第二話「事務・設計は絶望的」
ダメだ。このままじゃダメだ。
俺は破滅する。
「次だよ!早く紙持ってきな!」
俺の目の前の机ですさまじい速度で建物の図面が描き上がっていく。メチャメチャ早い。
おっとり名乗ってなかったな。帝都の復興委員会の事務方を統括するエベニー・ボランジェこれでも伯爵家の次男で将来は帝城の内勤が決まっている。家督は継げないが国政に関わる仕事が出来るのは誇らしい。
そんな俺だが今ピンチを迎えている。
なんと大賢者様が復興事業に手を貸してくださるのだ。初めは資金援助でもしてくれるのかな?と思ってた。してくれたよ?でもねそれだけじゃなかった!設計やってくれるんだって!
天才肌の人間は協調性がないからどうなるかと思ったけどそこは問題なかった。メチャメチャ分かりやすい図面だ。問題はしごとの速度だ。
遅い?馬鹿言え!早すぎだ!もうすぐ復興のための図面描き上がるぞ!都市計画立て終わるわ!
ちゃんと予算ぴったり。着服したら丸わかり。
パチパチパチパチパチパチ
ああ、もうひとつの悩みの種だよ。
この人賢者様の連れてきた美人さん。
今会計してくれてるんだけど速度がヤバイ。
そろばんなる謎の計算機を使って計算してるんだけど指が見えない。
右も左も同時に別々のことしてる。
「来期の計算終わりました~」
やめて、予算見積もりを作ってくれるのはありがたいけど帝城の文官が総出で4ヶ月かけてやる仕事を一日で片付けるのやめて。
おっとりした声で終わったと告げられると死刑宣告にしか聞こえなくなってきた。
決済が。判子が間に合わないからやめて!責任者私なの!ほんとやめて。
今回は帝都の内部でモンスターパニックが起きるという異例の事態だったがなんとか乗りきった!なのに酷い。私にとっては事後処理とその手伝いが悩みの種だよ。
私はこれでも即戦力として帝城での仕事を期待されている文官候補だ。
たから解る。辛うじて。
この人たちがいなくなった後私は一人でこの書類の山に埋めれるのだ。
もう二週間が経過した。あと二週間弱。だめだ彼女たちがいる間に少しでも仕事を片付けないと!
「うおおおおおおおお!」
「おお、いい気合さね。どんどん行くよ!」
「頑張りましょ~。」
うおおおおおおおお、これ以上張り切らないで~




