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第32話 「気まずい出会いに」

王様の持つ剣っていくらだろう?。

てか、謁見の時に帯剣してるんだろうか?。

護衛の立場からすると傍離れたくないだろうしね。


扉の先には先ほどの10倍ほどデカイ空間と2倍ほどの高さの天井に真っ赤な

絨毯が奥の玉座に向かって伸びていた。


「ようこそ、参られた。心待ちにしておりましたぞ。」


何か凄く気さくな人がいる・・・あれが国王か?そうなのか?

まぁ周りを囲む重鎮達は渋い顔の人が多いが、国王その人はとても朗らかで、

人当たりの良さそうな御仁だった。年の頃なら60位か?


「市長と軍の方から報告があったのに中々来られないから何か配下の者が粗相でもして早々に帰られたのかと危惧しておりましたのじゃ。」


そういいながら、こちらに近づいてくるのだが、それにつれて周辺の人々が動くので、

ひとかたまりの丘が動いてくるようだ。

その次の瞬間、件の王様が錫杖を一閃させて周囲の人々を凪払う。


「ええい、鬱陶しいわ。儂が客人と決めたのじゃ、控えよ!。」


おもわず、引いてしまうとミントがカヴァーして、カカオが前に出てジーナごと守る体制になると、


あら~凄い威厳?威圧だ、臣下の人たちがひざまづいたよ。

吹き飛ばされてるのにすぐ起きあがれるなんて凄いなぁ・・・。


「見よ、幼子が怯えておるわ。たわけが、帝国や大王の間者などではなかろう。

そうだとしても畏れるに足らぬわ。」


が、しかしーと国王 ラハミル・エル・ゾエルデ6世は感じていた。

一瞬だが彼女たちが守ろうとしたのは、先頭の着飾った長い黒髪と蒼い瞳の

女性ではなく、10歳ぐらいにしか見えない侍女の方だったと。


「我はゾエルデン王国の騎士。ラハミル・エル・ゾエルデ6世という、して公女殿はどなたかな?。」


うん、気が付かれたかもしれないな。しかたないよなぁ召喚主を守るのは

彼女らの本能だからな。あら、パイアはどこに行った?。


「これは?。」


思わず声があがる、それはそうだろう一瞬のうちに王妃の傍に剣を持った女が

現れおまけに部屋の入り口の兵士は床に伏してる。

それが客人を迎えて王が動き、護衛の騎士や大臣がまとわりついて移動したため

王がそれらを弾き飛ばした瞬間に起きたのだから。


ことの展開に面食らう王国の大臣や騎士たちと頭を抱える私。

動き早すぎだよ、パイアにヴァリアス。

パイアが前に出て王様の腰の剣を抜いて後方の玉座に移動するやいなや

最後尾にいたヴァリアスは後方に戻り入り口の両脇に立ち、

警備する重装甲騎士にボディブローを素手で叩き込み昏倒させている。


「やりすぎだよ・・・。」


思わずこぼれる言葉にライオネルが苦笑してる。


「パイア非礼を詫びて戻れ。」


あーもうばれてるし(たぶん)、プラン変更だ。


「ゾエルデ王、部下が失礼なまねをしでかし申し訳ない、

私の生命を最優先に守ることを死命としている者たちですので。」


「あっ・・いやこちらも驚かせてしまって、申し訳ござらん。それよりも

あなたが?。」


王様が見るのは妖艶な大人のジーナではなく、

その左(王様から見たら右)横に控える侍女の服装をした私の方だ。

必然大臣や護衛の騎士達の目も、その隙にパイアが戻ってきた、

剣は?玉座の前の床に突き刺さってるよ!!深々と!!!抜けるのかあれ?。


「ええ、私が本物になります。」


「やはり、そうでしたか。先ほどの動きでもしやと思っておりました。」


やっぱりばれてる、そしてまだ剣の方は見てない誰も。

王妃でさえ・・・っていうか王妃気を失ってるし。

パイアもヴァリアスも定位置でしらっとしてるし、こいつら


「・・・影武者ですか、そうですな見知らぬ国、敵かもしれぬ相手の懐深く

入る際には適切な処置ですな。ただこうもたやすくばれては~」


「はい、意味がありません。所詮子供の浅知恵というところです。」


王の言葉を受け取りつなぐ。


「いや、ばれてもどうとでもなる部下をお持ちであるから問題はないようですな。」

「あ・・・・いえ・・・。」


微妙な距離を保ったまま向き合い話す、爺と孫娘という風に

傍からは見えるんだろうか、などと思いつつこの後どうしようかと考えこんでしまう。

ともかく出会ってまだ1分も経ってないのに何なんだろうこの気まずい空気・・・

原因は・・・こっちかな?、いやでも相手の方にも問題はあるよな?。

えっとどうしよう、あっ私子供だしここは泣いてみるかな?。

なんて考えていると王様に弾き飛ばされた中のひとりが王様に進言する。


「陛下、ここではなんですし別室に席を設けてありますのでそちらに

移動していただけませんか?。」


うん、ナイスな提案だ。このまま立ち話もないだろうし。

そのまま王様を促しさらには私達を先導して別室に移動することになった。

あっけにとられている大臣らも、ぞろぞろと移動しようとすると王様が一言。


「まずは儂が話すから、皆はここで待て。」


こうして王様と機転の効いた男と私達だけでの会談となった。

それはいいんだけど・・・あの剣抜けるのかなぁ?。

弁償とか言われたら高そうだなぁ。

柄の先に高そうな宝石嵌ってるし



この比較的新しい国に地球へのゲートが有るはずもなく・・・。

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