第41話 「もう一人の転生者」
更新が遅れてるのは・・持病のせい・・にしてるから。
襲撃に失敗した部隊が戻ってきた、最初に返り討ちにあったアル・カング部隊のあとの狩りで獲物達はこちらの攻撃パターンの対策を立て容易には収穫できなくなっていたが、
それに対する策として空からの襲撃を4匹にしたら今度は海中で爆発する樽を沈めてくるようになって迂闊には獲物達の船に近づけなくなった。ただこれにはすぐ対策が打てたから問題はないはずだったのに。なぜ失敗する襲撃隊のリーダーが無能なのか?。
ただリーダーは帰還した中にはおらず、帰還者も負傷者が多かった。
報告に来たのはその中でも比較的傷の少ない(それでも半身がケロイド状に焼けただれていたが)若者で、彼によると獲物である船にとりついてからが常識外だったという。
彼等の体は燃え上がるのに木製の甲板には焦げ後すら残らない魔法の炎による攻撃に、
やはり彼等だけが凍り付く風や神速の剣撃に捕まるやいなや瞬時に溶ける壁や床に天井、柱おまけに海に逃げ込めば海中深くまで船の周り見渡す限りが瞬時に凍結し波まで止まったかと思えば、逃げ遅れた仲間は砕かれていき気が付けば海面が炎上して砕かれていなかった仲間達も大火傷を負ってしまった。
圧倒的な敗北である、ワイバーンの帰還もないということは全滅したということか、せっかく苦労して揃えた駒がわずかなうちに消えてしまった。
これでは、俺の立場も危うい物になるーこの種族は文化的にそのレベルでしかない未開地の蛮族といったところか、まったく転生したのにこの種族ではなぁ前世の知恵を使ってもそれを生かしにくい種族では無理ゲーに近い、もっとも昨日まではそれも俺の才覚で何とかなると思っていたんだが相手悪いようだ。
「警戒を厳にせよ、追撃があるかもしれぬと各部隊に伝えよ。」
「「はっ。」」
あと5年とは言わないが、せめて1年もあれば再起をかけるだけの手下と資金を持って逃げることもできるかもしれないが今は迎え撃つしか選択肢がないのか。
追撃はあると考えている、ないと思う方が楽観的すぎるという物だろう。
襲撃隊ののこりと警備隊、訓練中の者どもを武装させて女子供は逃がさないとな。
この集落が見つかってると考えて、籠城できなくもないが敵が同じ水棲種なら攻めあぐねるかも知れないが間違いなくそうではない相手だからな、まず間違いなく潰されると考えた方がいいだろうな。
「バーン・ブ侍従長を呼べ、クラ・ッハ女官長もだ。」
そう部下に指示を出して、隣室に向かう従者に命じて戦支度を始める。
このあとは戦闘が始まるそう本能が告げている。
この種族なりの防具を身につけ、族長の印も兼ねる三つ叉の矛を手にしたときに侍従長が女官長を従えてやってきた。
「よく来てくれた、二人とも落ち着いて聞いて欲しい。」
「「はい。」」
「クラ・ッハは直ちに非戦闘員の女子供を集めて、後宮の地下から海底洞窟を使って脱出せよ。そののち島の隠れ里に移動して待機することここは戦場になるかもしれぬ。」
「いえ、我らも戦います、最後の一人になっても・・・。」
「ばかか、全滅してどうする。おまえら女達と子供が残れば再起も図れるというものだ。まぁむざむざとやられはせん、ちゃんと迎えに行くから待っていろ。バーンは残っている者がいないか確認したのちに合流せよ。」
「はっ送り出した後直ちに舞い戻り・・・。」
「ばかか?お前が戻ってどうする、一族の未来を託す女と子供を守り里まで護衛し守護せよ。」
「はっ。」
「行け!。」
二人が出て行った後、残された部屋で俺は生まれてからのことを回想するいや正確に言うと生まれ変わる前からのことになるか、俺は日本人「新藤 悠夢」だった。
高校2年の夏いつものようにヘッドホンをつけてお気に入りのJPOPを聞きながら、
左手で自転車のハンドルを握り右手でスマホを操りながら通学していたあの時、
いつものように車が来ないはずの通りに一時停止を無視して飛び出したときに運悪く俺と同じようにスマホをいじりながら軽四を運転するヤンママに見事にはねられて、空を飛び三級河川のどぶ川に頭から飛び込んだ。
冷たいと感じたけど痛くはなかったから、ああこれは死んだな・・・と思ったら心配そうに俺を見る目があった。
初めはよく見えなかったが、眼が慣れてきて思わず叫び声をあげてしまった、化け物が俺をのぞき込んでいたからだ。
だがそいつは俺を抱きしめてもう大丈夫だ心配ないと言い出した、生臭い魚の臭いがしたが不思議と気にならなくなっていった。
まるで母親に抱かれてるような気がしてきて、次第にその容姿は気にならなくなっていった。俺自身そいつと同じような姿だったからだ、俺は生まれ変わったらしい。
以前読んでた小説やアニメでは転生後も人間が多かったが、現実は違うようだし神様やそれに類する何かの案内や特典サービスや説明があるわけではないようだ。
俺の種族は半魚人だと思う、全身に鱗があり指の間には水掻きがあるし首筋には鰓がある。だが水上では肺呼吸ができるようで通常は肺呼吸のようだ。海底の村は魔法のバブルで覆われて、その内部は水がないので海上と同じように肺呼吸で生活している。村の外に狩りででると海中なのでそこではこの鰓を使っているようで何日でもそのままで不自由はしないし、海水を飲んでるのだろうが喉が渇くわけでもなく上手く塩分との切り分けもしてるようだ。ちなみにそのまま海中で食事もできる生だけども不思議と気にならないものだ。
「ダルフォ様・・・シンド・ダルフォさま?。」
従者の一人が部屋の入り口で声をかけている、物思いに耽りすぎたようだ。
「何用か?。」
「はっ、港の入り口にマーメイド族の姫が来て面会を求めております。」
「マーメイド族だとはぐれか?わかった会おう、ここに連れて来い。」
「いえそれが・・・。」
「まだ何かあるのか?。」
「はっ、人族の男と得体のしれぬ魔族の女が一緒なのです。」
「わかった港に向かおう、お前も武装してついてこい。」
海底に半球形状の透明なカバーが数個集まって建っていて、そこが半魚人である「カーチ族」の国です。




