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第33話 冒険者になる

「・・・では、そのようにされることでいいのですね?。」


我々はこの国の主要なメンバーである王様や内閣の大臣との会談で、

これからの身の振り方を話し合った。

まず我々が乗ってきた船だが、その様式がこの国とその周辺国とは違うので構造を含めて極めて貴重なものだということで、高価で買い取ってもらうことになった。


現状故国への帰還方法が、航路を含めて不明なためにその手がかりを求めてこの大陸を旅することに決めたので、このあと冒険者ギルドにて手続きをすることになった。

ちなみにギルド長に直接連絡の兵が走っていった。


冒険者としての装備や路銀を船の売却費にあてたうえで、約1年分の費用になった。

もちろん、只の冒険者では各王室などの秘蔵の図書などの閲覧は難しい為に、

国王の推薦状(身分保障?)を頂いた。


その見返りが船一艘では割が合わないと言う大臣を片手で制した王は


「おまえなぁ、齢10にもならぬ姫様が異国で家がどこかすらわからないで帰れないけど、自分で探して帰りますって言ってるんだぞ。」


「しかし、そのようなあるかないかわからぬ国の為に犯す危険が・・。」


「デオルド候、貴様は子供がいないからわからんのだ。」

「左様、我が孫娘ユリシアも近い年頃ですが、いかに家臣がいるとは云え、このような決断ができるかどうか・・。」


机の向こうでこの国の大人達がワイワイ言ってるわ、こういう時にはこの体この歳は大人達の同情を引くもんだな、うん結構使えるもんだね。


「それに何も国家の機密書類を閲覧させろという訳でもあるまいし、ただの本の閲覧ではないか、そう気に病むもんでもなかろう。」


なにやらもめている。


[ただの本だとー]


あっ、うちの本が怒ってるある意味ただだもんね君

○次元ポケットならぬポーチからみつけたし。


その後船の引き渡しの日とかその代金の支払い方法とかを決めて王宮を後にした。

後にした王宮の一室での会話を伝えてきたのは、うちの隠密ダークちゃんだが


若い男「あんなどこの馬の骨ともわからぬ者に、国庫から支払うなどと・・・」

初老の声「まぁよいではないか、ちゃんと国境に伏せてあるのだろう?。」

中年の男「もちろんだ、きちんと回収せねばな。」

若い男「それに・・・。」

初老の声「そうそう、あの女達もきちんと躾て売り払えばよい。」

若い男「あの自称姫さまもか、まだ使えそうにないが?。」

初老の声「何、あのくらいから仕込むとよいおもちゃになるそうだ。」

中年の男「ふむ、それならもう少し手を回してできるだけ傷つけない方向で襲わせるか。」


なんか、好きなこと言ってるなぁ・・・ちゃんと印を打ち込んでおこう。

「秘技3年殺し」なんちゃって、頼むよダークちゃん。


王宮から城下町の中央大通りに面した冒険者ギルドまで、王宮指し回しの馬車で送ってもらい、ギルドの入り口でライオネルと私以外は待つということになった。

ま、他は私の召還者でしかないし魔物はどういう扱いなんだろうか?。

ギルドカードとかに種族がでるとまずいか?

まずいかもカカオやミントはスライムだもんな・・・


二人でギルド本部の木製の扉を開けて入ろうとする時にライオネル君がつぶやく


「お約束・・・来ますかね?。」

「どうだろう、私は子供だし・・・あるかな?。」

「楽しみですね?。」

「そうだな。」


これは元ゲーマーを明かす決まり文句だ、フラグを立てるともいう。

ギルドの内部は、西部劇の酒場のセットのようだった、そこにいるメンバーも込みで。

埃っぽくって(実に綺麗な床ですけど)男どもは汗臭そう(近づいてないからわからん)だった。

木製の床を歩いて正面の受付と書かれた窓口に向かう、高校生の兄と小学生の妹に

野太いゲスな声が掛かる。


「おいおい、ここは迷子センターじゃないぜ?。」


「「・・・きた~。」」


思わず、ハモってしまった、いやいいけど。

不安に怯える顔を声のした方に向ける幼い妹を演じてみた先には。


そのゲスな声のもとにふさわしい、三十路の無精髭が似合うおっつぁんが

テーブルの下で顔を床に押し付けられて、あらぬ方に身体を向けて寝ていました。

その頭を押さえつけるピンヒールの黒いロングブーツの持ち主が、こちらに手を振っています。


ぎこちなく、顔を正面に戻す私とライオネル。何してるのパイア?貴方外で待ってるって

言わなかったけ??。

窓口のたぶんギルドの職員のお姉さんも、眼が点になってるし・・・。


「あの手続きをお願いします、連絡きてますよね?。」


ライオネル君がそのイケメンのキャラの能力値限界点ともいえる微笑みで挑む。

いやなぜそんなことをする?意味分かんない。

ああそうか、生身の女で試したいんだな自分の実力を。


パイアのバックアップか、王宮からの伝言のおかげか無事登録を済ませたあと

私達二人はギルドの中庭に有る訓練場に来ていた、大きさは甲子園球場程かな

結構な広さだけれど・・・。


「通常はエントリークラス、つまりEクラススタートになるのですが、

それではこの国から出られませんからお二人の実力を見てからのクラス登録になります。」


なるほどごもっともです、というかEから始まるのかじゃあトップはAかそれともSか?。

ところで職業というか職種はライオネルが射手で私はメイジと表記されている。

ここでテストするのか~いいのかな?。

大ちゃんフルバージョン呼んでいいのかな?。

多分歩くと本部が崩れるな、うん全高100メートル強はあるしなぁあの子。

「全力出していいんですか?。」

「えっええ、どうぞ(笑)。」


私の相手はこのギルド在勤のAクラスということだ、では遠慮無く子供だと侮ってるからいかせてもらうー死ぬなよ?。


普通はギルド発注の討伐とか護衛、採取などの依頼をこなした実績でランク試験を受ける資格を得てからということだが、海軍と王室の保証付きということでいきなりの試験になった。

私の職業はメイジということで魔法を使える試験官が相手になったんだが、

これ馬鹿正直に魔法戦じゃないといけないのかなと思いながら説明を聞いてると、

戦士なんかだと寸止めとかできるけど魔法はそうはいかないだろうということで先端に大きな魔法石が付けられたネックレスをかけられた。

この魔具は回避できない魔法の場合これが自動的に作動するらしい、

安全に資格試験ができるように配慮されてるわけだな。


大ちゃんを呼ぶのは大人げないので(あっでも子供だからいいのかな)、スライム形態のミントを召喚し身体に纏わせる。

この広い中庭の訓練場の中央で10メートル程の距離で対面している。

まず、アイススパイクを時間差で発動するように仕掛けてから

「フレイムチャンバー」と唱えることもなく、試験官のいる位置にフレイムチャンバーを叩き込む、過去に詠唱した呪文は無詠唱で発動できるデタラメさが転生者クオリティw。


試験官が慌てて飛び下がりながら呪文を詠唱しようとしているので、ダッシュしてその直前に転移して顔面にパンチそしてお腹にキックするけどこれは効かない・・・10歳児の体重30キロ程では鍛え上げられた冒険者しかもAクラスには撫でられた程度のことだろう。


しかし下がった先には時差で発動したアイススパイクがあり試験官の背中を襲う。

すかさずバリアで弾き、こちらに攻撃するべくワンドを振りかざし電光が飛び出すがミントが吸収するのでダメージはない。


「メルトストーム」


こちらから見て右方向に異動する試験官の進行方向に、新たな魔法を発生させると同時に

ミントを試験官に向けて転移させる。


ミントが試験官の体を覆った時、淡い光がその身体を包みミントを弾き飛ばす。

ミントが一時的に帰還してこの場から消えてしまう。


・・・・・・・・あれ?。なんだあの光・・・・・・・・・・・・・・・・・・


淡く輝く光が収まった後、対魔法シールド(緊急避難用)に閉じこもってる試験官を他の職員さんに頼んで出してもらう。

出てきた試験官が腰が抜けて動けないので次の人が来るのを待つのかと聞いたところ

もういいらしい。


ライオネルの方は私の後だったのでBクラスの方だったようだが、なんなくクリアしたようだ。おめでとうございます無事B認定です。Aは無理・・・試験を行う人が帰っちゃったからね。たぶん私のせいで・・・・


ギルド本部長の部屋で直々にクラス認定をしてもらう。

私がA、ライオネルが暫定Bということで国外には出れるようだ。

あと何気に顔が引きつってる気がするが、まぁ気にしないでおこう大人のプライドとか

いう何かを潰したのかもしれない。


無事登録もクラス認定も貰ったし、装備を整えるべき店も聞いたから

外で待たしてる(はずの)ミントたちと合流して買い物しよう。

若干の支度金も乗らったしね


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