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バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第十章 その男、『職人』
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『職人』、踏み込む

 場所は変わって、三座川高校。


「さてさて、伊田くん」

「はい、会長」

「何か聞きたいことはあるかな?」

「俺、何で生きてるんでしょう」

「重い!」


 三高生徒が続々と帰っていく校門のそば。

 違う制服の二人組……二階堂高校、『審判』・東條飛鳥と、『職人』・伊田詠時の姿がそこにはあった。


「そうじゃなくて」

「ああ、間違えました。俺、何でここにいるんでしょう」

「俺が連れて来たからだよね」

「俺は何で連れて来られたんでしょう」

「君となら奇襲作戦もうまくいくんじゃないかと予想したからだよね」

「何でそんな予想しちゃったんですか」

「なんとなくだよね」

「……俺、会長と仲良くなれる自信ないです」

「本人目の前にして言う!?」


 深く溜息をついて、頭を掻く詠時。


「だってよく考えてもみてくださいよ」

「何だい?」

「基本的には戦いたくもないのに、勝算も何もない博打みたいな奇襲作戦に連行されるこの気持ち」

「めっちゃつらいね!」

「今の俺がまさにその状況です」

「大変だね!」

「他人事! 完全に他人事のやつだこれ!」


 ますます頭を抱え、詠時は溜息をつく。

 そんな詠時を無視して、飛鳥は三高の屋上の方へ視線を巡らせた。


「ああ、ほら伊田くん」

「なんすか、会長」

「向こうもこっちに気付いたみたいだよ」

「すでに奇襲作戦失敗してるじゃないですか」


 飛鳥に言われるまま、詠時も屋上の方を見上げる。

 人影が数人。

 厳密にこちらを見ているわけではないかもしれないが、確実に校門の方を見ている。


「で、作戦はどうでしたっけ」

「君の知ってる強いやつを片っ端から倒していく作戦」

「全員います、屋上に」

「目がいいんだね」

「まあ一応」


 諦めたようにひとつ溜息をつき、詠時は一歩、校門の中へ踏み込んだ。


「もう面倒なんで一気に行きましょう。道は作りますんで、あとよろしくお願いします」

 

 ざくっ、地面を削るように、スコップが突き刺さった。


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