15:33。虹の橋へ。
暑さが続く8/10,15:33。
ちまが、虹の橋を渡った。
ちまが勢いよく部屋を駆け巡る。
その姿は何者かと戦っているようだった。
ちゅーるでもあげようと、いつもの声でちまーっと呼んだ。
返事はない。
しっかりみるとよだれを垂らして瞳孔が開いている。
追いかけずに見ているとキッチンの方まで寄ってきた。
ちま、と思わず手を伸ばすと、痙攣が始まった。
家にはわたししかいない。
いつもの痙攣よりも激しくて、放尿までしながらよだれを垂らして足掻く、ちま。
ちま、ちま、ちま。何度も呼んだ。
少しだけ痙攣が止まったように思えた。
よしよししながら、こわくないよ、ちま、わたしはずっとここにいる、と伝えたが、2度目の痙攣が始まる。
危険なものだけは避けてちまの様子をみていた。
同時に家族に「ちまが危篤、早く帰ってきて。」と連絡した、直感で危ないと分かったから。
近くの動物病院を調べていた最中だった。
ちまの呼吸が落ち着いた。
相変わらずよだれは出る。
体勢もぐったりとしている。
数秒間撫でた。撫で続けた。
ちまがどんどん静かになる。
ちま、ちま、ちま。何度も呼ぶ。
2、3回低い唸り声をあげた。
その2秒後、ちまは逝ってしまった。
何度も確かめた。
まだ生きてて欲しかった。
撫でる摩擦とさっきまで生きていた事実で身体から熱を感じた。
この熱は絶対に忘れない。絶対に。
数分後両親は買い物から帰ってきた。
ちまの棺桶作りの父。
誰もないていなかった中で号泣するわたし。
母はわたしにこう告げた。
「死ってね、突然現れるとよ。」
「最後にあんたがおったけん、ちまも安心したろ。」
「箱に入れたらあんたの部屋に安置しとかんね、冷房もきいてるし。」
涙を止めながらペット霊園に電話をした。
明日の16:30火葬だ。
昔飼っていた犬と同じ場所だ。
あんなに毎食ガブガブ食べてたじゃんか。
昨日までおもちゃで遊んでたじゃんか。
呼んだら健気に「にゃっ」って鳴いてたじゃんか。
生きててよ。そばにいてよ。置いてかないでよ。
悲しいよ。悲しいよ。悲しいよ。
別れがあるのが命の定め。
頭でわかっていても、看取りは辛かった。
残酷なまでに硬直していく体を全身拭きあげて棺桶にいれた。
ふれても、もう冷たい。
気持ちの整理がまだ付かない。
明日火葬したら得意の「あのぅ、もふもふ、してくれませんか?」は出来なくなるんだ。
今のうちに沢山撫でよう。
沢山遊んだね。
沢山ご飯食べられたね。
沢山排便もできたね。
先住猫とも相性よく過ごしてくれたね。
えらいよちま。
神様がいるなら教えて欲しい。
「ちまの最後は苦しくなかったですか?」
ひとひらの願いはたったそれだけ。
ちま、大好きだよ、これからもずっと、大切な親友だよ。
前を向けるようになったら、そっと夢にでも出てきてね。
また、たくさん、あそぼうね。




