↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/38

私の決断

なぜか私の話で盛り上がっていた伯母さんとレイさんなんだけど、話が私の熱の話になったら、すぐに2人の話は終わりになった。


「なんだって、まあ、すぐに言わないんだい!熱があるなら、今日はウチで休みな!!」

「えっ!?で、でも…」


うつしちゃ大変だと躊躇う私を、伯母さんは物ともせずに『良いから良いから。そんな事は気にしないで良いんだよ』と家の中に連れ込んだ。

そして、レイさんにお礼を言う。


「あんた、エミリアを連れて来てくれてありがとね」

「いいえ。また明日、様子を見に来ても良いですか?」

「もちろんさ。エミリアも喜ぶよ」

「ありがとうございます」


レイさんは伯母さんにお礼を言うと、次に私に向かって口を開いた。


「よく休むんだぞ。明日、また来るからな」

「分かりました。あの、ありがとうございました」


私がレイさんにお礼を言うと、レイさんはニコッと微笑んで『じゃあな』と手を上げると、颯爽と踵を返して行ってしまった。


ーいやぁ〜ん!何、あのイケメン!!爽やかすぎる!!!素敵!!!


私がただ、ほわ〜んとレイさんを見送っていると、伯母さんから『さあ、こっちにおいで』と呼ばれた。

伯母さんの所に行くと、部屋に案内された。そこにはベッドがあった。ここは、従姉妹のお姉ちゃんが使っていた部屋だ。

従姉妹のお姉ちゃんは、今は結婚して家から出ているから、誰も使ってない。私は、その部屋のベッドに伯母さんによって追い立てられた。

私の抵抗なんて些細なものという様に、伯母さんは私をベッドに寝かせる事に成功した。


ー伯母さん、すごい!!


何がすごいって、押しの強さがすごい!ぐいぐいドンドンと私をベッドに追いやるんだもん。私の抵抗なんて、伯母さんからしたら、軽いものだったに違いない。


「ほら、ちゃんと休むんだよ!」

「はぁーい」


抵抗するだけ無駄だと悟った私は、伯母さんに言われたまま大人しく休む事にした。幸い咳とかしてないしね。


伯母さんは私がちゃんと休んでるのを見て『よしよし』と頷くと、部屋から出て行った。そして、すぐにまたやって来た。その手に、濡れたタオルと水の入ったコップを持って。


「水を飲むかい?」

「うん、ありがとう」


私はのそのそと起き上がると、伯母さんからコップを受け取って水を飲んだ。


ー冷たくて美味しい!


やっぱり熱のせいなのか、お水がとても美味しく感じられた。私はお水をぐびぐびと飲むと、コップを伯母さんに返した。


「じゃあ、おでこにタオルを乗せるからね」

「はぁーい」


再びベッドに寝ると、伯母さんがおでこにタオルを乗せてくれた。


ーひゃっ!!冷たい!!けど、気持ち良い。


やっぱり熱のせいなのか、冷たいタオルが気持ち良い。


「何か食べられそうかい?」


伯母さんに聞かれて、自分のお腹の空き具合を考えてみるけど、そんなにお腹は空いてなかった。


「うーん。あんまりお腹空いてないかなー」

「そうかい、分かったよ。それなら、少し休んでな。眠れるようなら、少し眠ったら良いよ」

「うん、そうするよ」


伯母さんに言われた事もあり、私は少し休もうと目を閉じた。眠れるかは分からないけど、早く元気になりたいから、ちゃんと休まなくっちゃね。

船に乗るにしても乗らないにしても、体調は万全にしないとだし。


伯母さんは、そんな私の様子を見た後、『また後で様子を見に来るからね』と言って、部屋から出て行った。


ずっと目を閉じていると、しばらくして『うとうと』してきたのが自分でも分かっ

た。その『うとうと』に、私は身を委ねる事にした。


☆☆☆☆☆


ハッと目を覚ますと、部屋の中が薄暗くなっていた。ベッドに入った時は、まだお昼過ぎで明るかったのに。私は結構寝ちゃったみたいだ。


ー今は夕方くらいかな?


ベッドから降りて窓から外を見ると、夕日が見えた。その夕日を見ながら、私はさっき見ていた夢を思い返す。

夢には、私が船で見た光景が出てきた。甲板についている血痕、血を流している人、そして、船から落ちる赤毛の男。

それらを見て怯えていたら、誰かが優しく頭を撫でてくれた。『頭を撫でてくれてるのは、レイさんかな?』と思って顔を見たら、それは父さんだった。


そこからは、私は父さんに抱きついて、盛大に泣いた。泣いて泣いて、文句を言ってやった。

『早く帰って来て』『寂しいよ』『会いたい』と。父さんは私を抱きしめたまま、また優しく頭を撫でてくれた。


と、そこで目が覚めたのだ。夢の中で泣いていた私は、現実でも泣いてたらしい。目元を触ると濡れていた。


ーあ〜、父さんに会いたいなー。


船に乗せて貰うかどうか悩んでたけど、夢を見て、ハッキリした。私、やっぱり父さんを探しに行きたいって。父さんに会いたいって。

だから、私、決めました!船に乗せて貰えるようにお願いしようって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。