第6話 「それは名前を得た。」
あっ短い・・・。
それは、人という歪で不完全な存在から呼ばれたことに初めは戸惑っていた。
普通呼び出されるときは使役目的が主であり、名前をつけられることもなく魔力の続く限り酷使されることが多いので、古の盟約を交わした種族の始祖を呪いつつ?その時の相手の魔力総量に合わせた者が出て行く事になるのだが、それが出た途端呼び出した者がそれに名前をつけたのだ。
「ん~今度は青いのか~「アオ」って単純だし、「ブルー」もねぇ・・・そうだ「ミント」にしよう。うん、あんたの名前は「ミント」だ、よろしくね。」
名前を付けられた、こうなると契約は更にややこしくなる。それは名付けた者の呼び出しに答えなければならなくなる反面こちらの世界に出ることが増え経験値が上昇していく、これは元いた世界でのランクが上昇することを意味する、元の世界での生存率が上昇することになるのだ。それの属してる世界もまた生存環境は厳しい、弱いものは強いものに吸収されその一部となり自己を失う=死ぬことになる。
ミントは主(召喚者)が体内に手を入れてくるのに驚いたー核を砕かれるのかと。
それをされると死んでしまう・・・しかしそれは杞憂の終わった主は体内で式を展開したようで、その式が核を始めとする各細胞に刻み込まれると体外から魔力が流れ込んでくるのがわかった。
召還されたものは、その種族やこちらの世界の属性などにより時間と召喚者からの魔力供給距離によって元の世界に帰還してしまう特性がある。これはレベルの問題ではなく法則に基づくものだったが、この主の施した術式は召喚者からの魔力供給ではなく外部からの直接供給で、距離の問題と帰還時間直前の再召喚詠唱を埋め込む形で補完し永続的な持続性をもたらすというでたらめな方法である。
詳しいことはわからないが、まだ幼いように見える主は実にとんでもないことをしたようで、ミントの他にもカカオと呼ばれる同族の他にアンデット系の骸骨属やゾンビも召喚使役していた。通常一人の召喚者は一体しか召喚できないというルールがあったはずなんだが、この主はそれを無視しているーというか
しばらくたってから、レベルが上がり人の言葉を話せるようになった時に聞いてみたら
主はこんな事を言っていた。
「え?聞いてないし。」
「仲間が多いほうが効率いいよ?。」
自然の摂理とか、法則とか気にしていない、愚鈍なのか大物なのか・・・
ミントは最初の指令で主のもとを離れて先に消息を絶った骸骨兵士の調査経路を再探索し敵対勢力の探査に向かった。
その途中で不自然な魔力の流れを感じて道をそれて、その地下迷宮に迷い込んだがミントの体組織の構造上僅かな隙間があれば不自由なく通過できるし、物理的なトラップも回避できた。名前を得たせいか思考が早く洞察も深く心なしか各種特性も上がっているようだ。
複数階の構造になっている最下層に強い魔力の存在を感じ気づかれぬように接近経路を複数調査している時だった。最下層にいるはずのそれが急激に上昇してくるのを感じたこの感覚は獲物を襲うものだ・・・その対象を見つけそれに急速に接近するどっちが速いかには自信があった。なぜ捕食対象に向かったかはわからない・・・主と同じ魂の匂いを感じた人だったからかもしれない。
捕食した獲物を一時的に捕獲しておく場所なのか、他の階層とは切り離された空間にその人が上がってきたのとミントがその階層の床を溶解してたどり着いたのはほぼ同じ、
その人に気づかれぬように引きずり込んだと同時にそれが上がってきた。
ミントは思わず身体を収縮させた、その弾みに捉えてた人を更に引き込んでしまった
結果的にそれが彼を救う結果になる。
それは捕食対象と同時に現れたミントに反応したのかもしれない。
いきなり高温のブレスを放ったーそれはないじゃんと思いながら脆弱で熱に弱い人を体内に取り込んで来た道を戻ることにした。落ちるともいうけれど・・・・
何階層分落ちたかわからないが、ともかくやつの魔力は遠ざかったー脅威は去った。
体内の人を吐き出して様子を見る・・・攻撃されたらかなわないしねぇ。
関心ないふりをして後ずさりしてみる・・・何気に文句を言いながらついてくるようだ。
主の元に連れて行く事になるのかな?
人が歩ける道を選んで主の元に戻る、ああ・・・めんどくさい。
ジャングルを進む中、この人間が歩いて倒した草や足跡を消しておく、
付けられたりしたら主が迷惑するだろうから。




