先輩魔法少女に会いました
「こんにちはー。おじゃましまーす」
廊下を響いてリビングまで入ってきた声は金管楽器のように高く、よく通りそうなのだが、うるさいということはなくどちらかというと物静かな印象を受けるトーンだ。聞き覚えがある気がするのだが、どこで聞いたのだったかいまいち思い出せない。
ゆっくりと歩く足音は真っ直ぐにここに来るのかと思いきや、途中で曲がってしまう。そして、水道から水が流れる音、それすらも可愛らしいうがいの声。
「いい子か」
外出すればさすがに手くらいは洗うが、うがいなんて久しくしていない。いや、本当は欠かさずした方がいいのだろうが、面倒臭さが勝る。
「いい子ですよ、すごく」
「娘さんかなにかですか?」
桃花のドヤ顔が我が子を自慢する親のようだったのでつい訊いてしまう。
「そうです」
「え、マジ?」
自分で訊いておいてだが、桃花は若く見えるし、ひとりで出かけるような歳の娘がいるようには見えない。
「なんちゃって」
「……ですよね、よかった。見た目の割に歳いってたりするのかな、とか思っちゃいましたよ」
「それはひかりさんにだけは言われたくないですね」
桃花は微笑み崩さず、キッチンから焼きそばを3皿トレーに乗せて運んできた。
確かに。本来25歳の俺だが、今の見た目は幼女だった。
「あ、また会えましたね!」
そんなやり取りをしている間に、部屋に入ってきたのはツインテールの美少女だ。白いセーラー服に、高級そうな茶色のランドセル。
近所のお嬢様小学校の子だ。
そして彼女のことを思い出すのに一秒もかからなかった。
「天使の……」
夢だと思っていたら夢じゃなかったあの出来事。俺が幼女化した日の夕方に彼女は突然現れたのだ、俺の部屋に。
確か名前は――
「まな……さん?」
「はい。覚えててくれたみたいで嬉しいよ。えっと、ようたさん、だったよね」
そう、あの日俺も名乗った。しかし今の俺のことを彼女が知っているということはあの時点ではもう幼女化していたんだな。
いや、よく気づかなかったな、我ながら。
「えーっと、その名前は寝ぼけてて……本当の名前は陽ノ下ひかりって言います」
名前は訂正しておく。もう暫くは天野陽太を名乗る機会もないだろう。
「そうなんだ。じゃあ改めてよろしくね、ひかりさん」
デフォルトでやや八の字に近い眉とパンダのようなタレ目。困っているようで可愛らしいが、笑って目を細めている表情はもっと可愛い。つまり可愛い。
そんな彼女が俺の斜向かいの席――桃花の隣に座った。
「桃花さんもこんにちは」
「はい、こんにちは」
まなはお行儀よく挨拶すると、桃花も幼稚園の先生のように優しく挨拶を返す。そんな桃花の耳元にまなは顔を寄せると、
「ひかりさん、すごく可愛いね」
小声でそう言った。
いや、丸聞こえだけど。てか挙動もいちいち可愛らしいなっ!
まあともあれ容姿を褒められるのは素直に嬉しい。人生でそんな経験あまりなかったから。いや、皆無ってわけじゃないけどね、うん。
「それ、本人に言ってあげたら喜ぶよ? きっと」
桃花が小声ですらなく普通にそう言うと、まなは顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
「そ、それは……」
可愛らしいな。と俺も桃花も思わず頬が緩む。
「さ、ではお昼食べましょうか」
桃花がぱちんと手を叩いた。
「そ、そうだね。いただきます」
桃花を真似るように手を合わせたまなはお行儀よく言うと、箸を持って自分の焼きそばに手を付けた。
「おいしいですぅ」
美味しそうに食べるなあ。頬まで抑えてる。そんな漫画みたいな表現リアルでするか?
確かにこの焼きそばは美味しそうだが、どこの家庭でも出てきそうな一般的なものに見える。
ともあれ目の前でここまで美味しそうにものを食べられると腹が減ることこの上ないので、俺もいただきますと手短に言って焼きそばを食べてみる。
……いや、美味いな。
さすがに頬を抑えるモーションが入るほどではないが、下手な店で食べるよりよっぽどだ。店で焼きそばを食べたことなんてあまりない気もするが。
「二人とも美味しく食べてくれてるみたいでよかったわ」
自分は食べずに俺たちの様子を見ていた桃花は、嬉しそうに笑うとおもむろに白衣の袖に手を突っ込み――マヨネーズ……? を取り出した。
袖にそんなものを入れている人間がいるとは思えない、常識的に考えて。いや、しかしあの赤いキャップと白っぽい黄色の中身。あれは紛れもなくマヨネーズだ。450gのやつで中身はほとんど使われていないようだ。
と、二口目を食べるのも忘れて彼女の動向を窺っていると、キャップを外した。先端の蓋を開いたのではない。丸ごと外したのだ。
それを鷲掴みして逆さまにして、絞り切らんばかりに握る。
「えぇ……」
斜向かいのまなは気にする様子もなく美味しそうに焼きそばを食べている。頬張ったりしない辺りにそこはかとない上品さを感じさせる。
星型のような形で一気に絞りだされたマヨネーズは、やがて焼きそばを覆いつくす。ためらいなく絞られたことですぐに空になった容器を桃花は満足げに机に置くと、ようやく箸を手に取った。
あれはもはや焼きそばにマヨネーズをかけたというより、マヨネーズの下に焼きそばがあるような感じである。
「あら、ひかりさんも使いますか? マヨネーズ」
俺の視線に気づいたらしく、優しく訊いてくる。
「い、いえ、結構です……」
見ているだけで胸焼けしそうだ。
「桃花さん、身体に悪いよ。いつも言ってるけど……」
まなも彼女の皿をチラッと横目に見て気遣うようなことを言っている。
いつもこんな感じなんだ……。
「マヨネーズは健康的なんだよお。なんせお酢が入ってるからね!」
「ほとんど油ですけどね……」
「細かいことは気にしちゃいけませんよ」
言われ慣れているのだろう、桃花は何も気にすることなく焼きそばを口に運んだ。
そしてまなもそれに慣れているのだろう。小さくため息を吐くとそれ以上桃花に文句は言わずこちらを見た。
「ひかりさんはこの辺りに住んでるの?」
「え、うん。ここからだと歩いて30分くらいのところにあるアパートに――」
「――ああ、言い忘れてました。ひかりさんは今日からここに住みます」
「は?」
にこにこを崩さず話に割り込んできた桃花が何を言っているのか理解できない。
「ひかりさんは今日からこの神社に住みます。女の子をひとりであんなアパートに住まわせるわけにはいきませんので」
「お、女の子って……。いや、それよりそんなこと聞いてないですよ」
「ですから、言い忘れてたって言ったじゃないですかあ」
本気で善意のつもりなのだろう。彼女の口調からは一切の悪意が感じられない。
「普通に考えてそんな急に引越しとか無理です」
いや、引越しできるかどうかだけが問題というわけでもないが。
「心配しなくても大丈夫ですよ、もろもろの手続きはこちらで済ませましたので。夕方には荷物も全部届くと思います」
「勝手に何してくれてるんですかっ!?」
「まあまあ、あの部屋にあなたが出入りしていたら陽太さんも大変かも知れませんよ?」
「…………」
それを言われてしまうと返す言葉がない。
事情を知らないほとんどのご近所さんから見れば俺の部屋に幼女が頻繁に出入りしている状況だ。誰かが通報でもしたらそれだけで一大事である。
「分かってもらえたようで何よりです。心配しなくても大丈夫ですよ、家賃無料三食昼寝付きの超優良物件なので。まあ、歪物の修正はしてもらいたいですが……」
「なるほど、そういうのもありか……」
なんだかんだ悪くないかもしれないな、なんて一瞬で手のひらを返しつつ焼きそばを口へと運ぶ。
寝ているだけで衣食住が揃う。そんな全人類の夢が叶うのだから仕方ない。
「……なんか、ごめんなさい。その、難しい事情とかわたし全然分かってあげられなくて」
まなはしどろもどろになりながらそんなことを言っているが一体何のことを言っているのか分からない。
「気にしなくていいんですよ。それにひかりさんのご両親は少し海外に出かけているだけですので」
大人な女性のキュートなウインクは俺に向けられている。ドヤ顔的なものではなく何かを伝えようとしてくれているようだ。
そして俺もさすがに、今の話の流れでまなの言いたかったであろうことを理解できた。
そりゃ、小学生くらいの子が急に知らない女の家に住むことになっていれば、家庭環境が複雑なのではないかなんて疑うだろう。
初対面の俺に気を使ってくれるなんて、まなって子はなんていい子なんだろうか……。
「そ、そうなんだよ。お父さん急に仕事だって海外なんて行っちゃって」
「……うーん、何か悩みがあったら聞くからね」
まなは腑に落ちない様子だ。
小学校の子供1人置いて海外に行くような親はヤバいだろう。むしろそういう状況こそ家庭環境が悪いと言うまである。
大人2人揃ってつく嘘がこれって……。
桃花の方を見ると、彼女はしてやったりってドヤ顔を浮かべている。どうしてこの状況でそんな顔ができるのか、不思議な事この上ない。
「仲良くしてねっ!!」
ともあれ、俺も暗くなるわけにはいかないので、微妙になった空気を大きな声で誤魔化す。
破天荒は子供の特権だ。
まなは俺の声にビクッと身体を跳ねさせ、少し目を泳がせてから、
「う、うん。よろしくね」
と目を細めた。
ちょっと引かれたか?
さっきから思っていたがまなはあまり活発なタイプの子ではないらしい。
ふむ、しかし先輩魔法少女に嫌われるわけにはいかないな。何か褒めるような話題は……とまなのことをまじまじと見つめる。
「ど、どうしたのそんなにわたしの事見て……」
オマケに恥ずかしがり屋らしい。まなは真っ赤に頬を染めて目を逸らす。
「いや、ツインテール上手でいいなあって思って」
立っている時には腰までするりと伸びたツインテール。ロールという程ではないが軽く内側に巻いているのも可愛らしい。
一目見た時から思っていたんだ。彼女のツインテール力はかなり高いと。
俺は3時間格闘しても左右均等にすることすら出来なかったというのに。
「あ、ありがとう……。ひかりさんもツインテールしたら似合いそうだよね」
「うーん、それは間違いないんだけどね。なかなか上手く出来なくて」
何が面白いのかまなはクスリと笑う。
「ちょっと練習すれば出来るよ。ご飯食べたら教えようか?」
そしてそんな魅力的な提案をしてくれた。
まなは言わばツインテールのプロだ。こんなに綺麗なツインテールを自分で結っているのだからそうに違いない。
「お願いしますっ! ツインテール師匠!」
もちろん二つ返事。断る理由はない。これで俺も明日からツインテールになれる!
「ツインテール師匠……?」
首を傾げると揺れるツインテールがいつもより神々しく見えた。
食後に、俺の部屋だと通されたのは6畳程度のフローリング。今までの部屋よりやや狭いが生活に必要なもの全てをここに置く必要は無いので結果的に生活スペースは似たり寄ったりだろう。まだ家具は何も置いていないので正確なところは分からないが。
部屋は2階で、窓からは社の裏側と鯉が泳ぐ小さな池のある庭が見えた。
「この部屋ひとりで使っていいんですか?」
「はい。物置部屋に使ってたんですけど昨日急いで片付けました」
「わざわざありがとうございます」
「いえいえ、もう少ししたら家具も来るので運び込む時には少し協力してくださいね」
俺がはいと頷くのを見ると桃花は上機嫌に部屋を出て行った。
残されたのは俺とまなのふたり。
まなの方を見ると一瞬目が合ったが、すぐにまなの方が目を逸らしてしまう。
俺が小学生の頃は人見知りなんてしなかったが、まなは本物の女の子だもんなあ……。
かくいう俺も高校生くらいからは結構コミュ障こじらせてたし、気持ちは分かる。うん。
ここは大人として俺から話しかけないと!
「あー、そうだな。ツインテール教えてよ。さっき言ってたやつ」
俺は何もない部屋の真ん中まで歩いて行ってあぐらをかく。本当はせめて座布団とかあればよかったのだが、まあいいだろう。
「うん、いいよ。ちょっと待っててね……」
まなは俺のすぐ後ろに正座するとランドセルを下ろして、小さな白いポーチを取り出した。ファスナーを開けると中には身だしなみを整えるような道具が入っているのが見えた。本格的な化粧セットという感じではないが、髪留めやら櫛やら、その他見たことのない俺には使用用途の分からない道具が入っているのが窺える。
さすが女の子。小学生でも身だしなみとかに気を使うんだなあ。
ていうか手首につけっぱなしだった輪ゴムでちゃちゃっと教えてもらおうと思ってたのになんだか申し訳ないな。
「それいつも持ち歩いてるんだ?」
「うん。お化粧はダメなんだけど髪型はキバツじゃなければ自由だから、休み時間とかに結び合いっことかするの」
「おお、女の子っぽい……」
小学生時代の休み時間って言ったら、俺は鬼ごっこかボール遊びかくらいしかしたことなかったぞ。
「ひかりさんも女の子でしょ」
小さく笑ったまなは、俺に手鏡を手渡してきた。覗くと映っているのは二人の美少女。
慣れた手つきで俺の髪に櫛を入れたまなは真剣そうな顔つきだが、一方で俺の表情は緩み切っている。
はっ、いけない。美少女なのにこんなにやにやしたアホ面を晒してしまっては。
「嬉しそうだね。そんなにツインテールしたかったの?」
「そ、そうなんだよねー。やっぱり美少女にはツインテールだよね!」
俺は努めて表情を引き締めて真面目な事を言ったのだが、まなはおかしそうにあははと笑った。
「美少女って自分のこと?」
「え、そうだけど。可愛いでしょ? ひかり! あ、もちろんまなさんも同じくらい可愛いと思うけどね」
「うん、可愛い。わたしは全然だけどね」
「えー、そんなことないってえ……」
って、なんかこれ女子の会話っぽくない……!
おっさんでも身体が女の子になれば女の子の会話ができるのか。知らなかったなあ。
「ところでさ、ひかりさんも魔法少女するの?」
俺の思考を裏切るように、まなは普通の女の子ならしないような話を振ってくる。いや、するかもしれないがせいぜいごっこ遊びの一環だろう。しかし俺たちにとってこれはフィクションの話ではない。
「まだ考え中かな。歪みの話も今日初めて訊いたから」
「そうなんだ……。そんなにすぐには決められないよね」
そうだ、安全なことではない。だから簡単にやりますと言えることではないのだ。それでも――
「まなさんはやってるんでしょ? どうして?」
まなは魔法少女をやっているという。本来の俺なんかよりはるかに小さな彼女が危険を承知でだ。
「うーん、かっこいいから、みたいな……?」
「そんな理由?」
ある意味小学生らしいと言えばらしいのかもしれない。
「……うん。大体そんな感じかな」
少し含みのある言い方。小学生といえどもそれだけの理由で命を懸けて魔法少女なんてやったりしないか。
わざわざぼかしたということはそれ以上理由を聞かれたくないのだろう。もしかしたら彼女の歪みの原因と関係しているのかもしれないな。
「それにしてもさ、ひかりさんの髪ってこれ地毛なんだね」
まなは物珍しそうに俺の髪を手に取ってまじまじと見ている。橙色のそれは明るい茶髪のように見えなくもないが、それにしても珍しいことだろう。
「そうみたいだね」
「そうみたいって、他人事みたい」
「ひかりは、太陽の妖精だったから」
架空の存在。俺自身だが俺ではない。他人と言うには近すぎる存在な気もするが。
「なんだかよく分からないけど、ひかりさんって面白いね。はい、できたよ」
まなはじゃじゃんと俺の髪から両手を放した。
「い、いつの間に!? てかすごっ! ほんとにツインテになってる!」
俺は自分のツインテを身体の前に持ってきて、撫でたり抱きしめたり匂いを嗅いだりしてみる。太陽の香りがする。甘いような温かいような女の子の香りだ。
自分からこんな素敵な香りがするとか素晴らしい美少女。美少女になってよかった。
「すごく似合ってるよ……可愛い……」
「ありがとう。でも話に夢中で全然やり方見てなかった……」
「いいよ。またやってあげるから。それよりさ、やってみて思ったんだけど、後ろの髪残した方が可愛いんじゃないかな?」
気分は美容師だろうか。まなはまだ満足していないのか物欲しそうに手鏡を見ている。後ろ髪を残すってことはツーサイドアップか。その髪型のひかりを見たことはないが確かに似合いそうだ。
「じゃあお願いしてみても良いかな?」
「うん、もちろん!」
まなは心底嬉しそうに言うと、ササッとヘアゴムを解いてくれる。
「そうだ、せっかくだからお気に入りのヘアゴムあげる」
そう言って白いポーチからまなが取り出して見せてくれたのはクローバーの飾りが付いたヘアゴムだ。
「いや、悪いよ。お気に入りなんだったらなおさら」
「いいの。……その代わりずっと、仲良くしてくれたら嬉しいな」
まなは恥ずかしそうに頬を染めて露骨に顔を逸らす。
可愛いな。そんなに照れてまで俺と仲良くしたいのか……。
俺がおっさんのままだったら、どんなに高級な物をあげたってまなと仲良くなんてできなかっただろうに。
「……もらっておこうかな、ずっと仲良くするって約束で。あ、でもまなが嫌になったら俺……じゃなくてひかりと無理に仲良くしたりしなくていいからね」
「さっきまで自信満々だったのに変なの。でもね、ひかりさんとわたしはずっと仲良しだよ。なんとなくだけどそんな気がする」
「そう、だったらいいな」
でも俺はおっさんだ。きっといつかは元の俺に戻る。そうなった時にはさすがにまなは俺と仲良くしようなんて思わないだろう。
そんな想像をするとすると少し寂しくなるな。まだまなとは出会ったばかりなのに。
「やっぱり似合ってる!」
ナイーブになる俺とは真逆に、まなが満足げに頷いたのはツーサイドアップが完成したからだ。手際がいい。
「すごい、ほんとだ! こっちの方がいいかも!」
我ながら大人とは思えない浮かれた感想だ。
ロングとツインテールを合わせた豪華な髪型、ツーサイドアップ。単純なロングヘア―やツインテールよりも優雅さと可愛らしさの両方が増していて、より妖精っぽさというか人形っぽさというか、少しファンタジー感が強い気がする。
などと考えていると、本当にファンタジーな出来事が目の前で起こった。
不思議だが本当にちょっとしたことだ。ぴょこん、とまなの登頂部辺りで髪の毛が一束立った。俗に言うアホ毛ってやつだ。
どこかコミカルな現象とは裏腹に、まなの口角は深刻そうに下がる。
「歪物だ……」
「い、歪物……?」
わけが分からないまま、思わずまなの言葉を復唱した。




