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第2話 幼馴染みと香房の影

香房の奥にある小さな作業室で、エレノアは蒸留器の火加減を調整していた。


「エレノア! 本当にここにいたのね!」


明るい声とともに飛び込んできたのは、金髪の可愛らしい少女——リリアだった。幼馴染みの彼女は、王宮の下級メイドとして働いていた。


「リリア……! 声が大きいわ」


「ごめんごめん。でもびっくりした! 男爵家が大変だって聞いたのに、王宮に来てるなんて……」


二人は人目がないのを確認し、久しぶりに抱き合った。


エレノアは簡単に事情を説明した。リリアは目を輝かせながら耳打ちする。


「気をつけてね。ここ、派閥がすごいの。ハインリヒ首席はイザベラ公妃派よ。あと、最近新しく来た調香師のマルタは、ちょっと怪しいわ……」


その日の午後、エレノアは香房の在庫整理を命じられた。

様々な香料瓶を並べながら、彼女は一つ一つの匂いを記憶していく。

この世界で「香り」は武器であり、鍵であり、時には毒にもなる。


夕方、庭園から戻ってきた侍女たちがひそひそと噂をしていた。


「白い薔薇の花壇で、また誰かが倒れたって……」


エレノアの鼻が、わずかに動いた。

遠くから漂ってくる、甘く危険な香りの残り香。


(……これは、ただの事故ではない)


彼女は静かに目を細めた。

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