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第16話 オーバーグルグルにさよなら、セルデンへ

 オーバーグルグル3日目はハイキングは止め、トレーニングに専念する。一昨日走ったホッホグルグルへのコースを更に延長して走ってみる。2度目で慣れたとみえ、一昨日より脚は動く。バイク・トレーニングの人には偶にすれ違うがランナーには殆ど会わない。車の人はみんな変な眼で見ていくが、別に気にしない。


 オーバーグルグルから、ホッホグルグルとウンターグルグルの分岐点まで2km。そこからホッホグルグル方面を取り、急な上りを4kmでトールゲートに到着した。ここからウンターグルグルが良く見える。一休みした後、更に進むと俄かに空模様が怪しくなってきた。風が強くなり、空は雲に覆われ真冬並みの冷たさだ。更に3.5kmほど走ったところでハイキング中のカップルに会ったので少し話をしたが、彼等はホッホグルグルには行かないそうだ。カップルの判断を尊重して私も引き返す事にした。トールゲートに戻ると、天気は回復していた。


 一度ホテルに戻り、午後から再アタックする。午前中が19km、午後は15km。目標は40kmだったが、最後は脚にきて34kmで終わった。こんな事であと17日に迫ってきたSwiss Alpine Marathon を走れるだろうか。

 でも、最近では今日が一番走れたような気がする。



 翌朝、4日間滞在した20年ぶりのオーバーグルグルに別れを告げる。バス乗り場に向かう途中、日本人団体10人ほどが山に向かっているのを見かけた。殆どが年配の人である。チロルの山は冬季にはスキー場になるので夏季でもリフトやゴンドラが利用でき、年配者には好都合のようである。まあ私には関係ない。


 オーバーグルグルからバスで30分のセルデンにやって来た。先日のエッツタールからオーバーグルグルへのバスの中で会った年配の日本人が下車した町である。あの御仁に会わなければ、この町に降り立つ事はなかったであろう。

 オーバーグルグルよりずっと大きな町である。いや、街と言うべきかもしれない。下車すると、すぐ眼の前の川の対岸に立派なホテルが建っている。観光案内所で入手したホテルリストでチェックを入れてみたらかなり安い。ラッキーである。3拍する事にしよう。

 そのホテルでは、マスター以外誰も英語を話さない。受付窓口でも、奥様が電話でマスターを呼び出し、電話で宿泊決定であった。それにしても、なかなか良い部屋である。久しぶりにバスにありついた。ヴェランダも付いていて山頂が眺められる。


 今日はひたすら歩いてみた。街の外観を楽しむのと、明日のハイキングおよびランニングコースの研究の為に。マスターの意見を取り入れて、ロープウェイ・中間駅まではランニング、それからハイキングを楽しみながら下山する事にしよう。


 セルデン、2日目。

 予定より少し遅れて、ホテルを10時頃スタート。流石に、こんな山道を走って上るヤツはいない。車道を走ったり、歩いたりして1時間ほどで中間駅の近くにあるガイスラック・アルム (Gaislachalm) に到着した。まだ空腹ではなかったが場所の確認もしたかったので、レストランに入った。名物でもあるクネーデルスープを注文する。スープは美味しいが肉団子はイマイチかな。


 ここから中間駅までのコースは見事なまでのお花畑で、とても走る気にはなれず存分にハイキングを楽しんだ。しかし、山は山である。良かったのはここまでで、中間駅のレストランで再度、スープとコーヒーを味わっていたら、又しても雨が降り始めた。

 さあこれからが本気のハイキングの予定が一瞬にしてアウト。ロープウェイで下山も考えたが、アルパインマラソンまでの日数を考え、ランニングにする。下山開始してまもなく、今朝街で会った日本人女性に再会した。彼女は頂上を目指していたが、雨で引き返してきたそうである。


 その後まもなく、セルデンとホッホセルデンの分岐点に到着した。ホッホセルデンまで4km なので、行ってみる事にする。しかし、2km 走った所でガスが強くなってきたので、残念ながら引き返す事にした。

 楽しくもあったが、結構ハードな一日だった。

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