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2話 2年前

2年前…正式には2年と8ヶ月前の12月。


オフィスミナミのタレントに麻薬が蔓延しているという疑惑を週刊誌に報じられた。


まさか。あり得ない。

うちは大手だぞ?人の目だって行き届いている。1人ならまだしも何人も…。しかも、看板タレントばかりじゃないか。笑える。こんな根も葉もないゴシップなんてすぐに熱りが冷めるだろう。


社員は勿論、僕も初めはそう安心しきっていた。


たが、実際は…違った。

麻薬疑惑報道を皮切りに次々と明かされる美波社長の不祥事。そしてそのバッシングの矛先はさも当たり前かのように社長の息子である徹平と彼が所属するイグレシアにも向けられた。

今度はイグレシアに纏わる根拠もないバカげたデマを週刊誌はまるで真実かのように取り上げ、世間は騒いだ。栄光を掴むはずだったイグレシアという名は瞬く間に悪名の象徴となっていき、年末のスケジュールも全てキャンセル。


本当に麻薬が蔓延していたのか?

本当に社長は暴力団に献金していたのか?

何が真実なのかを知らされる事なく、ただ耐え抜く事しかできないまま時間は過ぎていき…


そして

事件は起きた。

僕が社長と徹平を送り届けたあの時…

社長は自らの親友であり、我が事務所の大御所俳優でもある


東雲博史を


刺殺した。


裁判を通して東雲さんが麻薬蔓延の黒幕であった事、長きに渡り、社長が東雲さんと結託した暴力団に揺さぶられ、お金を渡していた事は分かった。


それでも

社長が

徹平の母が

人を殺したのは事実だ。




次回予告

3話 同じ

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