第35話 「婆さんに聞いた。」
「それは生かしては帰さないということか?。」
「だろうね、まぁ聞いた話だけれど。」
「婆さん何者?。」
「フォフォフォフォ」
バルタンですか、じゃあどこかから出てくるんですか3分間と言いながら週跨ぎで暴れる光の巨人。
「まぁこの大陸で長く生きてるとみんな知ってることさね。」
それでも詳しすぎないか、普通そんなことは隠すと思うんだが現代ならともかくネットもないこの世界でそこまでって、もしかして婆さん関係者か?。
「誰が王家に勇者召還などという方法を教えたのか?」
「ほう、お嬢ちゃんはするどいね。そこさねエルフの長老というものもいれば、ドラゴンロードだというものもおるが、魔族というものもおるすべて噂じゃが。」
いやそれはおかしいだろう、魔王を自分たちの王を倒す存在を呼ぶ方法なんて教えちゃまずいだろう。
「自ずからの首を絞める真似を?。」
「それがあながちそうもいえんのじゃ魔族は己の欲に忠実でな、
王に従うのも力関係でしかない、恐らく巨大すぎる力を持つ王を倒して自らがその地位を狙う者が教えたのかもしれんな。」
「でもそれでは、自分が王になった後倒されることになるんじゃないか?。」
「そこは不可侵条約でも結べばええことじゃ、そうして当時の王家と密約をかわしたのかもしれん。」
ならば、その魔族なら知っているかも~って、どこにいるんだろう魔王。
「まぁ少しは希望ができたじゃろ?ただし召還に必要とされる魂の量を考えると戻るときにもなんらかの代償がいるのかもしれんが。」
ああ、それを知ると勇者たるもの戻れないかもしれんな。
しかし本当にこの婆さん何者なんだろ?。
「さてこれだけの情報を教えてやったわけだが、おまえさんはそれに対して何をこの婆にくれるのかぇ?。」
う~ん、何といわれても自前の装備くらいしかないわけだがそれも船だしなぁ。
と思案してると今まで黙っていたカカオ婆さんの方を向いて一言。
「おまえの命。」
何いきなり物騒なこと言ってんですか、本当にやりかねないだけに怖いんですけど。
「ふぉふぉふぉふぉ、これは言いおるわい。儂の命か高いのう」
「おまえ、ほとんどこの大陸に住むものなら知ってることと言った。ならそれほどの価値のある情報とは云えない。最後の情報は推論にしかすぎないが、それに値するのがおまえの生存権。それも嘘かもしれないけれどそこは問わない。」
カ、カカオさん強気だなぁ。でも俺としてはそうはできないんだよなぁこれがゲームであるならこの婆さんがなんかのトリガーということもあるからなぁ。
俺は護身用に持ってきていたデリンジャーを出して婆さんのテーブルに置いた。
「今持ってる俺にとって価値のある物はこれだけなんだ。」
婆さんはハンドガンの銃身の方を持ち上げて、しげしげと見回している。
安全装置はかけてあるから大丈夫だと思うけど銃口を覗いてはいけません危ないからね。
「これはなんじゃ?。」
「俺の世界の武器さ。」
「このちっこいのがか?平和な世界じゃな。」
確かに平和ぼけしてますよ、隣の国に自国の土地を買い漁られて、島をまるごと占領されても遺憾ですなんていうだけの国だもの。
まぁ戦争だ~と言われても行きたくないしなぁ。
あっでもそれバレンタインイベントのスペシャルガチャのレアもんだからね。
引き当てたのは、ほぼ偶然っていう確率の低くくかつ殆ど役に立たないというレアもの
けっこうな高値で取引されてるんだよ?知らないだろうけどお婆さん。
「ふむ、まぁ預かっておこうか。」
言う前に懐に入れてるし、なんかニンマリしてね?。
「一応聞いておくが、魔王の居所はわかるか?。」
婆さんはため息を漏らすと、唇に指を持って行き。
「言えない、内緒だ。」
「まじ?!」
「冗談だ、知らないというか魔族の方がよく知っておるんじゃないのかえ?お嬢ちゃん。」
最後の方はそうカカオに向かって、話しかけたが話しかけられたカカオは知らん顔をしている。バレてるのかね?彼女が魔物だってことが魔力の量でも図れるんですかね。
「カウンターは元に戻した、帰りましょうあなた、カカオ。」
背後から声が掛かる、その声はパイアの澄んだ声で振り返るといつもの黒いノースリーブのワンピースドレスではなく、花の刺繍が袖に入った変形袖のチュールトップス(白色)に水玉のロングスカートに白いサンダルという出で立ちだった。
その姿とあふれる魔力?に婆さんがビビってる気がする。
「「戻した?割れた無垢の木のカウンターを?。」」
思わず婆さんとハモってしまった、ちょっと恥ずかしい。
「私は魔法が使えるんだよ?。」
そうでした~凄いよ魔法、万能だね魔法、ゲームでは攻撃とか防御とかにしか使えなかった魔法、考えてみればこういう使い方が出来てもいいよねうん。




