~検査、ユーリシアとマーベルの場合~
ユーリシアはゆっくりとラサール主神父様の方へ歩き出した。
(あたしは何かあるかな?身体強化があるだけでも助かってるけど、土も欲しいというのは欲張り過ぎかなぁ〜
。でも、ルイにぃやマーベルの様に風の魔力がある感じはしないんだよね〜。
あたしはお父さんさん似だよ、絶対に。お父さんの顔、、、あんまり覚えてないけども。
マーベルとルイにぃは顔も似てるし、風の魔力も発現してるし…)
ユーリシアは不安と期待と、不安笑が入り交じった顔でラサール主神父様の前に立った。
「ユーリシア、緊張せずに、ゆっくり深呼吸してごらん」
「はい。」
ユーリシアはゆっくりと大きく深呼吸した。
スゥーーーー、ハァーーーーー
すこーしだけ、身体の力が抜けた気がした。
「良いかい?」
「はい、大丈夫です」
「では、心の奥底に目を向けて、ゆっくりと瞼は閉じて、両手は水晶にかざしてご覧」
「はい!」
ユーリシアは目を閉じて、ゆっくりと手をかざした、掌が暖かくなってくる気がした。
「ほぉ〜」
ラサール主神父様の感心した様な呟きが聴こえた。
「目を開けてご覧」
ユーリシアは瞼をゆっくりと開けた。
水晶は、とっても淡いというか、うすーくライトグリーンに光っていた。
(ルイにぃの時の様にハッキリした色じゃない、、、やっぱり魔法は素養がないんだ、、、)
ユーリシアは、少ししょんぼりとした。
「これは、この先が楽しみだねぇー」
ラサール主神父様の楽しげな声が聴こえた
「えっ???どーゆー意味でしょうか?」
ユーリシアは首を小さく傾けた。
ルイにぃとマーベルが近寄ってくる。
「ん?ご覧、淡いグリーンだけど広範囲に、そう水晶全体に及ぶほど広く光ってるだろ?」
「はい。」
「素質があるという事だ。方向性を間違わなければ淡い色も濃ゆい色に出来る。魔力は広く入る土台があるという事だよ。自分次第だ。」
「わたし次第、、、」
「そうだよ、頑張りなさい」
「お姉ちゃん、すごい!本当に水晶全部くらい光ってる!」
「ああ、本当だ」
「ユーリシアは、確か身体強化が出来たね?」
「はい。」
「土の魔法と身体強化の特技は相性が良い。自分を生かすも殺すも自分次第だよ。」
ラサール主神父様が優しく説いた。
「はい、、、はい!頑張ります。ありがとうございました。」
(土の精霊様!あたし頑張ります!わたしには才能が無いんだ、なんて思ってごめんなさい。)
ユーリシアは聴こえるわけもないのに近くにいるのかもしれない土の精霊に謝った。ガッカリした事が土の精霊にバレて魔力を取り上げられたらどうしようと、思ったほどユーリシアはプチパニックを起こしていた笑
「では、少し水晶の準備が出来るまで待っててくれ」
そう言って、ラサール主神父様が水晶に手をかざして何か呪文を唱える。
そうすると水晶の光が少しずつ治まってくるのが解る。
その様を眺めながら、顔と態度ではとても楽しそうにして見せているマーベルは内心、ドキドキと野望笑?を抱いていた。
(あたし、ほんの少し、針の先ほどくらいでも良いから、、、いや、針の先は大きいか、せめて点でも良いから、赤く点かないかなぁ〜、、、少しでも赤く点いたら大公様、きっと喜んでくれそう…
きっと何色でも魔力があったら、その事自体に喜んでくれそうだけど、、、赤があったら、もっと喜んでくれるんじゃないかなぁ〜。
たくさんお世話になってるから、少しでも喜んで貰いたいなぁ)
「はい、マーベルちゃん。用意できましたよ。準備はいいですか?深ーく深呼吸して~」
「はい。スゥーーーハァーーーーー、スゥーーーーハァーーーーー、スゥーーーーー、ハァーーーーー」
「では、瞼を綴じて、手を水晶にかざして、、、身体の中のエネルギーを水晶に流すように、、、」
マーベルは言われるままに瞼を綴じて、手をかざした。
(なんだか、身体の中が暖かくなって来るような、、、朝のお祈りの時に似てるなぁ〜)
「っえ、、、」
ラサール主神父様が小さく息を飲んだのがわかった。
(どうしたんだろ、何にも魔力なかったのかな?、、、あっ、いや、風はあるんだ。何にも無いことはない、、、
ンーーー気になる〜)
「どうぞ、マーベルちゃん目を開けて」
「はい」
目を開けて水晶を見ると、ルイにぃの時の様な渦巻いてる感じもなく、ユーリシアねぇの様に水晶全体という感じもなく、明るいライトイエローな感じで水晶の半分位が光っていた。
(風だけだ、、、いや風だけでもいい事なんだけど。。。でも、でも、ラサール主神父様があんな声を出すからぁ)
「これは、意外と言うか、すごい事ですね〜」
ラサール主神父様が感心した様に仰った。
「えっ???何が、ですか?」
「兄弟3人に魔力があることがですか?」
「えっ?何を言ってるんですか、そんな事はそれほど驚かなくても予想は出来ますよ。」
「ん?もしかして、見えてない?」
「明るく黄色く光っている、端っこの方に、ほら」
ラサール主神父様が指を指したところをみると、、、
そこには
「赤い!!!やった〜」
「やった〜!!!嬉しい〜」
針の先っぽよりは少しだけ大きいが、小さくそれでも綺麗な赤色が自己主張していた。
「えっ?あか?」
「どこ???」
2人とも来て、神父様が指すところを見た
「本当だ、小さいけどちゃんと赤い」
「うん。赤い」
「すごいですね。これは恐らく後天的なものでしょう。」
「心当たりがある様ですね」
「はい!嬉しい」
「ラサール主神父様、後天的とはどうして解るんですか?」
「それには2つ理由があります。まず1つは先天的なものであればだいたいは真ん中の方に出てきます。端っこは後から獲た力の時に端っこに出ます。」
「あっ、そうなんです。もう1つは?」
「赤色は、高貴な赤と言われてます。一般の貴族でもほとんど出ません。現れるのは大貴族か王族がほとんどです。平民から出たことは、今までないはずです」
「そうなんですか!?」
「ええ。それに小さくても赤は赤!きっと焔の精霊が目をかけている証拠です。素晴らしいですよ!焔は扱いも難しく大きくしたり濃くする事は難しいかもしれません。それでもせっかく与えて貰ったのです。
頑張って少しでも強くして下さいね。マーベルちゃん」
「はい!はい!!!ありがとうございます」
マーベルは嬉しくて嬉しくて、今度大公様に報告するのが楽しみだ!と思った。
こうして、3人の検査は終わった。
3人は一旦家に戻って、ティータイムにする事にした。
なんだかんだと、三人三様、緊張していたのだった。
連日の暑さに負けずに皆様も大丈夫でしょうか?
いつも読んで頂いてありがとうございます┏○ペコッ




