第十一話「私たちのリーダー」
私はミルディア・マグダラ。神に使える巫女です。ええ巫女です。聖女じゃありません。天使でもなければましてや女神でもありません。巫女です。
失礼、取り乱しました。
ごほん、偉大なる創造神に使える敬虔な巫女であり元々は星光教会の所属だったのてすが辞めました。
上層部が各国の貴族と癒着し組織の腐敗があまりにもひどく戦争のための広告塔にされてあげくのはてに・・・。
いえやめましょう。娘が一人います。それだけです。可愛いですよ?父親がわからないだけで。
ぐすん。
今はある組織に所属しています。
そこで専属巫女兼宗教関係のアドバイザーのようなことをやっています。子育てしながらでもなんとかやっていけますしお給料も出ます。
ちょっとメンバーが独特ですがいい職場です。
「ああ、わかったよ。ミルディア、ちょっとアーサーの坊やがあんたを指名してるみたいだ。聖力がらみの案件みたいだから行って助けてやってくれないかい。」
今私に話しかけたのが大賢者ディアナ様です。
ちょっと気難しいところがありますが娘の面倒をよく見てくれます。いい人です。
「はい、わかりました。転移魔法ですか?出張手当は半額でしたね。」
「やれやれやっと経済観念が身に付いてきたと思ったら今度は守銭奴みたいになっちまったね。」
「マリアはブラドさんが見てくれてますからそのままお願いしてきますね。」
「そうしとくれ最近あの子も大きくなったからね。私は抱っこすると腰にくるんだよ。」
「は~い。」
「まだちょっと子供っぽいね。そろそろいい年なんだしゃんとしな。」
シャボン。ドーセ箱入りですよ~だ。
拠点にしていた天幕から外に出た。
ブラドさんはマリアの入ったバスケットを抱きながら近くの木陰に座っていた。
顔は口の回りから顎まで無精髭の三白眼。
初めて会ったときはあまりにも強面なのでびっくりしてしまった。
「ブラドさん、すいません。アーサー君が呼んでるみたいなので行ってきますね。マリアをお願いします。」
「わかった、気をつけろ。ヤツのいるところはいつも戦いの火中だ。周囲に気を配れ。」
私を真っ直ぐに見るのは赤い瞳だ。
昔はとある国の貴族様だったみたいだけど罪を擦り付けられて牢獄にいた所をアーサー君に助けられたんだって。
「あうあつ。」
「あら、起きちゃったのね。」
私はマリアの頭を撫でる。可愛いな~。
「マリアは任せろ。必ず守る。」
「お願いしますね。行ってきます。」
天幕に戻るとディアナ様が魔方陣の準備をしてた。
「まだダメだね。世界改変の影響で門が開けないよ。」
「アーサー君は大丈夫かな?」
「戦力が欲しいならブラドを呼ぶさ。お前さんを呼んだんならお前さんにしか出来ないことを頼むんだろう。」
「そうですね。・・・・ん?何かしら?」
私は上を見た。天幕しか見えない。当たり前ね。でもなにか感じる。強い、聖力。
「ディアナ様、準備をお願いします。」
「頼んだよ。」
景色が歪む。強い聖力が近くを通過した。
この道を通っていくのね。
軽い浮遊感がした。本当に一瞬で着くのだ。流石ディアナ様。
≪いいですか、私は剣です!それが何ですか!ビーム?ビームですよ!あなたの発言が原因ですからね!神々は楽しいことがお好きなのです!あのような場面で不用意な発言は・・・・≫
到着したのは瓦礫の山だった。デッカイ鎧?が膝まずいていてびっくりした。
その隣でアーサー君が地面に刺さった神々しい剣に怒られている。
「アーサー君?」
≪今取り込み中ですので少々お待ちください。≫
「あっ、はい。」
満身創痍で正座してしょんぼりしている茶髪の青年。
アーサー君。
私たちのリーダーはなんと言うかいつも通りだった。




