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デッドエンドストーリー 〜不死の勇者の死物語〜  作者: ガブ
第五章 「追憶編」

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episode0.1「夢の話」

「ねぇ、アイン。大きくなったら何になりたい?」

「どうしたんだよ唐突に」


 この世界の果て、テーレの村。

 年端もいかない少年と少女が小さな丘の上で星を見上げながら言葉を交わしている。

 少女は満面の笑みを浮かべながら少年に未来の話をし、少年は月明かりに照らされた少女の顔を少し照れくさそうに横目で見ている。


「私はね、いつかたくさんの人を救える大人になりたいんだ」


 夢を語りながら夜空を見上げる少女の顔は希望に満ちている。


「たくさんってどのくらいだよ」


 少女が自分よりもだいぶ大人びて見えたことに少し不貞腐れた顔で少年は吐き捨てる。


「たくさんはたくさんだよ。百人、千人、一万人!」


 自分の夢が馬鹿にされたように感じた少女は立ち上がって腕を振りながら体全体で少年に説明する。


「人一人の力には限界があるんだ。そんなの無理だろ」


 少年は大人ぶった口調で少女を非難する。

 


「無理じゃないよ! それに私一人じゃないもん」

「え……まさか俺を巻き込む気か?」


 手を握りながらニタっと笑う少女に対し、少年は顔を引きつらせていく。

 少女はがっちりと少年の手を握りしめ、彼が首を縦に振るまで離す気はないらしい。


「だったら……」

「ん? 何?」


 観念した少年は何かを言おうとしたがその先が続かない。


「ねぇ何? 何?」

「なんでも無い」



 自分の本心を少女に語るのは小っ恥ずかしかった。ただそれだけの理由で少年は口を閉ざす。


「あ、逃げた!」


 するりと少女の手から抜け出した少年は逃げるようにして丘から飛び降り、後ろを振り返らずに自分の家へと駆けていく。


「アイン! また明日ねー! お休みー!」


 少女は少年の背中に手を振り続ける。

 答えは今夜聞かなくてもいい。二人は明日もその先もそのずっとずっと先もまた会えるのだから。




 それから二百年以上の時が過ぎアインはようやくその言葉の続きを口にする。


「だったら、お前の事は俺が救うよ」




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