写経:7
役に立つのか意味があるのか謎ですが、いちおう、つづけております>「写経」(好きな短編童話を書き写し&カウントサイトで文字数チェック)。
・安房直子「夢の果て」
だいたい節目の3000字そこそこ。原稿用紙的にもわかりやすい枚数みたいです?
文字数 3467 文字
改行除く 3415 文字
改行・空白除く 3374 文字
原稿用紙 10 枚
夢にとりつかれてラストシーケンスまで息つく間もなく一気呵成。
この場合、アイシャドウがうさぎ穴??
この設定を思いついた時点で、ほぼ勝確というか。すごいですねー。
しかし、やはり、この作家さんの場合「青」は魔法的なシグナルですね。
一応、バッドエンドのたぐいかとは思いますが、それはそれで、本望なような気もしなくもない――ひきつづき、やはり、他界との親和性を感じさせる作家さんでもあるでしょうか。
・安房直子「野の音」
文字数 14921 文字
改行除く 14603 文字
改行・空白除く 14367 文字
原稿用紙 45 枚
短編童話の場合、個人的には、3000字、5000字、8000字、あたりに「節目」を感じますが……それをこえてくる場合というのも当然にあり。
当方の場合、できるだけ8000字以内に抑えたい今日この頃なので、それ以上の枚数の節目はあまり意識していませんが、原稿用紙で50枚という、コンテスト等の応募規定的にありそうな「節目」というのは、これくらいの長さになるのかもしれません?
短編小説としてはなんてことない枚数ですが、童話としては、かなりのボリューム感。
そのボリュームでえがかれているのは、一種のヒーローズジャーニーであり、赤ずきんパターンでもあるかも。
泰山木の幹の中のかりぬい室≒木の精の胎内で、少女たちが失踪。というのですから、わかりやすいグレートマザー。
洋服店に潜入して事態をつきとめ、のこぎりを手にして泰山木を切り倒そうとする勇吉(とある失踪少女の兄)は、赤ずきんを救出する猟師の役どころ。
ただし、この猟師の活躍は失敗しますが……その結果が、はたして、単に苦いだけの敗北なのか、というと、んー???
胎内回帰という一種の死は、同時に、母の胸に抱かれる甘い安らぎ(≒死の安らぎ?)と紙一重とでもあるというのが、グレートマザーの定番。
しかも、この場合、泰山木の胎内にひろがる美しい過去の野原で、少女たちが歌などうたいながらボタン穴かがりに従事しているなかで、めでたく妹と再会……というのですから、妹萌えというか、近親姦的ユートピアのにおいもしないもでないというか……思わず、ハッピーエンドと錯覚しそうになる、ふしぎな読後感です。
――――(引用ここから)――――
いつか、勇吉の目の前に、広い広い、月夜の野原が広がっていました。
せせらぎの音がします。花の匂いがします。おおぜいの少女たちが、つみ草をしています。
と、その中のひとりが、ついと立ちあがって、勇吉を見て、にこっと、笑ったのです。なつかしい、白い顔でした。かわいいおさげ髪でした。
「お兄ちゃん!」
少女は、はっきりと、そう言いました。それから、うれしそうに手まねきをしたのです。
「お兄ちゃん、早く早く」
勇吉は両手を広げ、大声で妹の名をよびながら、野原のまん中へ、とびだして行きました。
――――(引用ここまで)――――
グレートマザーにのまれた兄妹。つまるところが、グレートマザーから見れば、二人そろって子どもということで、切断という「父」の機能をはたすにはまだまだ成長不足・役不足だったのか……。
あるいは、また、兄妹とグレートマザーの対決というとグリムの「ヘンゼルとグレーテル」がありますが、その場合、魔女と直接対決するのは兄ではなくてむしろ妹ちゃんのほうでした。女の子による母殺し。ですが、本作の妹ちゃんに、それほどのアクティブさはないようでもあり……それどころか、安らかなグレートマザーの胎内での生活に安住して、救出や脱出を望んでいないという可能性さえあるように見えます。にっこり笑って兄を迎え入れる(そして逃がさない)とすれば、もはや彼女自身がグレートマザー的な存在なのかもしれません。
そういう意味では、本作の兄妹の迎えた結末は、自らのぞんで夢の中にとびこんでいった「夢の果て」の少女のそれと、さほど隔たったものではない……のかもしれません?
・筒井頼子「はじめてのおつかい」
ちょっとこれだけ絵本ですが……。
超ロングセラー。ガチの幼年向け。
しかし、行って・やって・帰ってくる、がエンタメ物語のキホン、というのが本当なら、これこそまさにヒーローズジャーニー。キャンベル&ルーカス顔負けの「だいぼうけん」というべきかもしれません。
文句のつけようもない傑作ですが……
令和キッズには、こういう個人商店とか、ちょっとワカランかもですねえ。物価も昭和ですわ(笑
文字数 2038 文字
改行除く 1946 文字
改行・空白除く 1760 文字
原稿用紙 8 枚
絵本ですからレイアウトが独特で、文字数カウントも誤差が大きいかもですが、だいたい、上くらいの分量になるみたいです?
(しかし……裏表紙に小さく、読み聞かせなら3歳~、自分で読むなら小学3年~、って書いてあるんですが、どういう基準なんでしょ、これ。小3ってまだまだそんなもんなんですかね……)




