第25話 「とある部族で、」
皆様、風邪には気をつけましょう。
オプト・ロモは襲撃隊が一組戻ってこないことを危惧していた。
今の狩りの方法は新しい族長が考え出した画期的なものだったので、
今のところ失敗をしていない・・・ここ半年の間続く連勝方法でもあった。
思えば、それまでの古いやり方ではこちらの損耗も多くー
まぁ食い扶持は減るのだがその分働き手も減るという
ー万が一他の部族が攻めてくると抑えきれないという危険が伴う物だった。
確かに、シーワイバーンの飼育費はかかるが、これもいざというときには
大きな戦力になる。なんといっても空を移動して敵地の真上から攻撃ができるのだ。
だからこそ、族長の家に向かって歩みながらなんと報告するか考え込んでいたのだが。
予想以上の収穫で遅れるということは今までもないことはないが、
それにしても二日も遅れるはずはない。
事故か、それとも迎撃されたか?。
捜索隊か追撃隊を出すにしても族長の許可がいる。
そう考えていると族長の家の前に来ていた。
門の両サイドにいる警備兵に軽く会釈して中に入れてもらう。
「ロモ襲撃部隊長、アル・カングの部隊が戻らぬようだな。」
「はっ、そのことでまいりました。」
「撃退されたかな?。」
「わかりません、これまでになく遅れています。以前にも他の隊ですが、
遅れたことがあります、このときは収穫が多すぎてでしたが、
その一件以来遅れるときには伝令を出すようにと決めましたので。」
「なるほど、では戻ってきた部隊で捜索隊を編成し、必要であれば目標を追撃せよ。」
「はっ直ちに。」
「ああそれから、深追いはするなよ?。今日の復讐より明日の収穫が大事だぞ?。」
「善処します。」
族長の家を出て、部隊の本部に戻りながら編成を組んでいった。
にしても、とロモは思う。
今の族長は今までと違う以前の族長なら部族の名誉のためにといって、
男は全員が捜索隊に加わったものだし、相手がいたら弔い合戦だと言って
どこまでもこの広い海を追いかけたものだ。
この新しい族長は、前の族長の甥にあたるそうで習慣にしたがって
戦って交代したものだが、そこからが違った。
「かいかく」と称してどんどん新しいものが取り入れられた。
今の狩猟方法もその一環だし、居住区画や家族や子供に対することも変わっていった。
略奪しかできなかった我々に生産の重要性を示し、実践させた。
狩りの方法(襲撃の仕方)も今まででは思いつかなかった方法を教えてくれた。
まさかシーワイバーンを飼い慣らすして使うとは・・・。
部隊本部に戻り、各方面(といっても8部隊しかないが)の隊長を呼び出し
捜索隊を編成しなければ。
カングの部隊が対象のため残る部隊は7つ、ここの守りは別に守備隊があるから問題ないとして、今日すでに出て行った部隊が2つ、帰還予定の部隊が2つで残りは3つ。明日出て行く予定の2つと明後日カングの部隊と同じ日に出ることになっている1つか。
準備中の2人と休暇中の1人が呼び出されて到着するまでに訓練部隊の隊長にも声をかけておく。
「フォブ・ラカフ入ります。」
「マンサ・ドウナとキウヌ・ポウ入ります。」
「訓練大隊長、ウグラ・モド入る。」
たて続きに3人が入ってくる。
この集まり方も今の族長が決めた新しいものだ。
今思えば、昔はかなり適当だった気がする。こっちの方がピリッとしてて気分がいい。
「さて集まってもらったのは他でもない。未帰還のカングの部隊の件である。」
「「「・・・・・」」」
「族長の命令を伝える。ただちに捜索隊を編成し必要あれば追撃せよ。
ただし、深追いはしない。弔いはするが意味のない戦闘はさけよ、とのことだ。」
「カングの仇はとらなくて良いと、おっしゃるのか?。」
「そうだ、ラカフ隊長。」
「今から捜索したところで、事故でなければ相手なんていないだろうな。」
「うむ、いつどこで襲撃をかけたかにもよるが、返り討ちにあったとしたら痕跡が残ってればよいほうだろうて。」
「恐らくそうだろうなドウナ隊長。その場合どうやってやられたか、生存者はいないかを探すのも仕事だボウ隊長。」
「成る程、それでしたらうちで訓練してる者共がお役に立てるでしょう。」
「そのために来てもらったんだモド大隊長。冷静な者を選出してくれ、くれぐれも血の気の多いもの、血縁の者は外してくれ。」
「二次被害は困るということですな。」
「その通りだ。」
「ラカフ、ドウナ、ボウ隊長らは部隊から支障のない者を訓練生の指揮をとれる者と捜索や鑑定、調査系のスキルを持つ者を出してくれ。1時間後の出発を予定している。」
「「「「了解。」」」」
「では、諸君一時間後に港で会おう解散!。」
スマホとタブレットを同時に替えたりすると・・・
時間が取られますよね?。




