睦子と栄太郎の秘密を聞いた義光は
「それでは、皆もなんとなく気づいておると思うが、これから話す事は睦子と栄太郎の事じゃ
権六、お主はあの姉弟が柴田家の親類以外にどの様な可能性があると考える?」
「拙者としては、あの二人か最上殿とも親類かの様に感じました」
「そうか、市はどうじゃ?」
「私は睦子が駒に似ている気がするので、やはり最上殿の親類だと思います」
「ふむ、市と権六は同じ考えか。改めて聞くが出羽守、お主の考えを聞かせよ」
信長は勝家と市の考えを聞いてから、義光に話を振る。振られた義光は
「右府様、もしやあの二人は拙者の弟で、中野家を継いだ次郎の子供なのでは?」
「自分の弟の子供」と答えた。しかし信長は
「出羽守の考えが一番近いが、やはり当たらぬか。三人共、真相を話すが、此度の事は二郎三郎も他言無用を守ってくれておる
だからこそ、三人にも他言無用を求めるが、守れるか?」
「「「勿論です」」」
勝家と市と義光に秘密に出来るかと問い、3人もその旨を了承した。そこから信長は話し始める
「では話すが、睦子と栄太郎の父親じゃが出羽守、お主の親父じゃ。二人は出羽守の親父が還暦を過ぎてから隠居先で作った子供じゃ」
信長の説明を聞いた義光は、数秒間言葉が出なかったが
「ま、誠ですか!!!」
言葉が出ると、大声でリアクションしていた。そして
「う、右府様!それならば、何故二人は拙者にその事を話してくれなかったのでしょうか?妹は、義は何か言っておりませぬでしょうか?」
信長へ義姫からの伝言が無いかを質問すると、信長は
「義姫殿は、こう言っておった。「兄上へ反抗的な者達の神輿にならない為、
これから藤次郎が陸奥国統一で戦が続くので睦子と栄太郎の身柄を播磨国で預かってもらいたい」とな
出羽守よ、お主やお主の親父がどれ程の事をやって出羽国の最大勢力になったかを、とやかくは言わぬ
戦乱の世じゃ。家を守る為、領地を増やす為、目的は色々あれど、お主の妹の義姫殿は幼子が政や戦に使われてはならないと、判断したのじゃろう
そこでじゃ出羽守!睦子と栄太郎を、お主とかなり歳の離れた妹弟として最上を名乗らせても良いか?」
全てを話した後、最上の姓を名乗らせるのかと確認する。信長の言葉に義光は
「そうですなあ。あの二人は頼る両親どころか、親類か我々以外居ないのです。ならば歳の離れた兄である拙者が、親代わりに育てていきましょう
駒より歳下の妹弟が居て、驚いておりますが、栄太郎の元服は勿論ですが、睦子が嫁入りする日まで、長生きしなければならない目標も出来ました!
右府様、越前守殿、奥方殿!拙者は勿論、倅も出羽国統一の為に戦の日々になるでしょうから、その時は、睦子と栄太郎を柴田家で預かってもらいたく!」
勝家と市に、「出羽国統一の戦か始まった時は2人の事を頼む」と頭を下げていた
そんな義光に勝家は
「最上殿、睦子と栄太郎は柴田家の親類の様じゃから、その時は面倒を見ましょう」
2人の面倒を見ると約束した。睦子と栄太郎が最上家の人間として認知された事を確認した信長は
「さて、睦子と栄太郎が最上家の人間と認められたのじゃから、次の話をしよう!」
そう言って、場を仕切り直すと
「出羽守よ、お主先程、睦子の嫁入りの事を言っておったが、その件はとても早く片付くかもしれぬぞ?それも、素晴らしい良縁でな!のう、二郎三郎」
睦子の嫁入りの件で、含みを持たせた説明をしつつ、家康へ話を振る。話を振られた家康は
「そうですなあ、三郎殿の言うとおり素晴らしい良縁ですな。最上殿、拙者から説明しましょう
実は三郎殿は、拙者の居城である浜松城へ来る前に小田原城で北条家の世話になっておったのじゃ。当然、睦子達も一緒じゃ
実は、その小田原城で儂の孫の新次郎が、睦子に惚れたらしい。儂は三郎殿から娘の督が「睦子を新次郎の正室に」と息巻いておると聞いただけじゃが
共に移動しておる間、睦子の事を注視してどの様な娘か知ろうと思っていたが、いやはや、督が睦子を新次郎の正室に推挙したい理由として言っておった
「倹約が出来る」と「裁縫の腕が素晴らしい」の二点は、確かに納得出来た。そこでじゃ最上殿
儂としても、睦子は新次郎の正室に相応しいとは思うが、それはあくまで倹約や裁縫の腕が見込まれての事
睦子の嫁入りの為に、それ以外で何が必要か、最上殿ならば分かりますな?」
自身の娘の督姫が「新次郎の嫁に睦子を」と息巻いている事、自身も睦子が嫁ぐ事には現状、反対してない事を伝える
しかし、睦子が北条家に嫁ぐ為に「何が必要か?」と義光に問うと、義光は
「睦子が北条家の家臣に侮られない為、「最上家が広大な領地を持っている事」ですな、徳川様?」
「最上家の領地拡大」と答える。それを聞いた家康は
「その通りじゃ。新次郎は儂の孫でもあるのじゃ。今は昔よりしっかりしておるが、
儂から見たら、まだまだ甘やかされておるから、睦子が新次郎の尻を叩いても北条家から叱責される可能性を少しでも減らす為に、最上殿のやるべき事は」
新次郎と睦子、どちらもまた10歳前後の婚姻するかも確定でははい2人の為に義光へ遠回しに「出羽国を統一しろ」と発破をかける
家康の意図を察した義光は
「ははっ!睦子の為、出羽国統一を頑張りたく!」
家康にも出羽国統一を約束した。新次郎の初恋の為に、複数の家が動く事が決まると信長から
「最後に出羽守よ、これから睦子と栄太郎に、この事を知らせておくか?」
「事実を発表するのか?」と確認された義光は
「はい。二人には、姫として武士として、教養と覚悟を身につけてもらいたいので」
発表すると明言した。此処から、睦子と栄太郎の人生は、どの様に動くのか?




