『機巧』、爆ぜる
「「要は、地面に着かなきゃいい!」」
校門から跳んだ威空は、周囲に生えた木に移る。同じように跳んだ明良は、設備時計に移る。
同時に視界から消えた二人に、詠時は小さく反応を示す。
「属性が大地なら、勝機はある!」
自分の足元、設備時計に手を触れる明良。
バチバチ、電流が走ったかと思えば、設備時計から機械仕掛けの手が生えた。
「そんなんありっすか…!?」
目の前で起きたことに、詠時は目を丸くする。
その反応に、明良は満足そうに笑って見せた。
「それだけじゃないぜ」
「こっちも忘れんなよ」
今度は、威空が笑う。
電気が流れる音と共に、威空が乗っている木が、ロボットのように変化した。
「我ら『機巧』」
「属性は機械」
「組立・解体・修復」
「なんでもござれ」
二人の声を聴きながら、詠時は笑顔を引きつらせる。
「その発想はなかったっす……」
「さあ、やろうか、『職人』!」
「楽しく行こうぜ、『職人』!」
「楽しくないっす、よ!」
動いたのは、三人同時。
次いで、大爆発。
三高、校舎内にいた生徒はのちに、「あの地震ヤバかったよね! え? あれ地震じゃなかったの?」と語っていたという。
「……けほっ……やっぱりこういうの、性に合わねーっすよ……」
土煙の中、小さく咳き込んで起き上がったのは、詠時。
へし折れた木、ひしゃげた設備時計。
詠時の足元で、倒れたままの『機巧』。
「おいおい、マジかよ」
「おいおい、今お前、何した?」
「何って」
倒れ伏したままの二人に、詠時は困ったように、ガシガシと頭を掻いて、言った。
「あんたら、攻撃が届く前に着地しちゃったから」
敗因、自爆。
『機巧』二人は地面に倒れたまま、大げさに笑う。
「ははは、やっぱり気に入ったぞ、『職人』」
「二高なんてやめて三高に来ないか? 『職人』」
「遠慮しとくっす」
地面に刺さったスコップを持ち上げて、詠時はにっと笑って見せた。
「二高に彼女いるんで」




