『時刻』、吠える
「そう言えば、知ってる?」
「あー?」
「なんか、一高と二高と三高で全面戦争するらしいよ」
「へー。いまさら?」
「なんか図書館で不良同士がそんな話してたって」
「マジか、うける」
昼下がり、三座川高校・屋上。
並んで寝転がっていたその二人は、同時に欠伸をした。
「なんか噂によると、図書館で不良たちが鉢合わせてさ」
「うんうん」
「ケンカになって」
「ふんふん」
「最後三人で全面戦争じゃぁあみたいな流れになったんだってさ」
「お前よく知ってんね」
「いやぁ、その三人のうち一人って俺だし」
「お前かい!」
がばっ、と片方が起き上がる。
もう片方はと言えば、寝転んだままへらへらと笑った。
「大丈夫だって、お前いるし」
「俺だけでどうにかなる問題じゃねーっての、アホか」
呆れたように溜息をついて、男はじろりともう片方の男を見る。
「お前、分かってんの? 一高には『最強』がいるし、二高には『審判』がいんだぞ」
「うん、知ってる」
「俺ごときで敵う相手だと思ってんのかって話だよ」
「大丈夫だろ。お前だけじゃないし、他にも何人か心当たりはいるし」
もう一人の男はむくりと起き上がると、ポケットからメモ帳を取り出す。
「とりあえず参加メンバーとしては、『咲乱』・信楽深花、『時刻』・刻宮仁時、『機巧』……」
「おい待て、なんですでに俺が入ってる」
「仁時なら断らないと思って」
「お前な」
へらりと笑って見せるその男に、もう一人の男……『時刻』・刻宮仁時は、深く深く溜息をついた。
「お前って本当、人の都合とか考えねーやつ」
「ありがとう」
「褒めてねーわ」
「でもお前なら参加するだろ?」
その言葉に、仁時はぐっと言葉を詰まらせ、大きく息を吐いてから、吠えるように言った。
「するけど!!」




