第18話「魔障を浄化できる唯一の方法」
「ここがこの村の墓場ですか………魔障に侵され、毒が大地に浸透していますね」
ダリアスの案内により、墓場に到着するとメイスは周囲を見回す。
魔障の空気が充満し、死者の流した血液は魔障の影響で紫色の毒が水溜まりのように点々と複数箇所で形成されていた。
「えぇ、ほとんどの村人が殺されてしまいましたから」
「ですが、毒の地を浄化することはできます。聖女・アースガルナならば」
メイスはアースガルナの方へと視線を向けた。
「……え? 私ですか?」
まさか自分に話が振られると思っていなかったアースガルナは面食らってしまう。
聖女とおだてられても私にそんなことができるのだろうか? と言いたげな表情のアースガルナにメイスは続けた。
「真の聖女には聖浄の力というものがあります。それは己の受けた体の傷を昼と夜となく癒し、魔障の一切をその身に寄せ付けずそれらを払うことも容易いと古の聖女の事柄について記された文献にはありました」
「なるほど……つまり、ガルナにその力があると。それによりこの毒にあふれた大地を浄化することができると。そう仰りたいわけですか」
「えぇ、そうです」
メイスは自信満々に語る。
その自信の表れの根拠をダリアスは問うとメイスは出典持ち出して示した。
「できそうか? ガルナ」
「わからない。けど、やってみたい。それが私にできるなら村のみんなも安らかに眠れると思うから……」
「……そうか」
アースガルナは墓場の一角に発生した魔障の毒地に近寄った。
触れてしまえるほど至近距離に。
モノは試しだと魔障の毒地にアースガルナはその右手で触れてみる。
「あ、アースガルナさま⁉」
「ガルナ! それに触れて大丈夫なのか⁉」
メイスのメイド・リディヤとダリアスはそのアースガルナの行動に大層驚いて心配したがこの中でメイスだけは涼しい顔で見守っていた。
「大丈夫。何も感じない」
「そ、そうか……ならばよいが……」
「よ、良かったですぅ!」
ダリアスとリディヤは二人して胸をなでおろす。
それと当時に異様な光景であるとも思った。
視認できるほどの禍々しくも毒々しいものを触れてもアースガルナはまるで雨の翌日の水溜まりを触れるように魔障の毒地に右手をつけている。
それは通常なら水溜まりに塗料で色を細工したと考えてしまうほどに現実感がない光景だった。
「それでどうすればいいのでしょうか?」
アースガルナが魔障の毒地に触れてしばらく。
アースガルナは別にパフォーマンスでそうしてるのではなく、本当に自らの体に魔障の毒地が影響が出ないのか興味本位で確かめたのではなく、魔障の毒地の浄化の具体的なやり方を知らないだけだった。




