表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

893/895

六三郎は心を攻める

「結城殿、拙者からの提案ですが、此度の決断を全て隠さず七郎殿に伝えましょう!


そして、結城殿も拙者達と共に播磨国へ行きましょう!よろしいですな?」


六三郎の提案は「全部話して、自分と一緒に来い!」だった。六三郎の提案に晴朝は


「いや、柴田殿。色々と考えてくれた事に対して言うのも申し訳ないが、拙者だけは残らないと宇都宮家から何を言われるか」


否定的な考えだった。そこで六三郎は細かい説明を開始する


「結城殿、拙者よりも歳上で戦でも政でも経験豊富な結城殿ならば分かると思いますが


領地を奪われた武士は、簡単に納得しませぬ。それこそ、結城家が宇都宮家に領地を譲って怒りを鎮めようと頑張っても


その領地の事で「宇都宮家の領地だ」と言い張る宇都宮家と、「結城家の領地だ」と言い張る七郎殿で争いが生じる可能性は高いでしょう


それに、その様な土地に結城殿が残っていては、領民達が結城殿を頼ってくる事は必定と見て良いでしょう


改めてですが結城殿、今の領地を捨て、拙者と共に播磨国へ行き、そこで子供達と暮らしなされ


拙者は若造なれど、領地は九十万石程を領有しております。結城殿を慕って共に行く家臣の方がどれだけの人数になるかは分かりませぬが


畿内と中国地方の境である播磨国ないし、周辺の領地ならば、贅沢をしなければと言う前提条件になりますがそれなりの暮らしが出来る事を約束しましょう


それに結城殿、還暦を超えておるのであれば、息子達の元服や娘の嫁入りを見る前に死んでしまうかもしれませぬ


だからこそ、拙者と共に播磨国へ行き、子供達の成長を自身の目で見なされ!」


六三郎は、これから起こるであろう事の最悪の事、「そして子供達の為に側に居るべきだ」と、まるで自分に言い聞かせている様な言葉で晴朝に説明する


六三郎の説明を受けた晴朝は


「拙者の為に、そこまで仰ってくださるとは、誠にありがたいかぎりですが、どれだけの家臣が共に来てくれるのかも分かりませぬし、何より七郎を納得させられるか」


六三郎の説明に納得は出来ても、「養子の朝勝か納得してくれるか怪しい」と仄めかしている。晴朝の煮え切らない態度に六三郎は


「結城殿!」


大声で晴朝を怒鳴りつけると


「結城殿、拙者の様な若造が偉そうな物言いになりますが、七郎殿に家督を譲ったのであれば、結城殿は自由に過ごせる立場なのです!


ならば、住み慣れた関東の地を離れる事も自由なのです!七郎殿には「全てを任せる」と言ってしまえば良いではありませぬか!


拙者の父は、六十五歳で家督を譲りましたが、隠居して2年後に子をもうけました!拙者から見て二十三歳下の妹です


拙者の父は例外に思えるかもしれませぬが結城殿も自由に動いて良いのです!子供達の為に、側に居てくだされ!」


勝家と言う、例外に見えて実は分かりやすい隠居後に自由に過ごしている事例を晴朝に説明した


勝家の事を聞いた晴朝は決断し


「柴田殿のお父上が、その様に過ごしておるのであれば、拙者も決心出来ました。子供達と共に柴田殿の領地に行きましょう!いいえ、行かせてくだされ!」


六三郎に「自分も子供達と共に連れて行ってくれ」と頭を下げた。ようやく晴朝が折れた事に六三郎は


(やっと了承してくれたよ!例え歳が離れすぎていても、親子は近くに居た方が良いに決まってるんだから!


まったく、これが坂東武者と言う奴か?三河武士に負けず劣らず頑固者だと実感するよ!でもまあ、話は一応、前に進んだし)


内心、晴朝の煮え切らない態度を坂東武者の頑固さと思っていたが、それでも話が進んだ事に安堵していた。そこから更に六三郎は


「それでは結城殿。共に行く決断をして直ぐに働かせて申し訳ないが、今から集められる家臣の方々を全員集めて、拙者と共に播磨国に行く者、下総国ね残る者を分けてくだされ!」


「家臣を集めて、行く人間と残る人間を分けろ!」と晴朝に頼む。六三郎の言葉を受けて晴朝は


「分かりました。それでは半刻程、お待ちくだされ」


そう言って、近くに居た小姓の1人に


「屋敷内に居る者達を全員集めてまいれ」


「ははっ!」


屋敷内の家臣を全員集める命令を出し、小姓も直ぐに動き出す。それから、およそ30分後


「殿、屋敷内に居りました二百名、全員集めてまいりました!」


大広間に既に居た10名以外の200名が到着した。この210名が晴朝の護衛の様な存在なのだが、その面々に対して晴朝は


「さて、何人かは知っておると思うが紹介しておこう。儂の横に居る武士じゃか、三年前の北条家の内乱の際


主導する立場で鎮圧してくれた「柴田の鬼若子」こと柴田播磨守六三郎殿じゃ」


最初に六三郎を紹介した。紹介された六三郎も


「紹介にあずかりました、織田家家臣、柴田従五位下播磨守六三郎です」


と、挨拶する。六三郎の挨拶が終わると晴朝は


「皆の中にも、織田家の家臣の柴田殿が下総国に居る事を不思議に思う者が居るじゃろう


そこでじゃ、儂に還暦を過ぎてから実子が出来た事により、喜んでくれた皆には悪いが、儂は子供達と共に下総国を離れて


此方の柴田殿の領地である播磨国へ行く事を決めた!そこでじゃ、皆に儂と共に播磨国へ行くか、下総国に残り七郎に仕え続けるのかを決断してもらいたい!」


家臣全員に集まってもらった理由を伝えると、一部の家臣から


「殿!七郎様には実家の宇都宮家にお戻りいただいて、七之助しちのすけ様に家督をお譲りしたらよろしいではありませぬか!」


「朝勝に実家に帰ってもらえは良いだろ」との声が上がる。その声をきっかけに


「そうですぞ殿!七之助様が殿の実子なのですから!」


「殿の後継者は、殿の実子であるべきですそ!」


「何故、殿や七之助様達が下総国を離れないといけないのですか!」


「殿達が下総国を離れるのはおかしい!」との声が大きくなっていった。しかし、中には冷静な家臣も居た様で


「殿。失礼ながら、殿は御自身が身罷られた後の事を危惧しておるから、そうならない為に柴田様と共に播磨国へ行く決断をなされたのでは?」


晴朝の心配している事を指摘した。その指摘に晴朝は


「その通りじゃ。儂は還暦を超えておるから、いつ死んでもおかしくない。それこそ七之助や七次郎しちじろうが元服する前に死ぬ可能性が高い


その様な状況で、七郎を追放して七之助に家督を譲ってみよ、宇都宮家が攻めてくるじゃろう


攻めて来なくとも、七之助を傀儡にしようとする者が現れる可能性もある。だからこそ儂は


全てを七郎に託して、柴田殿と共に播磨国へ行き、七之助達の成長を見たい


じゃが、お主達の中には七郎が宇都宮家から連れて来た者達と協力する事を嫌がる者が居る事も知っておる


だからこそ、儂と共に播磨国へ行くのか、それとも我慢して下総国に残り七郎に仕え続けるのかを決めてもらいたい。これも要らぬ戦を避ける為じゃ。皆の考えを聞かせてくれ」


晴朝はそう言って、家臣達に決断を促す。そこから、およそ5分。沈黙の時が流れたが最終的に


「殿!拙者は殿に付いていきます!七郎様が仕切る結城家では出世は望めませぬ!ならば、播磨国で柴田家の家臣となる結城家で出世出来る可能性にかけます!」


1人の家臣の声をきっかけに


「拙者も殿についていきます!」


「拙者も同じく!」


「拙者も!」


「拙者も!」


大広間に居る210人全員が晴朝に同行すると決断した。家臣達の声を聞いた晴朝は


「皆、よくぞ決断してくれた」


そう言って、頭を下げた。そんな状況の中で六三郎は


「それでは結城殿。次にやっていただきたい事がありますので、筆と紙の準備をお願いします」


晴朝に筆と紙の準備を促した。次に六三郎がやる事とは?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まーた六三郎の陣営が厚くなるw まぁ見えてる地雷は取り除いた方が良いよな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ