第47話 人魚姫の里
ちょいと、逃避してました。
短いエピソードです、回収できるかなぁ?。
暗く静かなどこかの海の底で怪しく揺らめく影がある。
そは人魚達の楽園か、海底に築かれた都市群の名前は竜宮か?
都市の中央部一際豪華な建造物の最下層のさらに下隠された王族用の牢屋のひとつに包帯だらけの男が横たえられていた。
その室内には不思議な香りのする香が炊き込められている。
不思議なことにその香はドアの隙間や明かり取り兼換気口になっている窓から漏れ出ることなく室内に留まっている。
部屋の外には見張りだろう屈強な男が二人阿吽の像のように立ち警戒している、そこへ優美な着物をまとった美女が数名近づいてきた。
「中の者の様子はどうじゃ?。」
「はい、何も変わりありません。」
「姫様何かあろうはずがございません。あの者はほとんど瀕死であったところを救出し回復と治癒の魔法をかけ続けて、今も辛うじて命を取り留めるための[時流停香]で覆っている状態。」
「さよう、死にはせぬが傷が癒える故もなし。」
「そうそまさに生き殺し、なにゆえかくも辛いことを強いるのか?。」
「妾にもわからぬ、ただマスターの命令ゆえ守らねばならぬ。」
「あの小さきマスター?。」
「人の子供ではないか、けれど・・・。」
「そう、見かけは子供だけれど、ありえない魔力を持つ。」
「魔力だけじゃない、中身は我らの長老よりも老獪・・・。」
「人じゃない、子供じゃない、「でもマスター。」」
「そのマスターからの極秘指令。」
「マスターはこうも言っておられた「これは保険」と。」
「ほけん?。」
「そうほけん。」
「何のことかしら?。」
「「わからない。」」
「ミュウザ、死んでないか見てきてちょうだい香の中で動けるのはあなただけ(正確には貴方の種族だけ)。」
「はい、賜りました姫。これ開けたもう。」
扉の左右の兵士が同時にうなずき、それぞれが相手の側の腕を水平に持ち上げて手を組むと閉じて立っていた足を互いの足に触れるほどに開くと逆三角形のような形が男たちの間にでき、そのできた空間にミュウザと呼ばれた女官が入っていくと扉の向こうに現れた。
そのまま、ベッドで横たわる布の固まりのような者に近づきその躰に触れる手は全身をまさぐるかのように蠢いていく。
そして確信したかのようにひとつうなずくとベッドを離れてこちらに戻ってくる。
阿吽の像のような兵士の間から再び姿を現すミュウザと呼ばれた女官は、
姫に近づき報告をする。
その内容に満足したのか姫は一度眼を伏せきびすを返して戻っていく、
それに従う護衛の女官達、それを見送ると兵士達は元の彫像のような姿勢に戻るその間にあの不思議な空間はない。
上層部へ戻るエレベーターの中で姫と呼ばれたローラィは考える。
あの時マスターは他の誰にも気づかれぬようにと自分に指示をした、
もとより自分はマーメイド族の姫。
誰かの下に付くなどありえないが、召喚されている時は別だ。
パイアはマスターが召還した魔人/魔物達の中では最上位ゆえに召還されているときは
マスターの命に従うために彼女の指揮下に入る形になっている。
これは彼女に自分の行動を知られるという事だ、またそうでなければ連携した行動をとってマスターを守護できない。
それをマスターは知っているのか、他の誰にもと自分に命じた。
これはパイアに知らせるなということでもありそのために召還を解除されたが、
束縛の魔法か何かでこの領域へ戻ることはできずあの地に留まることになった。
個別の念話でマスターは言う。これは「保険」なのだと、それは今行動をともにしてる人族がマスターの目的と異なる可能性が1%でもあるなら、あのマーマンのリーダーがその対象に変わるからだという。何のことかはわからないけれどマスターの信頼を得ているのは間違いない。
普通召還を解除されると次に呼ばれても出て行く義理はないがこの身に刻まれたあの術式でマスターが存在する限り隷属されてしまっている。
しばらくは陸地を旅すると仰られていたのでしばらくお呼びはかからないだろう。
ということはあの男を死なぬように隠し守り続けねばならぬ。
転生での完了目的が本人にはわかりません。
え同じような転生者を殺すわけにもいかず、もしかしたら今世での役割は転生者同士で協力することかもしれないので確保しておくことに。




