第十二話「聖なる祈り」
≪まったく。この責任は取ってもらいますならね。≫
うん。例え剣でも女性は女性。怒らせるのは避けよう。
「はい。」
「あらら、アーサー君。責任をあんまり軽く請け負っちゃダメよ?」
さて、このふんわりした感じの女性は俺の仲間でミルディア・マグダラさん。
星光教会で光の聖女とか呼ばれてた人だ。
とある事情で途方にくれていたところを助けることになり、そのまま流れで俺の作った組織で働いてもらっている。
ちょっとおっとりしているところはあるがなかなか多方面で優秀な人だ。
ちなみにブラドに気があるみたいだ。
よく娘さんを任している。
あいつも丸なったな~。
「こんな埃っぽいところですいません。」
「いいえ、その姿を見れば話かるわ。激戦だったみたいね?」
「まぁいつも通りです。」
≪その人が聖力の使い手ですか。≫
「ああ、多分今の世界で一二を争う使い手だと思う。ちょうど人材として浮いてたんでヘッドハンティングしてみた。」
「あの時はこっちも助かったよ。」
≪確かにすごい力を感じます。相性は・・・若干悪いみたいですね?刀剣の扱いに覚えはありますか?≫
「あら?そういうところが大事なのね。ごめんなさい、昔から身体を動かすのはあまり得意じゃなくて剣も護身術程度しか出来ないの。」
「無理そうか?」
≪いえ、あくまでも所有者の適性という意味合いです。今回のケースでは能力的に問題ありません。世界のためです、よろしくお願いしますね。≫
「は~い。」
≪ちょっとノリが軽いかたですね。≫
「おっとりしてるのが彼女の魅力だ。」
ミルディアが聖剣に手を触れる。
「どうでもいいけど格好どうにかならなかったのか?」
≪確かにちょっと神聖な儀式的なことを行う格好じゃないですね?≫
「あら?私の勝負服よ?」
うん、ちょっとセンスがずれてる。流石に村娘の格好で聖剣を持つと違和感が強い。
≪持てますか。≫
「うっ、ちょっと・・・重いかも。」
「地面に刺したままで行きましょう。流石に転んで聖剣で怪我をしたら命にかかわります。」
≪そうですね事故で怪我をされても困ります。刺したままで結構です。≫
「残念~。ちょっと構えてみたかったんだけど。」
そう言うと彼女は剣の柄を持ち祈るように肩膝をついた。
空気がガラリと変わる。
そして変化はすぐに現れた。
≪すごい。≫
確かにすごい。感知するのが難しいはずの聖力が彼女を中心に広がっていくのがハッキリと解る。
≪行けます。世界改変押し返せています。これなら!≫
『させん!』
「いや?させねーよ?」
突如虚空からナイアルトが出て来たが押し返してみた。
こんな聖力の満ちた空間で強引に発動した空間転移とか妨害されて当然だからな?
『ヌオオオオオ。』
うっさい!仮面にケンカキック!からの空間補正、さらに聖力で結界強化。これでよし。
「まだかかりそうか?」
≪なんかスッゴい片手までナイアルトを追い返しましたね。≫
「俺相手にあんなあわてて出てきたらそりゃ隙の一つも出来るわ」
俺の目の黒いうちはこの世界は簡単には渡さん。




