『百式』、念願
我ながら、いいことをしたと思う。
『今度のお休み、一緒に買い物にでも行きませんかね?』
帆風と戦えなくて不完全燃焼でプスプス言ってる奈音に、そんなメールを送ってみたのが四日ほど前。
それに対しての返事は、『場所による』。
だからそれに対して、『駅前商店街。帆風も誘う予定』、と返事を送ったところ、即行で『行く』と返ってきた。
そういうわけで。
「この三人で集まるの、中学以来だねー」
「そうだねー」
そういった形で、竜崎帆風と斑鳩奈音を会わせることに成功した。
私、頑張ったよ! 褒めてもらってもいいと思うんだ!
あとは奈音が戦いましょうとお誘いすればそれで完璧だ!
「玲砂ー、帰ってこーい」
「はっ! ごめん! 思考だけどこかにトリップしていた模様!」
「二次元だったら私も連れていって」
「無理だわ」
そんなやり取りをしながら、駅前の商店街を歩く現在。
「で、玲砂はどこに行きたいの。どこでもついていくよ、パーティーメンバーのように」
「そんなRPGめいた同行は求めてない! 縦に並ばなくていい!」
本当に縦に並ぼうとする帆風の頭を軽く叩く。
いて、なんて、まったく痛くなさそうな声が聞こえた。
「見れば見るほど」
ふと、奈音が私たちの後ろで口を開いた。
帆風と同時に振り返れば、奈音は私と帆風の顔を見比べて、もう一度言う。
「……見れば見るほど、双子だ」
「そうかな」
「いっそ双子コーデなるものをしてみてはいかがだろうか」
「あ、そう来る?」
いや、違う違う。
帆風と双子コーデは確かにしてみたいけど、今日はそのために集まったわけではないのだ。
私は帆風と戦いたがっていた奈音にその機会をと考え……。
「さっそくだがこちらの店に……」
「やる気満々!? 双子コーデさせる気満々!?」
こうして奈音プロデュースの元、私たちは見事な双子ちゃんにされてしまった。
奈音と帆風の戦闘?
ああ、結局しなかったみたいなんだけど……とりあえず奈音が満足そうな顔をしていたんで、私にはもうかける言葉などない。




