私の決意
私がそのままベッドに休んでると、伯母さんが部屋にやって来た。
「エミリア、具合はどうだい?」
「うん、楽になったよ」
「そうかい。それは良かった」
伯母さんは、私の言葉を確かめる為に、私のおでこに手を当ててきた。
「うん、熱も下がったようだね。今、ご飯の用意が出来たんだけど、食べられそうかい?」
「うん!お腹空いた!」
眠って熱が下がって、お腹が空いたよ。タイミングよくか悪くか、ちょうど『ぐ〜』ってお腹が鳴った。
思わず、伯母さんと顔を見合わせて笑ってしまう。
「ハハハ、それだけ元気なら大丈夫だね」
「うん、アハハ」
ベッドから降りると、伯母さんに続いてドアから出た。そして、ご飯の席に行く。そこには、伯父さんの姿はなかった。
「これから帰って来るってさ。先に食べてて良いそうだよ」
私が伯父さんの姿を探してキョロキョロしたのを感じてか、伯母さんが言った。
「そうなんだー」
「エミリアが来てるって連絡したから、すぐに帰って来ると思うよ」
「そっか」
「さっ、早く席に着きな。あの席だよ」
「うん」
伯母さんに促されて席に着くと、すぐに温かいスープが出てきた。
「ありがとう」
「じゃあ、食べようかね」
「うん、いただきます」
スープは塩味が効いてて美味しかった。
「美味しい」
「そうかい?そりゃ、良かった」
そう言った伯母さんは、ちょっと嬉しそうだった。誰かに『美味しい』って言って貰えるのって、嬉しいもんね。多分、伯父さんはあんまり言ってないんじゃないかな。伯父さんが帰って来たら、たまにで良いからちゃんと『美味しい』って言うように言っておかないと。
私はそんな事を考えながらスープを飲んだ。久しぶりに誰かの手料理を食べて、ほっとする。ずっと自分で作ってきたからね。
それに、誰かと一緒に食卓を囲むのは久しぶりな気がする。とは言っても、実際にはそこまで久しぶりじゃないんだけど、色んな事があり過ぎて久しぶりに感じるのだ。
ーやっぱり誰かと一緒に食べるのって、良いな。
伯母さんとご飯を食べていると、玄関のドアが開いた。
「ただいま!エミリアは?」
「伯父さん、お帰りなさーい」
「エミリア。大丈夫なのか?」
「うん!寝たら、すっかり良くなったよ!」
「そうか。それなら良かった」
伯父さんは急いで帰って来てくれたみたい。少し息が上がっている。
私はイスから立ち上がって、玄関のドアの近くにいる伯父さんの元へ行くと、伯父さんにお礼を言った。
「伯父さん、ありがとう」
「ん?何がだ?」
「急いで帰って来てくれたから。私を心配してくれたんでしょう?」
私がそう言うと、伯父さんは顔をくしゃっとさせて笑った。そして、私の頭をポンポンっと優しく叩く。
「心配するのは当たり前だろう?」
「ん、ありがとう」
伯父さんの優しさに、思わず目が潤みそうになる。けど、いかんいかん。今はご飯だ。
「さ、あんた。ご飯だよ」
「ああ、分かった。着替えてくるよ」
伯母さんの呼びかけで、伯父さんは着替えに向かった。
「エミリアも席にお着き」
「はぁーい」
伯母さんに言われたままイスに座ると、すぐに伯父さんがやって来た。皆が揃ったところで、晩ご飯再開である。
「いただきます」
「「いただきます」」
伯父さんの挨拶の後、私も伯母さんと一緒に挨拶をした。1回すでにしてあるけど、仕切り直しでね。
「それで、エミリアは体調が悪いって聞いたんだが、もう良くなったんだな?」
「うん、もう大丈夫」
伯父さんに聞かれて頷くと、すぐに伯母さんが言う。
「あんた、もう大丈夫そうだからって家に帰ったりしないだろうね!ダメだからね!今日はウチでゆっくりしてきな」
「分かった。ありがとう」
伯母さんの心遣いが嬉しい。優しい伯父さんと伯母さんをもって、私は幸せだよ。
「ところで、あの男はどういう知り合いなんだい?」
「うえっ!?」
せっかく伯母さんの言葉に心温まってたのに、次の伯母さんの言葉にぎくっとした。
ー『あの男』って、レイさんの事だよね?うわ〜、何て説明しようーーー。
私は少し考えて、そして心を決めた。
こうなったら、全部説明しようって。レイさんの事だけじゃなくて、拉致されて危うく売られそうになった事とか、父さんを探しに行きたい事とかね。
ーあ〜、2人とも反対するんだろうなー。何て言って説得しようかなー。




