとマーベルが騎士団の訓練に週末参加するかもしれないから、そこを外して予定を組まないとね」
「ええ、そうですね。」
ブルーノは大きく頷いた。
「3人のお揃いは見たいね〜笑」
「兄上はそれが目的でしょ?笑」
「そうだよ〜2人だけ見てズルいよね〜笑」
3人はそのまま、エリックの居住区にある居間にお茶の用意をして貰い、しばらく3人で仲良くお喋りをしていた。
皇子宮で働いている侍女達にとっては、3王子達が仲良く話している姿を見るのが、とても尊くて大事なひと時であった。
まだまだ暑いです〜
いつも読んで頂いてありがとうございます。
感謝(ㅅ´ ˘ `)しかありません。




