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第43話 「狙撃、」

うん、短いなぁw。

島に上陸した俺とカカオ、ミントは内包するジーナと共に海面に出るやいなやその体表面に魔法陣が現れて、その輝きと共に転移してしまった。

彼女にその能力があるのか、べネットの時限発動式の魔法かどうかはわからないけれど、おそらく船に戻ったと思われる。


ウェットスーツを脱いで、バッグに収納したりして装備を整え終わると周辺の索敵を終えたカカオが戻ってきた。


「ライフルによる狙撃できるか?。」


うん?今更何を聞いてくるんだといぶかしんでいると、


「この島の中央部の山間に敵の反応がある恐らく半魚人達の地上拠点と思われる。」


「そこも殲滅するのか?。」


「我々が受けた依頼は、半魚人襲撃者達の拠点の発見、殲滅。ここを残すと依頼は完了しない。」


「もしかすると、女や子供達だけかもしれないぞ?。」


「それが?。」


俺ができないと言ったところで彼女の方針は変わらないだろう、その場所に音もなく近づき一人一人もしくはまとめて溶かすだけだろう、それならば一撃で仕留めたほうが苦痛を感じずに済むというものか。


カカオに案内されてジャングルのような、いやこれジャングルそのもののような中を進むこれ素手だと皮膚傷だらけだよね、あと虫とか群がってきたりとかするはずなんだけど、

それはないんだよなぁなんでだろ?やっぱゲームの世界だからかな。


ジャングルを奥に進むにつれて山に近づいていく当然人が通る道など無いわけだけど、

傾斜がきつくなってもほいほいカカオは登っていくまぁスライムだしね。

着いて行くほうの身になって


滑り落ちてました。流石スライムのカカオさん斜面を滑落する俺を伸ばした身体で捕まえてくれました。


「・・・ありがとう。」


「迂闊だな。」


冷たい、でもカカオの体の中は温かいーあっ嘘ついてました、ピリピリと痛いです。

彼女はミントよりも酸が強いんだよね、流石に取り込むときはその濃度を調整してくれてはいるものの元の濃度が高いだけに。


無事山を登り半魚人達の隠れ里が見える場所にたどり着く、バックからライフルスコープを取り出して地面に伏せたまま観察する。


そこには20人程の成人体の半魚人と明らかに幼生体の半魚人(間違いなく子供だろう)が50人程見えている。

全部は無理だけれど、なんとかしないと。


「思ったよりも多いな、まぁ半数でもいいぞ?、残りは引き受けよう。」


そう言うやいなや彼女は消えた、というよりも瞬速で移動して現場に向かったのに違いない、ということは着くや否や殺戮が始まるわけだ。

俺はライフルを取り出してスコープを装着し、マガジンを取り付けてポジションを調整する。

ボルトを引いて薬室に弾丸をチャージする、セフティを外しクロスゲージの向こうに映る標的に狙いを込める。呼吸を止めてタイミングを合わせて引金を引く、銃口が跳ね上がり

右肩に衝撃が来る再びスコープに映る次の標的に照準を合わせて引金を引く、一発ごとに

確実に敵は死んでいく、突然の攻撃にうろたえ、戸惑い、混乱する半魚人達を一人また一人と撃ち殺していく、時には射線が重なることで二人ないし三人を1つの弾丸で仕留めてしまうことも起きた。

そして、俺の視界の外では確実にカカオが仕事を始めていて、さっきまで逃げ惑っていた幼生体(子供)の姿が急速に減っていっていた。

ただ、それに気がついたのは広場から彼らの動く姿が消えてからだった、それまでは建物の中に、物陰に隠れていると思っていたからだ。



「まだ、ゲームの中にいると思ってるんでしょ?。」


今は俺を包み込んで急斜面を下るカカオが俺の心を見透かしたように話しかけてくる。

確かにこの世界がゲームの中ならば、さっきの一方的な銃撃もそれで倒れた半魚人達もただのMobでしかないーなら罪の意識を感じなくてもいいはずだ、現実だとしても彼らは醜悪なモンスターで人に敵対した時点で滅ぼされても仕方がない存在のはずだ。


「ラントが遊んでたゲームじゃあ同族を殺してたのでしょう?。今更何なの罪の意識でも感じてるとか?。」


それは間違いない、昔の戦争物のゲームだから人と人が殺しあっているしかも相手はNPCではなくPC=自分と同じプレィヤー生きた人間だった、ただしネットの向こう側にいる顔も知らない奴らだけど。


「条件が同じじゃなかったから、気にしてるのかな?。」


そうなんだろうな、無抵抗の相手を一方的に葬り去ったことに気が滅入ってるんだと思う。

思考にふける俺を内包したままカカオはいつの間にかジャングルを抜けて海岸に戻ってきていた。

そしてそこには海から丁度上がってくるベネット達の姿があった・・・。

パイアもローラィもヴァリアスも魔族であるからか何の感情も顔に出してはいない、

ベネットもポーチからいつもの本を取り出すと、衝立を召喚しておそらく着替えを始めた。

ヴァリアスだけがこちらに近づいてくる。


「・・・ラント殿?顔色が優れませんが・・・。」


「新藤はどうなった?。」


「しんど?ああ敵の首魁ですな、瓦礫の下にそれらしき死体がありましたが他の生き残り同様に処理しましたから再び生き返ることはないでしょう。」


「取り逃がした敵もなく?。」


「ローラィやパイア様が居てですか?一人も隠し通路の中のその先までもいませんよ。」


「・・・グッジョブ!。」


「はい、ありがとうございます。」


これで、ゾエルデン王国や隣国のナーモニィ共和国の貿易船が襲われることもなくなるだろうか?

ともかく依頼は完了したことになるんだろう。


誰が確認するのかは知らないけれどね。






さてこれで陸に戻るかな。

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