第一話「復興は順調だぞ?」
俺はドボルグ、帝都復興の為に雇われた職人たちの現場監督だ。
「木材の加工終わりました!」
「よし組み立てにはいれ!」
「コンクリート固まりました!」
「よし建て始めろ!」
「食事の準備出来ました!」
「交代で取らせろ!」
今日も大忙しだ・・・・隣の旦那が。
「ブラド総監督。工事の進捗状況を報告に来やした。」
「聞こう。」
現場にいる間はヘルメットは絶対被ってる。
決してかっこいい格好ではないのにまるで大物貴族と相対しているような迫力がある。
「北の水路は無事でした。点検を行いましたが問題なく使えるということでした。魔法使いが動員できたので時間のかかる作業もかなり早く片付いてやす。」
「そうか。足場の悪い現場が多いが怪我人はいないか?」
「問題ありやせん。」
「よし、この分なら寒くなる前にはある程度形になるだろうご苦労だった。お前も休憩時間にはしっかり休め。」
「ありがとうございやす。」
最初は目がめっちゃこわかった。でも仕事が始まると指示が的確でアクシデントにも対応が早く何より部下思いだ。カリスマのカタマリのような御人だ。一ヶ月だけの契約でその後は俺が引き継ぐことになっているが出来れば復興が終わるまでいてほしい。まぁ旦那にも都合があるのだろう。
「現場監督!こっちの広場の瓦礫片付きました。」
「おう!アーサー、飯ができたらしいから先に上がんな。午後は中央広場の石畳だ。」
「わかりました~!お先です!」
総監督と同じ時期に来たアーサーもいい仕事をする。体力があるし力持ちだ。てか、化け物だ。十人分ぐらい働く。多少大ぐらいだが働きに見あった量だ。そう言えばあいつも一月契約だったな。
出来れば復興が終わるまでいてほしい。
切実に。
「現場監督、こちらの彫刻はこれでいいでしょうか?」
「おっおう。見せてくれ。」
今度は俺の娘ぐらいの少女が俺に話しかけてきた。
名前はアルディーネ。
俺はアル嬢ちゃんとか嬢ちゃんと呼んでいる。
「こちらの噴水のレリーフです。」
「ああ、なんも問題ねえ。最高の出来だ。」
世辞でも何でもない。天才だ。本職は芸術家だとか言われた方がしっくり来る。
アーサーの連れらしい。
復興が始まってからむこうほとんど休みなしで街の中の彫刻を直し続けてる。
「そろそろ休みなアル嬢ちゃん、疲れてるだろ?」
「・・・そうですね、では失礼します。」
うん、アーサーの連れだからヤツと一緒で一月契約だ。出来ると復興が終わっても残ってほしい。腕のいい彫刻師なんて滅多に見つかれもんじゃない。
ああ、復興は順調だ。ブラドの旦那が綿密な計画を立ててくれた。引き継ぎもしっかりやってもらってるから契約が終了してもなんとか俺だけで回していける。
アーサーは最高の遊撃手だ。手が足りない現場に送れば大抵のことは人並み以上にこなしてくれる。てか総監督はそこも見越して普通のヤツなら十回は過労死してる量の仕事を振ってる。
アル嬢ちゃんの作業はもうすぐ終わるらしい。
腕が良く仕事が早い彫刻師だ。誰でも欲しがるだろう。
うん、なんで全員一月契約なんだ!




