エピローグ3
「よし、そろそろ次のゲームを始めるとするか。最初は俺からだ。見ていろよ」
一輝が力いっぱいに放ったボールは、その言葉とは裏腹に、見事に右側のガターに落ちた。
それを見ていた僕は、雄大と顔を合わせてクスクスと笑う。
「なんだよ。翔太も雄大も、そんなに笑うなよ。恥ずかしいじゃないか」
むきになってそう言った一輝も、一緒になって笑う。
なんだか、居心地のいい時間だった。いつまでも、こんな時間が続けばいいと願った。
僕は、ほんの少し目を閉じて、自分の胸に手を当てた。脈々と体の中に流れる熱いものを、掌に感じた。
僕たちの青春は、まだ始まったばかり。慣れ親しんだ仲間とともに、これからも僕たちは前を向いて歩いて行く。
「次は、翔太の番だよ」
「おっ、翔太、次こそはストライクだぞ。翔太の底力を見せてやれ」
二人の声に、ふと我に返る。大きく深呼吸をして、ボールを持ってレーンの前に立った。
「さぁ、行こう」
そう、声に出すと、僕は明るい未来に向かって、ボールを放った。
(原稿用紙換算94枚 32637字)
☆本作品はフィクションであり、実在の人物とは一切関係がありません。
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