第19話 「アルプスの少女ハイジ」の故郷
Swiss Alpine Marathon9日前、ついにスイスにやってきました。
スイスに入った途端、生活費が跳ね上がる。宿泊費も食事代もはるかに高い。宿泊費は1.5倍である。
列車がチューリッヒに到着する直前に、車窓から ”KUONI” の文字がビルの屋上に見えた。これは!と思い昼食後すぐ行ってみたが、訪問予定のKUONI社とは関係なさそうだ。
今回の旅のメインであるマラソンは三井ナンチャラ(商船三井グループ)傘下のM.O.ツーリストに、手配の全てを依頼している。当初はJungfrau Marathon だけの予定だったのであるが、先方担当者のアドバイスにより急遽、Swiss Alpine Marathon にも出場する事になっている。
現地での手配はツアーオペレーターである KUONI 社に依頼しており、明日訪問する事になっている。確認の電話を入れておこうとしたが、どういう訳かテレフォンカードが読みこまれない。それではと、1日早いが直接行ってみる事にする。観光案内所で教えられた路面電車を乗り継いで、もたつきながら行き着いた。
有難い事に、受付の女性が日本人女性を呼んでくれた。現地までの交通費が無料になるティケットの説明もあったりで、英語ならかなり苦戦した。予定より1日早く、チューリッヒの要件が片付いたので、明日はマイエンフェルトに向う事にしよう。
無事、KUONI 社より Swiss Alpine Marathon のナンバーカード引換券を入手した事により、いよいよという気になってきた。
翌朝、「アルプスの少女ハイジ」の故郷へやってきた。マイエンフェルトである。
スイスでもまた、雨のお出迎え。”Et tu,Brute!(ブルータスよ、お前もか!)" である。
観光案内所でホテルリストとガイドブックを入手した。最初に訪ねたホテルは留守のようだったが、隣の日本語案内のあるホテルに落ち着いた。何とシングルルームが40スイスフランの安さ。日本円で2800円ぐらいである。しかし、部屋に案内されて納得がいった。天井が斜めになっている。屋根裏部屋のようで、超シンプル。
いつものように、
”Cheaper Room, please."
と言ったのであるが、我が風体がみすぼらしく見えたのであろう。
単に
"Single Room, please."
と言うべきだったか。
それでも、ベッドは良く、部屋も清潔であった。
昼食後早速傘をさして、ハイジ の道(1時間半コース)を歩いてみた。なかなかメルヘンティックなコースである。ブドウ畑が多い。思っていたより日本人旅行者が多い。ペアも団体さんも である。
1時間半コースを3時間余りかけてゆっくり楽しんだ。「ハイジの家」の土産物屋の若い女性は日本語も話す。学生時代に広島に9か月ホームステイしたそうだ。
夕方、雨が上がったので走ってみた。適度なアップダウンがあり、町中、牧場沿い、森の車道と走ったが気持ちの良いコースだった。
翌朝、目覚めた時には雨はまだ降っていた。今日も又、ブルータスかと思っていたら、朝食中に陽がさしてきた。
7月21日、土曜日。海外初レースの1週間前である。
期待通り、ハイジの道(4時間半コース)は素敵なコースだった。森の道あり、牧草地あり、山あり、谷あり、眺め良し。「アルプスの少女ハイジ」の物語に登場する場所の説明版も随所にある。
目立ったのは、最初に「ハイジの泉」。原作者のヨハンナ・シュピリを記念して、ハイジのレリーフが彫られた小さな泉である。
次に、「ハイジの家」。特に物語に登場してはいないと思うが、その時代の古い農具などが適当に展示されている。古い民家のような感じだ。
最後はゴール地点のアルプ小屋。ハイジがおじいさん(アルプ老人)と暮らしていた小屋。質素な山小屋である。
このアルプ小屋で案内をしているご老人は、前日私がジョギングしているのを見かけたそうだ。そう言えば、「ハイジの家」近くを走っていた時、牧草地で話をしていた3人連れの1人のような気がする。




