表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
欲張ってチートスキル貰いすぎたら、ステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します  作者: ゆさま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/52

湖のダンジョン

 オウデルさんとアイリと共にヨクア村を出発し、オベラム湖のダンジョンを目指して街道を西に進んでいた。


 俺は、オウデルさんの話に耳を傾けながら歩いている。


 オベラム湖のダンジョンは、王都とアーリキタの街のちょうど中間の位置にあるらしい。


 アーリキタからは、ティバンの森のダンジョンのほうがずっと近いし、王都にはすぐ近くにダンジョンがあるので、オベラム湖のダンジョンは人気がないとのことだ。


「ヨクア村からは近いから、わしらにはちょうどいいがの」


 俺の腕を抱いて歩くアイリが、オウデルさんに付け加える。


「でも、単体行動のモンスターしか出現しないから、人数制限は二人以上なんだよ」


「へー、ところで、アイリもギルドカード持ってたんだ?」


「以前、父さんとアーリキタの街へ行ったときに、興味本位で作っていたんだ。当時は冒険者をする気なんて無かったんだけどね」


 興味本位……? 街に遊びに行った記念とかで、気軽に冒険者登録したりするのかな。


 話しながら歩いていくと、美しい湖のほとりに出た。透明度の高い水が太陽の光を反射してきらめいている。水鳥が何羽も水面に浮かんでいて気持ちよさそうだ。


「あそこだよ」


 湖のほとりに、ダンジョン入り口を示す看板が立てられている。指し示す方に進んでいくと、ダンジョンの入口が見えてきた。


 見張りの人が立っているのは、ティバンの森のダンジョンと同じだけど、ティバンの森のダンジョンより明らかに人が少ない。


 確かに人気は無いようだが、男女のペアが何組かいる。人数を揃えるのが難しい人たちはここに来るんだろうか。


「早く入ろうよ!」


 俺はアイリに手を引かれながら、ダンジョン内へと入っていった。




 ダンジョン内は水族館のトンネル水槽のようになっており、上から日の光が差し込んできて明るい。水の揺らぎによって乱反射した光が、ダンジョン内を幻想的に照らしていた。


 天井が高いせいもあって開放感もある。壁や床は洞窟のような岩肌ではなくて、滑らかな白い石造りだった。


「綺麗なところだなぁ……」


 思わず声を溢すと、アイリは嬉しそうに応える。


「うん。私もこの景色が好きなんだ」


 周りを見ると、妙に距離感の近い男女のペアパーティーが何組もいる。えーっと、もしかしてここ、冒険者カップルの穴場のデートスポット……?


 確かにこんな絶景スポットでデートしたら楽しいだろうね。くぅ、アイリと二人きりで来たかった。


 でも、俺達の今日の目的はデートではないからなぁ。


「ここをゆっくり見物するのはまたの機会にして、今日は一気に二十階層まで進もう。今から走るよ。私についてこれるかな?」


 アイリは俺を挑発するように笑顔を見せた。俺が「余裕だよ!」と応えると、彼女は軽やかに地面を蹴って走り出した。


 おおっ、思っていたより速い。もうあんな遠くまで行ってしまった。


 跳ねるように揺れる赤いポニーテールを、俺もすぐに追いかけた。


 アイリは、風属性魔法で粗削りではあるものの、魔装術も使っている。出現する水棲生物型のモンスターには足を止めることもなく、すれ違いざまに腰に佩いた短剣を素早く抜いて切り捨てている。


 オウデルさんの指導を受けているんだろう。ダイアウルフに怯えていたのが嘘のように、的確にモンスターを倒していく。


 あっという間に二十階層に到着した。休憩なしの移動だったが、三人とも息を乱すこともない。


 アイリは足を止めて振り返った。


「カイトを置いていくつもりで、本気で走ったんだけどなぁ。余裕で付いてこれたんだ……」


「いやぁ、驚いてるって! 途中のモンスターも全部一撃だったでしょ」


「この程度で驚かないで! ここからが本番なんだから」


 アイリはそう言うと、マジックバッグから弓を取り出した。蒼い弓幹は金属のような光沢を放っており、弓全体から魔力の波動を感じる。一目で業物と分かる逸品だ。


「なんか凄そうな弓だね」


「そうでしょ? 父さんにもらったの」


「これはわしが冒険者をやっていたころに手に入れたものじゃよ。所持者の魔力で矢を作って射ることができるオリハルコン製の弓、魔弓フォールドじゃ」


 へー、いいなぁ。面白そう、俺もやってみたい。


 そこへ巨大な蟹型モンスターが姿を見せた。体長3mくらいありそうだ。両手の鋏には大きな棘が付いている。あんなもので挟まれたら痛そうだな。


「きたわね、デスクラブ。カイトは見ていて」


 デスクラブは俺たちに向かって鋏を向けた。離れた間合いで何する気だ?


 次の瞬間、デスクラブの鋏から衝撃波が打ち出された。俺たちが散って回避すると、デスクラブが続けて衝撃波を放つ。


 アイリはひらりと跳び上がって避けると、そのまま空中で手にした弓を構える。


 アイリが手にした弓を引き絞ると、弓に魔力が収束していき、矢が生成された。それをデスクラブに向かって放つ。


 矢を射った音とは思えないような「バンッ」という衝撃音と共に放たれた矢は、空気を切り裂いて飛翔し、狙い違わず蟹の頭部に命中し貫通した。


 その一撃で、デスクラブはコアに変わってしまった。


 軽快な身のこなしに、すごい威力の攻撃だ。思わず拍手すると、アイリは得意げだ。


「どう、すごいでしょ? 次はカイトの力を見せて」


「うん、了解」


 しばらくダンジョンを進んでいると、再びデスクラブが出現。いかつい見た目だが高々二十階層のモンスターだ。


 ティバンの森のダンジョン五十階層で、レベル上げしていた俺にとっては雑魚もいいところだ。


「ホーリーレイ」


 右手の指でピストルを形作って軽く呟く。指先から放たれた神聖魔法の光線がデスクラブを貫き、一瞬にして塵になりコアだけが残った。


「うそっ、今の神聖魔法!?」


 アイリは目を見張って声を上げた。驚いているな?


「うん、俺も結構やるでしょ?」


「まぁまぁね。もっと深い階層で私の強さを見せてあげる」


 アイリは俺にいいところを見せたくて必死なのかな? 可愛いなぁ。




 さらに進んで二十九階層。


 アイリ一人なら危ういかもしれないが、オウデルさんの強さならアイリをキャリーしていてもまだ余裕だろう。武器も持たずに鼻歌交じりでモンスターをぶん殴ると一撃だった。


「ねぇ、カイトはまだ剣を出さないの?」


「そうだなぁ、そろそろ出そうかな」


 この程度の階層なら素手でも全く問題ない。ホーリーレイですべて一撃だからだ。でも、特に渋る理由もないので、マジックバッグからオウデルさんにもらった剣を出した。


「おお、その剣はわしがカイトにあげた、魔剣ベイルスティングじゃな。使い心地はどうじゃ?」


「凄くいいです。丈夫だし、よく切れるし、魔装術との相性もいいみたい」


 オウデルさんは「そうかそうか」と嬉しそうに頷いていた。


 俺も嬉しくなってしまい、なんとなく魔剣に神聖魔法を通わせて、ダンジョンの壁に向かって振った。


 白く光る斬撃が壁に当たって、ガラガラと崩れて通路が現れた。


「すごい! 隠し通路だよ」


「なんという偶然……」


 アイリはとても嬉しそうだったが、俺は呆気に取られるのだった。


ダッシュするアイリのイメージ。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ