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大将、聞いた? ―みんな見てる夢―  作者: 藤一


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変な夢 SNS 話題

その日の昼休み、いつもの弁当を開く前に、スマホを取り出した。

検索窓に「変な夢 SNS 話題」と打ち込む。指が止まることはなかった。ただ、結果はやはり何もヒットしなかった。関連するようなニュースも、まとめサイトも、SNSの投稿すらも、ひとつも出てこない。

試しに、検索ワードを変えてみる。「みんな 同じ夢 拡散」「夢 話題 埼玉」。何度打ち込んでも、結果は同じだった。

これだけ広まっている話が、どこにも痕跡を残していない。

弁当を食べ終えた頃、あの後輩がまた寄ってきた。

「先輩、この前の話、あれから何かわかりました?」

「いや、それがさ。ネットで調べても全然出てこないんだよ。SNSにも、ニュースにも」

「……ネットで、ですか?」

後輩は一瞬、きょとんとした顔をした。

「なんでネットに出てると思うんですか?」

「いや、だってこれだけ広まってる話だろ。誰かしら投稿しててもおかしくないじゃん」

「うーん……」

後輩は特に深く考えた様子もなく、首をかしげただけだった。まるで、そんな発想自体が奇妙だとでも言うように。

「別に、そういうのって、ネットに出るもんなんですかね」

軽い調子で言われたその一言が、妙に引っかかった。

自分にとっては当たり前だった。何か話題になっていれば、誰かが投稿する。投稿すれば、誰かが反応する。それがこの十年以上、当たり前に繰り返されてきた景色だったはずだ。

だが後輩の反応は、その前提そのものを共有していないように見えた。まるで、この話だけは最初から「ネットに出るもの」という枠の外にあるとでも言うような、そんな態度だった。

自分の方が、何かおかしなことを聞いているのだろうか。

そんな気さえしてきた。

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