第8話 「ゴブリンリーダー」
部下たちの襲撃は連携がとれた見事なものだった。
最初に斥候が敵の配置を探り、穏行の技術に長けたものが音も気配もなく近づき、
歩哨の骸骨兵士を同時に仕留めると共に仲間に合図する。
合図を受けた仲間はトラップをさけて包囲を縮める。
目標の近くにいた何かが見えなくなったが、仲間が仕留めたと考えて近づきゾンビをメイジが無効化する。
さらに包囲を縮めていき、裏口と思われるところから顔を出した骸骨兵士を弓兵が仕止める。床下に槍兵が10人、弓兵が目標をぐるりと取り巻いて20人、
階段の下に戦士が10人に後方にはメイジが5人ヒーラーが同じく5人控えている、ゴブリンリーダーはさらに周囲への警戒を怠らない。
さっと采配を振るとランサー達が床下から槍を突き刺す。火矢が一斉に飛ぶ目標に当たって燃え上がり、中にいる人間が飛び出してくるのをしとめる手筈だったのだが、火矢が目標に届く寸前に何かが屋根から広がり目標を覆うと、突き刺さったはずの火矢が消えてしまう。
「ガガガガー」と何かが弾ける音がして床下の槍兵達が倒れていく。
まずい、敵は何か知らない武器を使ってる。効果は高いがかなり五月蠅いものだ、魔法にしては感じられないが部下のメイジに問うてみるが彼も感じないらしく首を横に振っている。
仕方ない槍兵の生き残りに回復をかけさせ戦士共を突入させる。
階段を上がったところで入り口を叩き壊して中に進入した、いや飲み込まれた?。
あれは・・・あれ自体が生物なのか?。
突然あたしの隣にいたリーダーの頭の後ろが弾けたーその後で「ターン!」という音が聞こえた。何が起こったのかわからない、気が付くとリーダーを挟んだ向こう側にいる副官も同じように死んだ、またしても後から音が「ターン!」と響いた。
魔力の変動も何もないのに・・・左の耳の上に焼き鏝を当てられたような気がした・・あたしの感じた最後の感覚だった。
俺は弓隊に回された、火矢を目標に仕掛ける簡単な仕事だったが直接敵を切り刻む役をやりたかったが、リーダーはそうさせてくれなかった。
練習はしてるし腕に自信はあるから弓も嫌いではないが、今回のように物に当てるのは面白味に欠けるそう思っていた。
合図があり矢の先に隠していた火壷の火を付ける、部下達も一斉に付けているはずだ。
そして目標の建物に向けて弓を射る、当たって燃え上がるはずだったがー何かに阻まれてしまう、第二射を射るが同じマジックバリアーか?魔法を使える相手はいないという情報だったが?。
そうこうしていると目標の方から「ががががっ。」という音が響いてくる、床下の槍兵達がバタバタと倒れて起きあがらない。
状況が掴めないまま戦士達が突入し、飲み込まれたあとに
「ターン。」という音が続いた何回目かにふと気になってリーダーの方を振り返ると誰も立っていない、移動したのか?と思い屈んで荷物を取ろうとしたところで背後の幹に矢がささる。
思わず目標の建物を見たー目の前に第二の矢が飛んで来るのが見えた。
ああ、今までよく見たことなかった・・・もう見ることもないかもな。




