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第6話 蠟燭の夜会(前編)

その週の金曜日、王主催の小規模夜会が催された。


大広間には数百本の蠟燭が灯され、貴族たちの笑い声と音楽が響いている。空気はワインと様々な香水が混じり合い、甘く濃密だった。


エレノアは壁際に控え、香房の係として蠟燭の香りを定期的に確認する役目を任されていた。


(……何か、変)


夜会が始まって一時間ほど経った頃、彼女の鼻が異常を捉えた。


中央の大きなシャンデリアの下。

蠟燭の炎から立ち上る香りに、微かな違和感があった。

通常の蜂蜜とラベンダーの香りの奥に、**熱を加えると刺激臭を放つ成分**が混ざっている。


ほどなくして、最初の被害者が出た。


「うっ……頭が……」


中年の男爵が額を押さえ、よろめいた。続いて二名、三名と、軽いめまいや吐き気を訴える者が増えていく。


ラインハルト王太子が素早く近づき、エレノアに視線を送った。


彼女は頷き、問題の蠟燭に近づいた。


炎に熱せられた蠟から、甘く危険な香りが立ち上っている。

これは……単なる事故ではない。


「殿下、蠟燭に異常な香料が混入されています。

おそらく、興奮と幻覚を誘う成分……」


その瞬間、広間の奥で悲鳴が上がった。


夜会は混乱の渦に飲み込まれようとしていた。


(続く)

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