第七話「ねるな!」
すやすやと眠る幼い赤子がいる。
子供は寝るのが仕事だ。
元気に育ってほしい。
「≪風よ、静寂の盾を、ささやかな守り、をこの幼子に≫」
防音と簡単な守りの魔法を幼い彼女の回りに展開する。ゆっくりおやすみ。
さて・・・
気で肺機能を強化する。すうぅぅぅぅ!
「寝るな!!」
「「「ヒギャーー!!」」」
うん、三人ほど飛び起きたな。
あとは・・・。
聖剣の柄に手をかける。
・・・殺気をのせて。
びくっ!
うん、戦闘要員は声ぐらいじゃ起きない。
そんなときは条件反射だ。殺気とかには敏感なんだよね。
だからさ、槍とか魔法とかこっち向けるのやめてね。
≪殺気を込めて私を握らないでくださいね。びっくりしました。≫
ああ、すんません。
うん、仕切り直し。
「さて、みんなに今回集まってもらったのは帝都での異変を経てわかったことがあるからだ。」
俺は帝都での戦闘、ナイアルトのことやヤツの言っていた白痴の王とやらのことを話す。
「ふむ、ナイアルトとやらの実力はどうだった?俺でも対処できそうか?」
「ブラドとは単純に相性が悪い。魔法と武技の両方が得意な人材じゃないと対処が難しそうだった。」
「私はギリギリ対処できそうだね?」
「ディアナばぁさんは杭に気を付けてくれ。魔法防御とか普通に無効化された。受け止めるにも相応の物理防御力を求められそうだ。」
直接的な脅威としてナイアルトは実はけっこう危ない。
今回は俺がいたがそうでないなら対応出来るかどうかわからない。
「我は゛白痴の王゛と言うのが気になったの。エルフとして長く詩歌に携わってきたが聞いたことがない。それに自らの主を白痴などと貶めるのも謎だ。」
「わからないことだらけだね?僕は鍛冶師として杭の素材に興味が湧いたよ。」
「魔族の領域では世界改変なんて日常茶飯事だからな。いつナイアルトとその仲間と遭遇してもおかしくないかもしれない。情報はありがたいな。」
全員が事態の深刻さを理解ししっかりと聞いてくれる。
このメンバーを呼んだのは情報伝達がはやいからだ。異界からの侵略者の情報は早めに広めないとまずいからな。
「さて、件の功労者を紹介しようと思う。出てきてくれ。」
すう、とまるで幽霊のように半透明な影が徐々に実体化して最後にアルディーネの姿が現れた。
「紹介しようと、名高き至高の七剣が一振り、聖剣エクスカリバーの化身、アルディーネだ。」
「ご紹介に預かりましたアルディーネです。好きなものは彫刻、石材から木材、琥珀、金属なんでも加工できます。嫌いなものは戦闘です。」
おお、と言う声と共に拍手。
確かになかなか神秘的な登場だった。
そして剣にしてはずいぶんと人間味のある自己紹介だった。
「帝都をミルディアの聖力で満たして世界改変を押し返した。聖剣がなければ世界規模で影響が広がっていただろう。」
ふむ、つかみはよさそうだ。




