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魔王様との対面

カラス改めガーネットのおかげで城の中に案内される。


あんまり歓迎されてないけどな。

すれ違うたびに鋭い視線とか舌打ちが聞こえてくる。やっぱ仲は悪いんだな。


ちなみに案内をしてくれてるのは、角がなきゃわりかし人間っぽい、エアメガネの幻が見えるいかにも口うるさそうな側近みたいなやつだ。緑の髪の毛がいかにもファンタジーの世界のようだ。


そいつは途中で立ち止まるとオレの顔をチラリと見る。(メガネをくいっとあげる幻覚が見えた。)


「貴方は驚かないのですね。怯えもしていない。戦う力もなさそうな子供だというのに」

「えっ?いや、驚いてる驚いてる。すげー驚いてるよ」


とってつけたような返しになった。我ながらなんかわざとらしい感じだ。


「リアルに存在すんのかと思うと不思議というか。とって食われるわけじゃなさそうだし、怖がるもんでもないだろ」


慌てて出した言い訳に、エアメガネは呆れたみたく笑う。


「リアルという言葉の意味はわかりませんが、貴方が変わり者ということはわかりました」


豪華な扉の前まで来るとエアメガネは一瞬で気持ちを切り替えると、真面目な顔をする。


「陛下の御前です。くれぐれも失礼のないように」


豪華だけど、決して派手じゃない扉が開かれて、中へと案内される。


正しい作法なんて知らないけど、まあ、出来る限りで――いきなり攻撃されるとかないことを祈ろう。


エアメガネを探せば、すでに魔王のそばにいる。紹介くらいしてくれ。


「お会いできて光栄です。魔王様」


それだけいって、頭を下げる。

上からクスリと笑う声が聞こえる。


「そう畏まらずともよい。頭を上げてくれ。同胞を助けた者の顔がみたい」


威厳のある声だ。

声に従って顔をあげる。


立派な二本の角、漆黒の髪、人間にしては悪い肌色。

RPGなんかでみる感じ。


恐怖よりもテンションが上がる。

なんだろう、芸能人を生で見た感じに近いのかも。


「同胞を助けてくれたこと礼を言う。名はなんという」

「アー……ナギだ。ナギでいい」


今の名前を言いかけてやめる。今の名前は好きじゃないし、それなら気に入ってる前世の名前の方がいいな。


「そうか。ナギ、しばしの間客人としてもてなそう」

「え?あー、ありがとうございます」


こんな感じでつつがなく謁見は完了。

執事っぽい羊の獣人に案内されて、客室に向かう。


「広すぎねぇか、これ」

「大事なお客様のための部屋でございますので」


そんなもんかとひとまず、納得。

貴族なんかは見栄の張り合いが多いって聞くし。


豪華な客室は、とにかく広い。

庶民のオレでも、一目で高いとわかる家具が使われている。正直、落ち着かない。


部屋の人間では分かりにくいだろうものを簡単に説明してくれると、執事が部屋を出ていった。


「疲れた〜」


慣れないことをして精神的に疲れたオレは、ただただベッドに倒れこんだ。




ありがとうございました。

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