第44話 「今後のことを決めて。」
「食事の準備ができました。」
白いテーブルカバーの掛かった食卓に銀細工の凝ったデザインの燭台が飾られ蝋燭の明かりが淡く周りを照らす。
赤い絨毯の上に置かれた長テーブルに
ライオネルが椅子を引いてくれるので、それにまかせて腰掛ける。
私の右側のパイア、ローラィの椅子も引いて座らせると左側のジーナの椅子を引いて座らせてから私の対面の位置にある椅子に腰掛けた。
ヴァリアスがジーナの隣に座ると、ミントとカカオがメイド服姿で給仕を始める。
前菜、サラダにスープが続き、パンのあとは魚料理が出てシャーベットを食べた後に
肉料理が出た時点で私の胃袋はパンクしそうになる量が多すぎるんだよ~。
フルーツ、デザートが出た時点でライオネルこと蘭人が突然立ち上がって叫んだ。
「おかしいだろこれ?。」
「どうかしたか?。」
「いや何落ち着いてるんだよ、ってか何なんだよこれテレビのセットかよ?。」
まぁそう見えなくもない、確かに私の右側と左側の席の後ろには壁が存在しているし、
先に述べたように床には赤い絨毯が大理石の床に敷かれているが、見上げれば夜空が見えるし3つの月も見えている。私の正面に座る蘭人の背後には沖合に浮かぶ帆船が見えるし私の背後はジャングルだ。
潮騒のささやきを聞きながらフルコースを堪能する。
いい雰囲気じゃないか、何が不満なんだろう?。
「うん、美味しくないのかな。君の検索で出たレシピをこの世界で手に入る食材で再現してみたのだが・・・。」
「いや、そこじゃなくてなんでこのタイミングなんだ?。」
「一仕事を終えた後、美女たちに囲まれながら一流レストランでの食事・・・いいシチュエーションじゃないか?。」
「答えになってね~。」
奴の戯れ言を聞き流しながら沖合の帆船を見る、マストが折れたままだなぁ・・・帆も所々破れたり焦げてる修理しないといけないよなぁ。
王家に払い下げたはずの我らの船がそこにあった。
今回の討伐戦に必要だろうと、王様が貸してくれたんだが見事にボロボロになっている、なんで王国に戻ってないのかって?。
帆が張れない帆船が颯爽と凱旋したら不自然だろう、いくら魔法が使える世界だってというのもあるけれど、単に戻れなかったのが本音だったりする。
船にダイちゃんが残ってたそこに転送陣があり、ミントと負傷してるジーナがそれの対になる転送陣で戻った。のはいいが問題は私を含めた他のメンバーが戻る手段がなかったいや正確に言えば別の船とか召還すればよかったのかもしれないが、島に上陸した時点で疲れてたのでめんどくさかったのだ。そこでダイちゃんを呼び寄せた(船ごと)。
浜辺に結界を張りそこでくつろぐことにした、色々召還して実感するやっぱりこの世界にある物の方がコストが低いとぽいぽい出してたらそのうち日が暮れかけ、パイアが指示を出し晩餐の準備が始まった。
ミントとカカオは食事をとる必要がないので給仕に回ってくれている。
食事をしながら今後の方針も話し合った。想像通り敵のリーダーは転生者だったのでこれも予想道理転移の仕方は知らなかった。
彼を助けることはできなかったところは気になるが敵対してしまった以上どうしようもない、それでも見かけが人族なら助けたかもしれないが亜人でも半魚人では厳しかった。
何故かと言うと、グロいからだ。
「王国に戻れば褒賞金が出るんだろ?。」
「討伐証明はどうする?。」
「船修理しないとな~。」
「マスター何かいい策ないの?。」
「それよりどうするん、蘭人また変える方法の手がかり探さないと」
「やっぱり、勇者とかにあうのがいいのかなぁ?。」
「召還された人達だしなぁ何か知ってるかも。」
などと話しながら夜が更けていくが、まったく話が進まないこれが映画とかなんかなら強力な敵対者とか陰謀をたくらむ大臣とか出てきたりするんだろうけど、それもない・・・あったぶん勇者とその関係者がそれに当たるかもしれない。ならば帝国の方に行かないとなということは早く帰らなくっちゃね。
「木の切り出しと加工終わったかな?。」
「見て参ります。」
ヴァリアスが席を立ち浜辺の方に向かった。
すでに食卓は片付けられて・・・というか壁も大理石の床もない。
いつの間にかゲル(パオ)のようなものが組み上がっていた、カカオとミントの仕事である。骨組みはなんか大型の動物か魔物の骨にその皮ぽい。
ちなみにジーナは船に戻りローラィも同行しているので、ここに残っているのは私と蘭人とパイアということになる。
「でもさぁ、王国に帰るのか?。」
「どういうことかな?。」
「いやさ、一応冒険者としての証明は出来るようになったわけだし、王国そのものに帰還の方法が有るわけでもないんだから、このまま他の国に行くのもありなんじゃないかな?。」
確かに蘭人の言うことにも一理ある。何も王国に戻る必要はない、討伐要請を受けたのは資金的な面もあるが行きがかり上という面もあったためだが、資金面を気にしなければこのまま立ち去っても支障はない。その場合一度売却した船を返さないことになるのだが、
報奨金とチャラでいいんじゃないかと蘭人は言う。
「しかし、その場合王国から手配が回ることもありますね?。」
あっ、確かにそれはあるかも・・・パイア偉いよく言った。
一度戻って報告して、船は返して、お金もらって旅立つ、これだなうん。
「よし、明日戻ろう。船は必要ならまた作ればいいし、報告をして宿の精算もして次の国に行こうか。」
「はい、マスター。」
「・・・明日戻るって、船の修理は?。」
「港の沖までローラィの眷属に牽かせましょう、そこからは大ちゃんの手漕ぎで。」
「それでいいわ、頼むわねパイア。私は寝ますあとは任せる。」
お気に入りのベッドを召喚して、潜り込むあとは明日だね蘭人のベッド?今晩は誰と寝るのか知らんがそいつらに頼むといいんだ。今日は疲れたからもう無理・・・10歳の子供の体には負担が大きいって。
「ここじゃあ、マスターの邪魔になります。ミント彼をお願い、カカオはマスターの警護を私は船に戻ってローラィ達に指示してきます。それから・・・」
意識が沈んでいくなかでパイアの指示が聞こえる・・・。




