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親友

「まったく、いつまでも変わらん奴だよ」

 大野が呟いた。

「……」

 その横顔を見据える葛城。

 大野の表情は穏やかだ。シュウに対し、馬鹿にするでもなくムカついた風でもない。かつて知ったる“親友”の横顔に思えた。

 そしてその表情が真顔を帯びる。

「湯田、悪いが会への“借り”はここまでだ」

 力強く言い放ちシャッターを潜り抜けた。


「な、なんだと!? 朝陽、葛城はまだ潰していないんだぜ!!」

 愕然と声を荒げる湯田だがその声は大野には届かない。無情にもシャッターが閉まりきったのだ。

「……まさかあいつ、逃げ出したのかよ?」

「最初からその気だったんだぜ。酷く覚めていたしよ、櫻井達をも裏切ってる」

 残された男達が騒ぎ出す。


「がははは!」

 その状況下、突然葛城が高笑いしだした。訳が分からず視線を向ける男達。

「大野の奴を騙してたつもりだろうが、てめぇらの方が利用されてたようだな。飛んだクソ共よ」


 あらぬ展開に茫然自失で佇む湯田。しかし徐々にその表情に笑みが浮かんでくる。

「ヒャッヒャッヒャッ! なーに言ってくれてんだよ誠ちゃーん!」

 やがて腹を抱え高笑いしだした。

「こっちは最初から大野と仲間ゴッコする気はねーんだよ! どの道シュウの馬鹿は切り離したんだ。大野などいなくてもてめーの相手は出来るんだ!」

 その眼前、葛城は仁王立ちで立ち尽くしてはいるが既にボロボロでいつもの覇気も窺えない。

「そうだよな。まだこの人数が残ってるんだし、シュウも居なくなった」

「所詮相手は手負いの獣。素手で俺らに敵う訳がねー」

 その台詞と葛城の姿に仲間達の戸惑いも薄れていく。


「さあ最後の仕上げと行くぜ! ここを葛城誠の墓場とするんだ!!」

 湯田が葛城を指さした__

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