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神様の手違いで異世界転移させられた俺はハーレム生活充実になりました  作者: 桐ヶ谷スバル
第二部 黒い魔剣と日本人 第一章 オタク日本人は気ままに生きたい
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第2話 桐野和泉とワトソン王国の冒険者

 和泉は異世界の食事をかなり美味しいと感じており、比較的味も日本人向けと言ったところではあるがそれが神様から授けてもらった能力のおかげなのか、それとも単純に味覚の相性がよかったのかは和泉自身分からずにいた。


 和泉は食事を済ませた後、泊まる部屋へと入りすぐさまベッドへと飛び込む。和泉が泊まる部屋はとてもシンプルでベッド、机一式とあっさりとしたものであったが和泉は異世界ファンタジーの駆け出しの街あるあるでいいなと思っていた。


 和泉はベッドの中で考え込んでいた。


 これから裕二と一緒に冒険者として生活していくのもいいがそれで本当にいいのか悩み、いつかは裕二に恩返しするためにも早く実力をつけなければいけないと焦りさえあったのだ。


 桐野和泉は神様から力を授かってもらったというのにそういう人間らしい部分まで変わることはなかった。


 (裕二も俺と同じように悩んだのかな?神様に特別な力を貰ったとしても人間らしい部分までもは変わることはないのだろうな……)


 ふと、和泉はそんなことを思いながら目を瞑り眠りについた。


 翌朝、和泉は背伸びしながら欠伸をしカーテンで覆っていた窓から入り込む日差しが当たっていた。


 和泉は空腹を押えられずにお腹を押さえながら食堂のある一階へと降りると裕二がテーブルに座っていた。


 「おはよう和泉、昨日は風呂に入らずに寝ちまうとは相当疲れていたみたいだな」


 裕二は昨日と同じように微笑を浮かべ、和泉が起きてくるのを待っていたようだ。


 朝食は日本にいた頃と大差変わらないあっさりとした野菜スープに紅茶、焼き立てのパンがテーブルに二人分用意されていたのだ。


 「和泉が来るまで女将さんも待っててくれてたんだよ~、ちゃんと感謝しなよ」


 「あっ、ああ……ありがとな……」


 和泉は裕二と女将に頭を深々と下げながら焼き立てのパンにガブリと噛みつき咀嚼し飲み込んだ。


 パンの味に関しては香ばしと味は高級レストランで食べているかのような錯覚をし、和泉の涙腺は緩くなりポロポロと涙を零していた。


 「おっ……美味しい……」


 「和泉、泣くほどまでに美味しかったの!?」


 裕二は思わずテーブル席から立ち上がりながら声をあげた。和泉は裕二の声で喉を詰まらせ咽込みをしていた。


 「ゴホッゴホッ……いきなり大声上げるなよ……マジで死ぬかと思ったぜ――」


 「ごめん、和泉が急に涙なんか流しちゃうから僕はてっきり食べ物に恵まれていなかったのかと思っちゃって……」


 「パンくらい普通に食うよ!ただ……こんなに美味しいパンがあるんだなと驚いただけだよ!」


 和泉は近年の日本では当たり前のように食べていたパンがここまで美味しいと思ったことがなかったのだ。


 食事を終えた和泉と裕二は今日も冒険者ギルドでクエストの依頼を受けるべく足を運んだ。


 和泉と裕二が冒険者ギルドに辿り着き、裕二はいつもと何かが違うと感じ人混みの中に紛れた。和泉は裕二にはぐれないように必死について行き距離を詰めると裕二は急に立ち止まり和泉は転びかけた。


 「裕二、いきなり何止まるんだよ!」


 「ごめん和泉、ただ今日はいつもと違う感じがしたから何かと思ったんだよ……」


 裕二は和泉に軽く謝罪の言葉を述べ、和泉は肩を竦めながら溜め息を吐いた。


 「それよりもみんな何をこんなにも集まっているんだ?」


 和泉が裕二に尋ねると「ワトソン王国から冒険者が来ているんだよ」とだけ言う。当然、和泉は何が何だか分からない様子で首を傾げながらその意味を考えていたのだ。


 「ワトソン王国って、俺が読んでいたラノベに出てきた国の名前じゃん!」


 和泉は思わず大声を上げた。


 「和泉、知ってるの?」


 「知ってるも何も俺が読んでたラノベの主人公、ジョセフ・ジョーンズが異世界転移させられた時にいた場所がワトソン王国って国名なんだよ!」


 「同名の国がラノベに出てたんだ……」


 和泉の話しに半信半疑した裕二は苦笑しながら肩を竦める。和泉は依然読んでいたラノベの内容を思い出しながらワトソン王国に転移させられた日本国籍を取得している北欧系アメリカ人のジョセフ・ジョーンズはリサ・ワトソン姫を救ったことで半強制的に婚約させられそこからハーレム生活充実させるというなんとまあ異世界ファンタジーのテンプレ的なラノベで、ジョセフは魔王ベルに立ち向かった救世主の一人であることを裕二に語ると裕二はまたもや訝しげな表情をしながら首を傾げたのだ。


 「和泉、君の話してくれたことは全て本当に起きた出来事なんだよ……」


 「えっ、マジかよ!」


 和泉は驚愕の事実を裕二から知らされ開いた口が塞がらずにいた。


 「ワトソン王国の冒険者であるジョセフ・ジョーンズは魔人族率いる魔王ベルと戦い行方不明になったと言われていたが二週間程経った後にポツリと現れた謎の冒険者なんだけどそれが小説のネタにされているなんて思わなかったよ……それにジョセフがリサ姫と婚約しているのも事実らしい――」


 「え~っ、てことはジョセフはロリコンなのか?」


 「どうなんだろう……噂では結構女の子を侍らせているみたいだよ?ほら――」


 裕二がジョセフについて語り指を刺すと和泉はジョセフであろう人物のもとへと詰め寄っていった。


 「あの、もしかしてあなたはジョセフ・ジョーンズさんで間違いありませんか?」


 和泉はもじもじとしながらサングラスに黒い中折帽、黒いライダースと上半身黒ずくめで固めた長い金髪の少年に尋ね始めるとその少年は頬を左人差し指で掻きながら肩を竦めていた。


 「……んっ、俺は確かにジョセフだがもしかして君は俺のファンか何かか?」


 ジョセフは和泉の方を振り向き、いきなり起こった出来事に茫然とした様子でいた。


 「ジョセフさんのファンっていうよりはジョセフさんが出ているラノベのファンなんですよ――」


 「俺ってラノベ主人公になってるの?」


 するとジョセフは距離を詰めながら和泉に尋ね、和泉はスクールバッグから一冊の本を取り出しジョセフに渡した。


 「うむうむ――”神様の手違いで異世界転移させられた俺は異世界でハーレム生活充実になりました”ってタイトル長っ!」


 「異世界ファンタジー物の小説は基本タイトル長いですよ?」


 ジョセフが小説のタイトルの長さにツッコミを入れると和泉はジョセフを宥めるようにタイトルの長いラノベは今現在当たり前のようにある現状を伝えたのだ。


 「取り乱してしまったな……その本に俺が出ているなら知っているだろうけど改めて自己紹介をするよ。俺はジョセフ・ジョーンズだ」


 「俺は桐野和泉と言います。最近神様に転移させられた身ではありますがどうかお手柔らかに……」


 「……んっ、そうか」


 ジョセフは間の抜けた感じに頷き和泉と握手を交わし、和泉はジョセフが万力のように強く握っているため握手した後和泉の手は痺れジョセフは首を傾げながら「はて?」と声を発していた。


 ジョセフが首を傾げる姿を見た小柄で華奢な長い金髪の少女がジョセフに指摘をした。


 「ジョセフ様の握手が強すぎたんですよ!」


 「そうなのか?リサ……すまないな、つい強く握っちまったようで――」


 「いいよいいよ、俺もいきなり話しかけて困惑させたようだし……」


 リサという少女に指摘されたジョセフは和泉の方を振り向き軽く頭を下げ、和泉は慌ててジョセフに頭を上げるように促した。


 「和泉、彼は本当にあのジョセフなのか?」


 「そうだぜ、裕二。ラノベのジョセフまんまでマジでビビったぜ!」


 和泉は子供のように目を煌びやかに輝かせ裕二に語っていた。ジョセフとリサは唖然としながら肩を竦めており、リサは「ジョセフ様もこのくらい明るいならいいのに……」とジョセフの方を見ながら呟いていた。


 「リサ、俺の過去を知っているならそれは無理であることは分かるだろ?」


 「それでも、やっぱりジョセフ様が笑う姿を見たいものです!」


 ジョセフとリサの会話を凝視ていた周囲の人達からは兄妹がイチャイチャしているようにしか見えなかったのだ。


 「あの、ジョセフさんとそちらのお嬢さんはどのような関係で……?」


 「ああ、一応俺の婚約者っかな……」


 和泉がジョセフとリサはどのような関係なのか尋ねるとジョセフは頬を掻きながら婚約者であることを伝え口を噤んだ。するとジョセフとリサの眼前に複数の人が鬼気迫る表情で詰め寄って来たのだ。


 「ジョセフ、私達を置いていくなんて少し酷くない?私だってジョセフの婚約者なんだからね!」


 「……んっ、ジンジャー。もう来てたんだ」


 ジンジャーという少女の名を聞いた和泉はまたもやラノベの内容を思い出していた。ジンジャーは程よく引き締まった六つに割れた腹筋に豊満な胸の持ち主でオレンジ色の長い髪をツインテールにしている美少女でラノベの内容と酷似していることから和泉は少々引き気味でいた。


 (うわ~、ジンジャーってマジで腹筋われてんのかよ……ジョセフってロリコンなうえに腹筋フェチの変態だったのか?)


 和泉はリサ以外にもジンジャーを連れているジョセフの性癖を瞬時に察したのかジンジャーには逆らわないようにしなきゃと恐縮していた。ジョセフとリサは和泉を見て首を傾げジンジャーが二人にツッコミを入れていた。


 「ジョセフとリサさぁ……イチャイチャするのはいいけど私のことを忘れないでほしいなぁ……」


 ジンジャーはウインクしながらジョセフに投げキッスをし、ジョセフはジンジャーに詰め寄り公共の場で口づけを交わし周囲の冒険者達に見せつけるかのようにイチャついた。


 リサは「ジョセフ様ったら」とニヤケながら何か妄想をしているようで和泉と裕二は内心気持ち悪いとさえ思っていた。


 「お前達は何をこんな大衆の前で如何わしいことをしているんだ!」


 ジョセフ、リサ、ジンジャーの後ろからクールビューティ系の赤髪ポニーテールの切れ長の目の騎士風の少女が唖然としながら注意を促していた。すると三人の背筋は凍るようにピンと伸び顔をビクつかせていた。


 「そうですよ!テレサさんの言うように節度を持ってくださいジョセフさん――」


 「ラブラブアピールもほどほどにね、ジョセフ……」


 テレサがジョセフ達に注意を促すと栗色の髪のサイドテールの少女と赤髪のおっとりとした女性もジョセフ達のもとへと駆け寄りジョセフの周囲には美少女が詰め寄っていた。


 ジョセフの脳内に戦慄が走り肩を竦め俯いてしまった。


 「ケイト、ブーディカ、俺も少し気を取り乱してしまったようだな……次からは気を付けるよ」


 「もう、ジョセフさんはすぐ目を離すとジンジャーさんやリサさんとイチャイチャするんですから……」


 栗色の髪のサイドテールのケイトは俯いてるジョセフに呆れ果てており、ジョセフにチラつかせながら顔を赤くしていた。


 「たまには私ともイチャイチャしてもいいのよ?」


 「ブーディカも便乗して言ってるが今ここでいうのは流石にテレサに……」


 ブーディカは豊満な胸をジョセフの体に押し付けジョセフを抱き寄せ、豊満な胸はジョセフの顔を埋めていたのだ。傍から見れば年下彼氏に抱きつく年上のお姉さんのように周囲には見えていたのだ。


 「……っぶ、ブーディカ……息……ぐぁっ……」


 「あっ、ごめんねジョセフ――」


 「ブーディカも何やっているんだ!」


 テレサは注意を促した後、唖然としながら顔を手で覆い肩を竦めていた。


 「――ジョセフ~~~~!」


 ジョセフは気を取り直そうとした瞬間、リサに似たもう一人の少女が急接近で詰め寄りジョセフに飛び込んだ。


 「あっ、アイリス!」


 「一体何処に行っているかと思ったらもうギルドに行っていたなんて……」


 アイリスという金髪美少女は上目遣いで瞳を潤ませ、ジョセフは必死に宥めようとするもお手上げの様子だ。


 「全く、あれが噂のジョセフってか……ロリコンなうえに変態趣味を持ち合わせているのも噂通りとは妬ましいな……」


 「ホントだよ!あんなに女を侍らせてうまい汁啜っているのかと考えたら……」


 ジョセフ達を見た他の冒険者達は凝視しながらわざとジョセフに聴こえるように皮肉を言うもジョセフは聞きなれているからなのか相手にしていないようだ。同業者同士でのトラブルはギルドの規則違反にもなるためむやみやたらと手出しをすれば冒険者としての資格を剥奪されかねないからだ。


 「それよりも和泉君に裕二君と言ったかな?少し聞きたいことがあるがいいか?」


 「何でしょうか?」


 「和泉君はさっき日本人だと分かったが裕二君も日本から来た人間かい?」


 ジョセフが裕二に尋ねると裕二は口を開き日本に来た経緯を伝えた。


 「ええ、僕は日本では介護職員として介護職員で勤めていました……色々あって神様に拾われてこの世界で冒険者として細々と暮らしています」


 「そうか、介護ってのは結構虐待とかの問題でテレビやネットに取り上げられているがどうなんだ?実態は――」


 「虐待らしい虐待は僕のいた施設では見かけなかったんですけど職員に対するパワハラなら普通にありました。僕の職場の主任と副主任はとにかく効率主義で時間内に早く終わらせないとダメ出しばっかりする嫌な人で僕自身日本では社会不適合者の部類に入るでしょうから結構日本では居心地が悪かったです……」


 裕二は顔を俯かせ日本にいた頃を思い出しながらジョセフに言うとジョセフは頷きつつ溜め息を吐いた。裕二のいた特別養護老人ホームでは入浴や食事、トイレ誘導も機械的で人間らしい暖かさを微塵も感じないサービスをお年寄りの方々に提供していたりと虐待や退職の原因になりかねないものが沢山あり、裕二は上司のパワハラに耐え切れず自殺しようかと苦悩するほどまでに追い込まれていたのだ。


 「……なるほど、人間も魔人族と大差変わらないのはこの世界に来て分かったが日本の――社会の大人ってのは悪魔にも匹敵する外道がいるようだな……人間とはどの世界でも精神年齢は成長しないものだな……」


 「ジョセフさんは見るからに日本人って感じがしないのですが日本で生活していたのですか?」


 「……んっ、まあね。アメリカ生まれの北欧系アメリカ人ではあるが生まれてすぐに両親が死んで日本にいる友人に養子として引き取られ日本国籍を取得してはいるんだけどね……正直なところ俺もあまり日本にいい思い出はないな……」


 裕二とジョセフはお互い、日本にいた頃の過去にいい思い出がなかったからなのか肩を竦め顔を俯かせながら傷の舐め合いをしていたのだ。


 ジョセフは裕二に過去に起きた出来事を話し裕二は深く頷き、涙腺が緩くなり涙を流し始め共感し、和泉も間に入りたそうにしていたからなのか話すことに夢中になっているジョセフにリサが声をかける。


 「ジョセフ様、和泉さんが話に参加したいようですけど?」


 「そうなのか?よし、和泉君も日本にいた頃の不満を沢山俺達に聞かせてくれないか!」


 「いっ、いいのか?」


 和泉は一言訝しげに答えるとジョセフは親指をピンと立てながら真顔で「大丈夫」と言った。すると和泉はマシンガントークで日本にいた頃の思い出を回想しながら語るのだ。


 「俺が日本にいた頃なんて本当に最悪だったよ!何より教師からは罵声を浴びせられたりクラスメイトからは虐められるし社会不適合者のレッテルを張られたりと居心地が悪くてよ、異世界ファンタジーを題材にしたラノベみたいな世界に行けたらなんて思ってたら急に神様を名乗る人物が目の前に現れてそこから俺はこの世界に転移させられるんだけど当然能力を貰っても生活できなきゃと神様に魔改造してもらったスマホ使って街に向かってたら裕二と偶然出会って今に至るわけよ……まあ裕二以外にもジョセフさんみたいに日本から来た人間がいてくれるおかげでこうやって日本にいた頃に言えなかったはけ口が言えるわけだし結果的にはいいのかな?多分……」


 延々と日本にいた頃と異世界に来た経緯をジョセフ達に話すとリサ、ジンジャー、テレサ、アイリス、ケイト、ブーディカは上の空状態になっておりジョセフと裕二は涙を流しながら男三人で号泣していた。


 「辛かったんだな……和泉君も日本にいた頃は色々と酷い仕打ちを受けていたのか……」


 「僕も副主任からダメ出ししかされてなかったりと精神病んだけど和泉の気持ちわかるよ……」


 「いやいや、ジョセフさんや裕二に比べればまだ俺なんてマシだよ……ジョセフさんなんてラノベだと精神崩壊してもおかしくないくらいに酷い仕打ちを受けていたようだし……」


 和泉、裕二、ジョセフは日本にいた頃の辛い過去を共有し合いながら三人だけの世界を作っていると一人の少年が眼前に現れ大声を上げ始めた。


 「お前ら男三人で何号泣してんだよ!マジキモイんですけど!」


 少年はキレのあるツッコミを入れるとジョセフ達は一気に静寂になり肩を竦め俯いた。


 「佐藤夏樹、こいつらは俺達と同じ日本から来た人間で辛い過去を背負ってこの世界に来ているんだぜ。それを神様に拾われて――」


 「俺だって辛い過去背負っているわ!お前ら三人のように日本にいた頃は色々と辛くて引きこもりになって碌にコミュニケーションも取れずに孤独な生活を送っていたんだよ!それをお前ら皮肉にも傷を舐め合っててキモイわ!俺だって泣きてえよ!つかジョセフ、何だかんだでお前は可愛い女の子侍らせて幸せなハーレム生活充実してるんだからいいじゃねえかよ!俺だってまだ彼女の一人もいないってのによ……」


 佐藤夏樹は自分も辛い過去を背負ってて涙を流し号泣したい旨を伝え苦虫を嚙み潰したような表情で語るとジョセフ達はまたもや号泣しだした。


裕二と和泉は夏樹の言うことを鵜呑みにし、ジョセフを凝視していた。


ジョセフは肩を竦め訝しげな表情で頬を掻きながら溜め息を吐いた。


 「ジョセフ様があんなに涙流すところ初めて見ました……」


 リサは苦笑し、ジンジャー達はリサのように心が読めないため情緒が不安定すぎる程度の認識しかなかった。

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