一枚のページ
通学路に散る桜の花びらは、見た目よりもずっと厄介だ。靴に張り付き、そのまま廊下に持ち込まれ、誰かがそれを掃除する羽目になる。俺は、すでに掃き清められた道の端を歩く。
誰に言われたわけではない。ただ、後で誰かが掃除しなければならないものを踏みつけるのが嫌なだけだ。
この高校は特別な学校じゃない。エリートでもなければ底辺でもなく、何かで有名なわけでもない。俺がここを選んだのは、自転車で二十分という距離、納得のいく入学金、そして卒業生の多くが国立大学や給与の明確な企業に採用されているからだ。立派な理由だし、他の理由は必要ない。
新入生の入学式は、木の床と洗剤の匂いが染みついた体育館で行われた。校長は「新しいページ」、「二度と来ない青春」、「一生の思い出になる友情」について語った。俺は彼が「青春」という言葉を何回言ったか数えた。七回。頭の中でメモして、すぐに忘れた。意味がないからだ。
俺が覚えているのは、目の前に並ぶ頭の列だけだ。ほとんどが左右を見渡し、知った顔や魅力的な顔を探している。俺はまっすぐに壇上を見つめた。誰にも話しかけられないための、一番簡単な方法だ。
式が終わると、俺たちは教室へと誘導された。1年B組。黒板には白いチョークでびっしりと座席表が書かれており、俺の名前は窓側から三列目、後ろから二番目の席にあった。
いいね。窓際で、真ん中でもなく、目立たない。
席に座り、鞄から小さなノートを取り出した。無地の茶色の表紙で、中学三年生の時から使っているせいで角が丸まっている。最初のページは一週間前に書き終えていて、今日はただ読み返すだけだ。
計画。
1. 問題なく高校を卒業する。
2. 国立大学に進学するか、安定した企業に就職する。
3. 緊急用の貯金:最低でも三ヶ月分の給料。
4. 普通の生活。それ以上は必要ない。
四つ目の項目は一番太く書いた。
他人はこの計画を退屈だと笑うかもしれない。実際そうなのかもしれない。だが、俺は退屈じゃない人生がどんなものか、身をもって知っている。父は頭ではなく、心で大きな決断をしたことがあった。我が家は今でもそのローンを返済しており、母はそのせいで未だに二つの仕事を掛け持ちして遅く帰ってくる。
感情は高価だ。十二歳の時から、その値段は知っている。
だから俺の計画は単純だ。距離を保ち、記録を保ち、人生を平坦に保つ。平坦な人生で損をする者はいない。
「ハル!」
その声は、近距離から投げられたバスケットボールのように耳に飛び込んできた。
見上げなくても持ち主は分かる。俺はゆっくりとノートを閉じ、顔を上げた。
日向あかりが、両手を腰に当てて俺の机の前に立っていた。髪は高く結んだポニーテールで、頭を動かすたびに揺れている。新しい制服はまだ綺麗すぎて、ブレザーのボタンが一つずれていた。彼女は、三年間探し続けていたなくし物をやっと見つけたかのような目で俺を見ていた。
「昨日、絶対同じクラスだって言ったよね? ううん、言ってない。ただ願ってただけ。でも今、同じクラスになった! これって運命。あるいは偶然。それとも、また私に会いたくてこの学校を受けたとか?」
「違う。」
「返事早っ!」 彼女は俺の前の席に身を沈め、こちらを振り向いた。「ハル、変わってないね。まだ同じ鞄でしょ? あーもう、それ中二の時の鞄じゃん! 紐がちぎれそうだよ!」
「まだ使える。」
「理由になってない!」
「十分な理由だ。」
彼女は一瞬俺を見つめ、それから小さく笑った。肩が上下する短い笑い声だった。昔よく聞いていたが、一日に何回聞くかなんて数えたことはなかった。
「相変わらずおじいちゃんみたいな喋り方」と彼女は言った。「三週間会わないだけで、自分がバカみたいに思えてくるよ。」
「三週間と二日だ。」
「数えてたの?」
「違う。」 俺はうつむいて再びノートを開いた。「ただの偶然だ。」
彼女は、俺の知っている笑みを浮かべて目を細めた。新しくからかうネタを見つけた時の顔だ。
「ふーん。ハル、数えてたんだ。」
「違う。」
「ハルが、私に会う日を数えてたんだ。」
「違う。日にちを知ってただけだ。」
「ふーん。」 彼女は手で顎を支え、全く信じていない様子で言った。「じゃあ一つだけ説明して。なんで卒業式からずっと携帯の電源切ってるの?」
俺はすぐには答えなかった。窓の外では、桜の花びらが風に舞い、音もなく校庭に落ちていく。
「携帯が壊れたんだ」と俺は言った。
「三週間も?」
「直す金を待ってる。」
それは半分本当だ。直すための余裕なんてないのは確かだ。だが、それが理由じゃない。あかりは俺が完全に正直じゃないことを知っている。彼女は俺と付き合いが長いから、いつ嘘をついているかも、いつ質問をやめるべきかも分かっているのだ。
彼女は一瞬だけ黙った。それから笑顔が戻ったが、少しだけ小さくなっていた。
「分かった。まだ話足りないけど、分かった。」
「ご自由に。」
「『ご自由に』って、許可を求めてるみたいに言わないでよ。」
彼女はブレザーのポケットを探って何かを探した。ピンクの紙に包まれた丸い飴が手から落ち、俺の机の下へ転がっていった。
俺はかがんでそれを拾い、前の席の机の上に置いた。
「落ちたぞ。」
あかりは飴を見て、それから俺を見た。彼女の笑顔が大きくなった。大きすぎるくらいに。
「ほらね。優しいじゃん。」
「床にゴミがあるのが嫌なだけだ。」
「飴だよ。ゴミじゃない。」
「放っておけばゴミになる。」
「すっごくいい理由だね、ハル。」 彼女は大げさに包みを開け、飴を口に入れた。「全然変わってない。よかった。安心した。」
俺は何も返さなかった。何を返せばいいか分からなかったし、返す必要もなかった。
数分後、教室は喧騒に包まれた。生徒たちは自己紹介をし、連絡先を交換し、どの部活に入るかを聞き合っている。前列の男子が、誰もやりたがらないからという理由だけで学級委員に立候補した。頭の中にメモした:あの男は二週間後に後悔するだろう。
そして、廊下の方から、何かが変わった。
音は大きくなかった。むしろ逆だ。ドアの近くにいた生徒のグループが突然話をやめ、囁き始めた。何人かが一斉に同じ方向を振り向く。よく見ようと席を立つ者もいた。
「ねえねえ、見て!」 あかりが俺の袖を引っ張った。「ハル、私たちのクラスにすごく可愛い女の子がいるって噂だよ。学年で一番だって……」
「ふーん。」
「見たくないの?」
「見たくない。」
「ハル!」
「書いてるんだ。」
嘘だ。ノートのページはまだ白紙だ。だが俺はうつむき、鉛筆を取って、全く重要じゃないことを書いた。桜、初日:出費 0円。
他人なら興味を持つだろう。一緒に振り向くかもしれない。それが普通だと分かっている。
だが俺にとっての普通の生活とは、他人が話をやめるようなものに巻き込まれないことだ。
俺はそのゼロという数字をもう一度、より太く書き、ノートを閉じた。
初日。何も起こらなかった。
それが目的なのだから。




