表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第十二章 その二人、『機巧』
35/108

『機巧』、見抜く

「さてさて、他校生」

「まずは自己紹介から始めようか」


 校門のそば。

 スコップを担ぐ詠時の目の前で、その二人は笑って言う。


「俺は扇屋威空(おうぎや いそら)

「俺は笹川明良(ささがわ あきら)


 まずはスパナを持った彼が、かぶっていた帽子をあげながら。

 続いてハンマーを持った彼が、かけていたゴーグルをおろしながら。


「俺たちは二人で一人」

「二つで一つ」

「通り名は『機巧(カラクリ)』」

「以後お見知りおきを」


 二人の自己紹介を最後まで聞いてから、詠時は担いでいたスコップを地面に突き立てる。


「ご丁寧にどうも」

「お前は誰だ、他校生」

「名乗られたら名乗り返す。礼儀だぜ? 他校生」


 笑顔を浮かべたままの威空と明良。

 詠時はがしがしと頭を掻いた後、溜息をついてから、口を開いた。


「二高から、生徒会長の付き添いで参りました。伊田詠時っす」

「通り名は」

「『職人』。あんま気に入ってないんすけどね」


 詠時が名乗れば、二人は嬉しそうに笑みを深める。


「そうか、『職人』」

「俺たちは気に入ったぜ? 『職人』」

「そちらに気に入られてもあんま嬉しくないんすけど……」


 深く溜息をついて、詠時は視線を横にずらす。


 ああ、参った。

 基本的に争い事は嫌いなんだ。

 だから戦えることも隠していたつもりだったのに。

 情報って、どこから漏れるかわかったもんじゃないな。


「あーもう、わかりました、わかりましたよ。相手すればいいんでしょう、あんたらはそれで満足なんでしょう」

「投げやりだな、『職人』」

「それでも『職人』か」

「他人が勝手にそう呼んでるだけっすよ、俺はただの『凡人』っす」


 ちらり、威空は詠時が持っているスコップを見やる。

 ちらり、明良は詠時の足元の地面を見やる。


「どこが凡人だ」

「全くだよ、お前は抜け目なさそうなやつだ」

「おっと」


 瞬間、詠時の足元で、地面がぼこっと音を立てた。


「ばれちゃってました?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ