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第23話 「襲撃」

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

最新の召喚者が一撃で葬られた、その事実に戦慄するしかない。

何ページまであるかわからぬこの本の、それでも中程には近づいてるはずの者をだ。


しのげるか?。航空戦力のない現状では難しいかもしれない。

再召喚までの時間を考えると、それまで戦力が激減するかもしれないし、と待てよ相手はワイバーン 。こんな大洋の彼方に突然あらわれるものか?。

近くに陸は見えなかったよな?。どこから来たんだ、召喚か?だとしたら近くに船がいることになる。


[シーワイバーン:下半身が魚:かも知れません。]


成程よく見てなかったな、船長室のドアを開けて外に出る。

交互に襲撃してくる。連携する知能があるのか、仕込まれたのか?。

仕込まれたのだとしたら、上に気を取られているうちに接近してきている可能性が高いな、「カカオ」を素早く召喚して舷側を周回警護させる。


「ライオネル、相手に効いているか?。」


彼は慎重に狙い撃っていたが、降下してくる魔獣の皮膚には効いてないようだ。

所詮一兵卒が持つ自動小銃位では弾かれるだけということか。


「目眩ましくらいにしかならない、せめてスティンガー持ってくるんだった。」


ミントは船に及ぶ攻撃を受け止めているようだ。苦しそうだな・・・

パイアの姿が見えない、どこに行った、まさか堕ちたか?

そう思った時、船首側の海面から彼女が飛び上がり、今まさに飛び去ろうとした方の魔獣の後背に襲いかかった。彼女の髪の毛が濡れている、やはり一度堕ちたらしい。


左舷側から半魚人が上がってこようとしている、その身を甲冑に収めているけれど

その甲冑が半分溶けかかっているのは、カカオの攻撃を切り抜けてきたからか。

ローラィの顔がそちらに向けられて嫌悪の表情をしている。

大ちゃんが、その身を石の防壁と化して操舵輪の周りを覆う。


何処からは愚問か、しかしいつの間に、ローラィの姉妹達や海獣に気づかれずに

近づいたか。


「効くか?燃え尽きよ、フレイムチェンバー!」


我知らず口から攻撃魔法の呪文が漏れ、指差し示した対象の今まさに船べりを乗り越えようとしていた半魚人達に命中する。

半魚人達の動きが一瞬止まり、濡れている体が一気に燃え上がる炎でその全身が燃え上がる。


カカオからのイメージでは海中に大きな船があって、そこから奴らが続々と出てくるらしい。やはり空からの魔獣は陽動だったのか。

その魔獣だが、ミントからの報告では一匹に減ったし残った方もパイアに襲われてるので下に降りて来るという。

すでにライオネルもハルバートに持ち替えて舷側を這い上がる敵に対応していた。

しかし、しかし、いつの間にか船尾側から登って来た敵がこのとき私の後ろに来ていた。その影が足元に見えた時また口から言葉が漏れる。


「転移。」


船長室の上から私を襲おうとしていた半魚人をかわし、私は船首側のデッキの上に

空間転移して現れた。三度口から漏れるその攻撃呪文の言葉は、


「アイス・スパイク・ダンシング!」


船尾側船長室天蓋部分によじ登ってきていた半魚人達が、天空からの無数の氷の矛に刺し貫かれて凍りついていく。


[ずるくね?やっぱりイレギュラーだわ。]


本が何か言ってるが、気にしないことにしよう。

半魚人が凍りつくのはいいんだけど、後片付けする身にもなって欲しいなぁ。

敵は海中に船だっけか?


「ローラィ、海中に敵、操舵は大ちゃんに任せて姉妹とともに行って殲滅せよ!。」


「はい、賜りましたマスター。」


大ちゃんの作る石の防壁が崩れて人型となり、舵輪を握っていた輝くブロンドのロングヘアーの女性が、白いローブをはためかせて右舷側から海中へとダイブする。

しっかり途中でローブはライオネルに投げつけている。左手でそれを受け取り飛び込む白い女体を横目で見ながら右手の長剣を振るい半魚人の首を横薙ぎで払う。

素早くローブを巻き込んで懐に隠す、半魚人の血で汚すなど勿体無いとばかりに。


その直後に、空から襲ってきた魔獣を始末したパイアが降下してきた。

その腕にはリンクの切れたジーナが、抱かれていた。


「ミント、私の部屋に入れておけ。」


ミントがジーナの身体を包み込み運ぶ、パイアは再び飛翔し空から船に取り付く敵の排除にかかった。

その両手には既に新しい剣が握られていた。

彼女が船の周りを優雅に舞う度に船に取り付いていた敵の数が減っていく、もちろんその間も船上に上がることに成功した半魚人の戦士達には、私の魔法やライオネルの攻撃があたり、一体また一体と敵が減っていくそれも長くは続かなかった。


凍りついた半魚人を砕き、船上を清掃していると左舷側の海中から異形の船が浮かび上がり燃え上がった。

その周辺に群がるのはローラィとその姉妹達と使役する海獣達だった、傷ついているものも見える。

ミントやカカオも損傷している、ジーナは回復よりも再召喚の方が早いだろう。

ここは、再召喚しておくべきだがその時に襲われるとことだな。


「ライオネル、怪我はないか?。」


「ああ、大丈夫だ。」


ハルバートを回収し、長剣の血糊を拭いながら答えるライオネルは自分の装備や体の点検をしている。


「次があると思う?。」


「可能性は考えておくべきだな。」


「じゃあ、備えて。」


私はさらに甲板上を進み左舷側に近寄ると、ローラィに近づくように支持した。

近づいた彼女とその姉妹達に向けて両の手をかざすとまた口から呪文がでてくる。


「スクワィア・ヒーリング・サークル」


召喚した従者とその眷属を治癒回復する魔法が巻き起こり傷ついた彼女たちを癒やす。


[回復までするのか、やっぱり都合良すぎない?。]


でも勝手に口から出てくるんだよな、過去に回復職もやったことがあるんだろうな。

さっきの攻撃魔法も気がついたら口から出てたからなぁ便利といえばそうなんだけどね。


「ローラィは次の襲撃に備えて、そこに位置するように。」


ジーナ、カカオ、ミントの順に再召喚する。パイアと大ちゃんは再度の敵襲に備えて配置する。



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