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いろんな(メディア的な)ジャンルに想いを馳せて 『着流し奉行』(チョーうろ覚えのクセにネタバラシます)

 さて……『心が、キャラが、解決する物語』が好きと言うボクの“原点”的な衝撃は……って振り返って、思い浮かんだ作品。


 かなりのうろ覚えで、あらすじも間違いがいろいろ(と言うか、かなり)あるとは思うのですが、ちょっとネタバラシ的に紹介します。

 だって、3回も映像化されてるんですもの。



 ある藩に風紀が悪すぎて治外法権的になってる一画があり、その地の奉行に主人公は着任します。


 ちょっと遊び人風の、自由でいい加減な主人公。

 今まで役職に就いたこともなく、藩の偉い役職に就いている親友や、恋女房は、「出世の糸口だ」と主人公のやる気を煽ります。


 しかし、本人は出世に興味は無く、出勤もせずにゴロゴロ。

 恋女房の怒りにスタコラサッサと逃げ出し、浪人風の姿で町に遊びに出掛けます。



 で、町でもめ事に首を突っ込んだり、巻き込まれたりすると、やたらに腕が立つ。

 立って、どうするかというと、相手を酒に誘ってバカ話で盛り上がって、悪い奴らの友だちがたくさんできちゃう(笑)

 ついでに、町を牛耳る3つの悪党一家の頭たちとも仲よくなっちゃう(笑)



 藩には“剣士隊”を名乗り、藩の上部の腐敗に憤り、行動を起こそうとする若者たちがいます。

 で、彼らとも「まあまあ、おめェたちの言うこともわかるけどさぁ」と仲良くなっちゃう(笑)



 で、理由はわからないけど主人公を亡きものにしようという企てもあるんだけど、これも、剣士隊を巻き込んで腕っぷしで乗りきっちゃう(笑)



 で、主人公は行動を起こすんです。


 3人の頭の1人の屋敷に、3人集めて正装で奉行として誓文書を差し出すんです。


 藩として、町の風紀を正したいので、『1年(1ヶ月だったかな?)の間、この町を離れる』という誓文書に署名してほしい、と。



 頭の1人がうかがうように言うんです。


「旦那……。

 この誓文書、アッシたちが名を書いたら、勝手に1年を3年、いや、5年や10年と文を書きかえるつもりなんじゃないですかい?」


 主人公、ピョンと飛びのくように退がり両手を着くと、吼えるように言いきります。


「その通りだぁぁぁぁ!

 すまねぇぇぇぇ!」


 唖然とする頭たち。

 主人公は畳み掛けます。


「この町は、このままじゃいけねぇ。

 この町を変えるには、おめェたちにこの町から手を退いてもらわなくちゃ困るんだよっ。

 頼むぅゥゥゥゥッ!!」



 1拍の沈黙の後、頭たちは苦笑、そして大笑いに変わります。


「いや、あのね、旦那が、お上の威光だ力ずくだって言うんなら、アッシたちだって、渡世人の意地があります。

 一家皆殺しの目にあってでも、死にもの狂いで刃向かいますよ。

 それを、旦那、あんた、真正面からペテンに掛けにきて、見抜いたらあっさりと認めて、「すまない、頼む」と土下座されたんじゃ、もう、もう、かなわねェよぉ」

 楽しそうに笑い、誓うです。

「わかりましたよ、旦那。

 アッシたちは、この町から出て行きましょう」


 で、急に声をひそめて言います。

「でもね、旦那……」




 人気ひとけの無い草原の道を歩く、主人公と親友。

 主人公は言います。


「頭たちが言うんだよ、自分たちが手を退いても、町は変わらないって。

 自分たちの後釜あとがまは、すぐに現れる。

 自分たちは、藩のえれぇヤツが私腹を肥やすための道具なんだからって……」


 親友は聴きます。

「その、黒幕の名は訊いたのか?」


 主人公は、つまらなそうに言います。

「訊いたよ」


 親友は、

「そうか……、訊いたか……」

と言うと、スタスタスタスタ早足で歩き出すんです。


 慌てて主人公は親友の背中に叫ぶんです。

「おい、いいのか!

 オレを斬る機会は今しか無ぇんだぞ!

 置いてってちまっていいのかよォ!!」



 親友は、屋敷に帰ると切腹。

 ただし、病による急死と報告し、家督は息子に引き継がれます。

 自分の真の姿を友に知られて、生きていく気を失くしたのでしょう。


 町の風紀を変える取り組みが始まりますが、指揮を執るのは主人公ではありません。

 主人公は、1日も奉行所に出勤しなかった怠慢の罰で、役職を解かれたのです。



 何も真実を知らない奉行所の記録係は、そのことを日誌に記します。

『まったく、今回のお奉行は……』と。




 以上、いい加減な記憶と、思い出の美化で、かなり内容の正確さには自信がありません。




 原作は、時代小説『町奉行日記』。


 面白かった記憶は朧気おぼろげにありますが、ボク的にはかなり淡白。


 ボクの知る限りでは、

 仲代達矢さんドラマ『着流し奉行』

 渡辺謙さんドラマ『町奉行日記』

 役所広司さん映画『どら平太』

と映像化。


 で、この『着流し奉行』が強烈だったんです。



 だって、このストーリー、もうファンタジーでしょ?

 あり得ないでしょ?


 でもね、仲代達矢さんの演技が、自由気ままで、飄々としてて、可愛げがあって、豪快で、でも奥に凄みを感じて、「この人ならあり得るかも?」って思わせるんですよ。


 幼い頃に、再放送で視ました。

 それまでのボクが知る時代劇は『水戸黄門』で、『遠山の金さん』で、『必殺仕事人』で、時代劇ってそーゆーものって意識しかなかったんですよ。


 それが、このストーリーでしょ?


 で、仲代達矢さんの演技……。



 ボクが『心が、キャラが、解決する物語』を心の中に1ジャンルとして刻みつけたって、おかしくないと思うんですよ。



 思い出を美化し過ぎちゃってるかなぁ……。

 ボク的には、もう1度視たいような、そうでなく思い出にだけ浸りたいような、そんな作品なんです。


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