第31話 「上陸」
帆船の構造って難しいね。ペンが止まったよ・・・
王宮ってどんなとこ?
船を下りたのは、私とジーナ、ライオネルとミントの4人?だ。
残りは船に残り警戒する、必要な場合船を放棄して合流することにした。
上陸する目的はこの世界の把握で歴史、国家、人種、文化レベル、
風習や習慣に産業や貧富などの構成比率など多岐にわたる。
当然4人でなんとかできる量ではないために、シャドーらゴーストや
ミストらが陰で情報収集にあたる手筈である。
カカオは海軍に侵入し中佐と入れ替わり軍の情報をさぐる。
「まず、聞くことは勇者が存在するか、魔王、魔神、邪神など人の
世界に仇なす者の存在があるかないかだな。」
[おもいっきり、定番な気もしますが?。]
すかさずつっこんでくる本さん、でもこれそういう話ですからね。
でも本に返しを入れたのはライオネルだった、彼は地球の日本からの
転移者だからな思いは同じだな。
「だな、でもそんな世界のはずだからな。」
「そうじゃなかったら?。」
「それはないな、それだとおまえさんや私がいる理由がない。」
海軍指し回しの馬車に揺られながら町並みを見つつ会話が続く。
町並みは白い壁に青い屋根といった作りで窓枠は揃えたように白い。
後で知ったのだがこれはこの国の初代王の発案でのちに制定されたそうだ。
どこかで聞いたような・・・
馬車は町の中央にある総督府にはいっていく。
総督に紹介されたあと、この国の立ち位置とか、この大陸のこと人種間の関連性
通貨や物価、奴隷や小作人、貴族、王族などに関して、
母国との差異がないか確認していく。
町中での魔法の使用、戦闘行為、窃盗や正義、モラルに宗教など
お互いにとって問題になりそうなものがないかすり合わせていく
地味な作業のため急遽ヴァリアスを呼び寄せた。細かい作業は彼の方が効率がよい。
所詮ジーナは公女という立場であり、細かいことまで彼女がする必要はないためである。
最後に総督から国王への推薦状をもらい(招待状?)王宮に訪問するということになったが、公女が航海のトラブルでそれに見合うドレスを紛失したから準備したいといい、
総督が仕立屋を紹介するということで町に出た。
仕立屋に向かい公女を初めダイちゃんを除く全員の服装を整えその仕立てに
2~3日は欲しいということをそのまま総督の代理人に伝えると
その間町の見学をすることになった。
残留組をその日のうちに呼び(船にはゴーレムであるダイちゃんが残るので心配はない。)仕立屋に向かわせる。
晩餐のあとの歓迎パーティで、カカオやミントがお持ち帰りの対象になり
何人かが彼女たちの中に消えてしまったが、まぁよくあることだろう?
私とヴァリアスはパーティには出ないはずなのだが、総督の計らいで
会場にいることはできたので、陰でいろいろ動くことになる。
部屋で本を読んでる方が色々楽なのだがしかたがない、
王宮のそれでは十分時間がとれるだろう。
翌日は町の中を見学に出かける組と残留し、街にある王立図書館で調べ物を
する組に分かれた。あくまでも我々は漂流しこの国に来てしまったのだから
帰る手がかりを探さなければならないという理由からだが、
[私をそれらしい普段あまり人が見ていないような本の側に置いて下さい。]
と本がいうものだから、それをするためでもあるが何をする気か聞いてみると、
それらしく我々の国を匂わす文章をつけくわえるのだそうだ。
「加筆できるのか?。」
[それぐらい出来なければ魔術書は名乗れません。]
変な自信だな、でも頼もしいというか役に立つというか特技かな?。
なんでも、近くの本の内容に干渉して書き加えることができるらしい。
凄いぞ本、流石魔術書!。いくら誉めても何も出ないのでやめておくことにする。
面白くないな・・・。
図書館にある本は手書きで書いたものを魔法で複写しているらしい、
ということは原書に手を加えないとバレるんじゃないか本さん。
さり気なく図書館員にその辺りを聞いてみると、表に出ている物の殆どが複写ものだが
見る人の少ないものは原書そのものらしい。
複写は手間がかかり高価になるので閲覧回数の少ないものまでは余裕がないそうだ。
首尾よく古い複写でない忘れられたような本を数冊見つけてその横に設置した、
ある程度の情報も得ることが出来た、我々が辿り着いたこの国がある大陸は
「ルカルシア」神が与えし土地という。
この大陸には大きな国が3つありその周辺に小さい国家が乱立しているようだ、
旧い本にはこの国すら載っていない独立したということか?。
この国「ゾエルデン王国」と山脈によって区切られた向こう側には
貿易国家「ナーモニィ共和国」がある。この両国に覆いかぶさるように内陸に
位置する国が「ルーラン大王国」先史時代からこの大陸に存在する人類の故国
今も人が多く住む、クファード大王が統治する。内陸の他の国と行き来する際には
陸路の場合必ず通らなければならないために、通行税や交易税を徴収される為に
ナーモニィもゾエルデンも海上貿易にシフトしたが、国力の差が大きいために
今も陸路交易を捨てきれていないようだ。
大陸の北方西部に版図を持つのが神聖王国「ブレナンズ」ここには人間よりも
長寿の種族が多くファンタジーお馴染みのエルフ、ドワーフを始めとした様々な
亜人類が共同で生活し、野蛮な人類に対する砦になっている。
最後が大陸東部に存在する新興国家「ポブラム帝国」、新興といっても「ゾエルデン王国」
「ナーモニィ共和国」よりも旧い時代からある。
構成民族には魔族も存在するし、「ブレナンズ」に加われなかったファンタジー種族が
多く身を寄せている。
ちなみにこの国の軍事力が大きいために辛うじて「ブレナンズ」と「ルーラン大王国」が
協力関係にあるらしい。
大きな大戦が過去に何回かあったようだが、その度に両国の領土が微減している。
旧く広大な国土を守り切れない時に小さい国ができているようだな。
準備が整ったので明日王宮に上がることになった。、
ちなみに昨夜遅く我々の国と昔取引をしていたかもしれないような情報が発見された。
偶然王立図書館員が旧い本を整理していて見つけたそうだ。
いや、それってカカオが化けた図書館員だけどね、本物は今この部屋の片隅でぐっすり
眠っている。
翌朝、滞在する総督府迎賓館に迎えの馬車が到着したので既に準備を整えていた
我々は馬車に乗り込み王都に向かう。
港湾都市「ノラーナ」から王都「ゾールス」までは、馬車で半日ほどかかった。
そこはかとなくお尻が痛い、座席のクッション自体は悪くないのかもしれないが、
街道が石畳だからか馬車の車輪や懸架装置が良くないのかもしれない。
王宮に入った後、謁見の間にでも通されるのかと思っていると
普通に広い部屋に通された、もっとも調度品とかは豪華だけれども、
それに天井高い、流石にフルサイズダイちゃんが入れるとはいわないが
天井まで5、いや10メートルはあるように思えるが、天井の掃除とか大変だろうな。
転生を重ねてはいるがこの辺りの感覚は庶民なんだよな。
これって何織りっていうのかな、ファブリックだよなぁ・・・とか思いながら
豪奢なソファーに座って待つこと小一時間、部屋のドアがノックされて
この部屋に案内してくれた侍女の人が入ってくる。
「準備が整いましたので、こちらにお出でいただけますか。」
まぁそうだよね、ここは控えの間というところか。
実は全員がここに来ている(ダイちゃんは除く)ので、
ジーナを真ん中に挟みながら移動する。
私の位置はジーナの左後方50センチ程か付き従う侍女と言う位置だが、
実はジーナの絶対防衛圏ないだったりする。
長い廊下を歩きながら少し気になったことがあるので、念話でパイアに聞いてみる。
[まさかとおもうけど、ばれないよな?]
[設定のことでしょうか?我々が某公国の人間ではないとか?。]
[そっちじゃなくて、変装というか擬態というか・・・]
[我々の正体の方でしたか、恐らく大丈夫かと思います。]
[でも、一応国王に会うわけだろう?神官とか結界とか・・・。]
[ふむ、ここは大丈夫ではないでしょうか、ミスト達の調査では高位な者は
いませんでしたし、それなりのからくりの類もありませんでしたから。]
成る程すでに調査済みということか、仕事早いな頼りになるな。
[私の選別した召還対象は仕事ができるもの限定ですから]
本が何か言ってる、そのくせパイアの同族は呼び出せないんだが。
さて一国の王がさして根拠の無い他人にそうも簡単に会うのだろうか?。
廊下の先に騎士が両サイドに控える入り口が見えた、あの先に待つのはなんだろう?。
いつも思うんだけど、ゲームなんかの王様って大胆だよね?
見ず知らずの冒険者に無防備に会うんだよ。
勇気があるね~。




