レイさんとの関係
頑張って説得しよう!と決めたのは良いけれど、どうやって説得したら良いのかな?
私は、何て言って説得するのが良いのか考えたけど、結局良い考えは思い浮かばなかった。だから、行き当たりバッタリでいく事に決めた。
「それで?あの『レイ』とかいう男とは、どういった知り合いなんだい?」
「レイ?」
伯母さんの質問に、伯父さんが首を傾げている。それは、そうだろう。伯父さんは、私がここに来たところを見てなかったからね。その反応は当然である。
そこで、伯母さんが伯父さんに説明してくれた。レイさんが私をここまで連れて来てくれた事を。
それを聞いていくうちに、伯父さんはやや厳しい顔つきになってしまった。
一体どうしたというのだろうか。
「なるほどな。それで、その『レイ』とやらは、どこで知り合った、どういう知り合いなんだ?」
そう尋ねてきた伯父さんの表情は、なんだか怖かった。
ーうひゃー。やっぱり、なんか怒ってる気がするよー。
ちょっと怖くてビクビクしちゃう。でも、私はこれからもっと大変な案件を説明しようとしているのだ。ここで怯えているわけにはいかない。
サクッとレイさんの事を説明しようっと。
けれど…。
いざどういった知り合いなのか説明しようとすると、困ってしまった。レイさんって、私の何なのだろう。好きな人ではあるけれど、流石にそれは言えないよっ!
「レイさんは、うーん、友達?…じゃないなー。うーん。そうだなー…。…あっ!お兄さん?」
「「お兄さん?」」
さんざん悩んで出てきたのは、『レイさんはお兄さん』だった。伯父さんと伯母さんは、『えっ?お兄さん?』って顔をしている。
「うん!お兄さん!友達ってわけじゃないし、近所の頼れるお兄さん的な感じかなー」
「な、なるほどな。それで、どうやって知り合ったんだ?」
「レイさんとは、家の近くで知り合ったんだよ。前、家の近くに具合が悪そうな人が立ってたから声をかけたの。その具合が悪そうな人が、レイさんってわけ」
「そうか。具合は大丈夫だったのか?」
「うん、風邪だったみたい。すぐに良くなったよ」
「それなら良かった」
『具合が悪かった』って聞いて、伯父さんと伯母さんは心配そうな顔をしたけど、『すぐに良くなった』って聞いて、今はほっとした表情をしている。
この街の人達は、未だに病気に関しては敏感だ。私もその1人だけど。
「エミリアが助けてあげて、知り合ったんだね?」
「うん、そうだよ」
伯母さんの確認に、私は頷いた。
「それは良い事をしたね。でも、心配にもなっちまうよ。レイさんはどういった人なんだい?危なくないんだろうね?」
「どういった人…」
『レイさんが危なくないのか』って質問は、私にはすごく難しい質問だった。レイさん自身はすごく優しくて頼りがいがある心配症気味な素敵な人だけど、海賊さんなんだよねー。一般的に言って、やっぱり海賊って危ないよね?
でも、これは言わない方が良い事だから、私はレイさん自身の事を説明しよう。
「うんとねー、レイさんは、すごく優しくて頼りがいがある心配症気味な素敵な人だよ!」
「へー、そうなのかい。危ない人じゃないなら良かったよ」
伯母さんが安心してくれたみたい。良かった。
だが、私も安心したのも束の間、伯父さんがびっくり発言をしてきた。
「まさか、そいつと恋仲ってわけじゃないだろうな」
「えええええっ!?」
ー何、その飛躍した考えは!
「ないっ!!ないないないないない!!」
「そ、そうか」
私の勢いのある否定に、質問した伯父さんも驚いたようだ。
ーごめんね、伯父さん。驚かせるつもりはなかったの。
「ちなみに、そいつに変な事はされてないだろうな?」
「変な事?」
ー『変な事』って何?
私が首を傾げていると、伯父さんが説明してくれた。
「つきまとわれたり、言い寄られたり、手を出されたりしてないかって事だ」
「ないねー」
そう。残念な事に、そういった事は皆無だ。むしろ、言い寄られたい!レイさんに口説かれたいよー。




